令和7年11月定例会 市長提案説明

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1036617  更新日 令和7年11月25日

印刷大きな文字で印刷

提案説明に先立ち、諸般の事項について申し上げます。
最初に、国の動向についてであります。
去る10月21日に高市内閣が発足し、強い経済を構築するため、「責任ある積極財政」の考えの下、戦略的に財政出動を行う方針が示された中、先週末、20兆円を超える「総合経済対策」が閣議決定されたところであります。
この経済対策の最優先課題の一つである物価高騰対策として、ガソリン税及び軽油引取税の暫定税率の廃止をはじめ、重点支援地方交付金の拡充や、子ども一人あたり2万円の児童手当の上乗せなど、様々な施策が示されております。
そうした中、物価高の影響により経営難が深刻化している医療機関等への支援についても、報酬改定の時期を待たずに経営改善や従業員の処遇改善につながる補助金が支給されることが盛り込まれております。
これまで、自治体病院を持つ有志の市長たちと共に要望してきた内容が、一定程度実現する見込みであり、地方が抱える喫緊の課題に対して緊急かつ早急な対応が期待されております。
一方で、いわゆる所得税に関連する「103万円の壁」や「給食の無償化」に関する議論も続いております。
「103万円の壁」については、これまでの政党間の協議を踏まえ、今年の年末調整で配偶者特別控除が満額受けられる水準が、160万円まで引き上げられる予定でありますが、同時に、物価に連動した基礎控除のさらなる引き上げや、地方の基幹税である住民税への影響などについては、年末の税制改正の動向を注視する必要があります。
また、「給食の無償化」については、財源の確保や国と地方の負担のあり方、各自治体の実情に合わせた柔軟な制度設計などが論点となっておりますが、国が給食の無償化と言うならば、全額国費で負担していただき、自治体間で格差が生じることなく、良質な給食を子ども達に提供できるようにすべきだと考えます。
私はこれまでも、地方に影響を及ぼす制度を検討する際には、「国と地方の協議の場」を通じて地方の意見をしっかりと聞き、コンセンサスを得ていただきたい旨、様々な機会を捉えて主張してまいりました。
あわせて、国に対して、市長会や期成同盟会などを通じ、物価高騰対策をはじめとする各種施策について、継続的かつ安定的な予算の確保や事務負担の軽減など、様々な要望を行ってまいりました。
今後も国の動向を注視しつつ、地域の実情や課題などを国にしっかりと伝えていくとともに、市民生活を支えるため、本年度の補正予算や新年度予算編成において、的確かつ柔軟に対応してまいりたいと考えております。
次に、企業立地の推進とスタートアップの創出についてであります。人口減少や国際情勢の変化など、社会環境が大きく変化する中で、持続可能な行財政運営を継続していくため、本市では「経済活性化」を政策のベクトルの一つに掲げ、様々な産業振興施策を展開しております。
特に、私の任期2期目の重点政策と位置付けた企業立地による経済の活性化については、柳津、三輪、黒野地域の3つの候補地からなる「ものづくり産業等集積地計画」の推進に取り組んでまいりました。
このうち、柳津地域では、コロナ禍後の経済回復基調を受けて新たな設備投資への意欲の高い事業者が増加していることから、この機会を逃すことなく、令和5年度から6年度にかけて「ものづくり産業等集積地」の対象区域を約38ヘクタールに拡大し、企業の立地基盤を整えました。
当該区域においては、企業自らが用地の取得・造成を行う民間主導の手法により、既に4社と立地協定を締結し、さらに15社ほどが用地交渉など立地に向けた準備を進めております。
この中には、市外から本社を移転する企業のほか、市内企業の事業拡大に伴う移転も含まれており、企業の市外流出の抑制にも資するものと考えております。
現在、区域内の区画道路の一部が完成し、今後整備予定の道路について測量及び設計に着手しているところであります。
来年8月の操業開始を予定している企業を含め、既に複数の企業が整備を始めており、「柳津地域ものづくり産業等集積地」のプロジェクトが目に見える形で動き出しています。
今後も引き続き、雇用の創出や地域経済の活性化に向け、地域の特性を生かした企業立地を、三輪地域・柳津地域・黒野地域で、積極的に進めてまいります。
また、地域に新たな経済循環を生み出すスタートアップの創出に向けた取り組みも着実に進展しております。
今年度は、スタートアップのさらなる成長促進を目的とした「岐阜市スタートアップ認定制度」において、有望な5社を「第1期G-STA」に認定し、社会実装や資金面での支援を始めております。
その一例として、認定企業が開発した「アルコール・インターロック」、いわゆる飲酒運転防止装置を本市の公用車に設置し、オペレーションや自治体特有の課題把握を目的とした実証実験を、9月1日から30日まで実施いたしました。
今回の実証結果を今後の営業戦略などに活かし、新たなビジネス展開へとつなげていただきたいと思っております。
本市では令和3年7月から、JR岐阜駅前の「ネオワーク・ギフ」を拠点に、広い知見を持つセンター長による伴走支援や、起業家たちが集う交流イベントの開催などに取り組んでまいりました。
こうした取り組みにより新たなコミュニティを創出し、センター長を中心に支援機関が連携して起業家をバックアップする「岐阜市版スタートアップ・エコシステム」の構築に努め、これまで90件以上の起業創出を支援するなど、スタートアップを育む土壌が整ってきております。
今後も、企業立地の推進やスタートアップの創出など、地域経済の活性化につながる取り組みを一層加速させ、新たな産業と働く場を創出することにより、人口減少時代においても持続可能な社会を構築し、「選ばれるまち」の実現を目指してまいります。
次に、ねんりんピック岐阜2025についてであります。
60歳以上の方々を中心に、あらゆる世代の人たちが楽しみ、交流を深めることができる、スポーツ、文化、健康と福祉の総合的な祭典である「第37回全国健康福祉祭ぎふ大会」が岐阜県で開催され、10月18日から21日までの4日間にわたり、全国から60万人以上の方々が岐阜を訪れました。
この大会は「ねんりんピック」の愛称で親しまれており、当初、2020年の開催が予定されていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期され、その翌年には中止を余儀なくされました。
今回、実に5年の時を経ての開催となりました本大会の実施にあたり、ご尽力いただきました各種競技団体の皆様をはじめ、すべての関係者の方々に心から感謝申し上げます。
三笠宮彬子女王殿下のご臨席を仰いだ総合開会式では、約1万3千人の選手が参加し、市内の高校生による勇壮な和太鼓演奏や力強い応援団のパフォーマンスなどが披露されるとともに、中学生をはじめとするボランティアの皆様のご協力により、世代や地域を超えた交流を深める機会となりました。
また、開催期間中は県内42市町村の会場で56種目の競技が行われましたが、本市ではスポーツ交流大会としてテニス、弓道、水泳の3種目、ふれあいレク大会としてボッチャ、ミニテニス、ユニカールの3種目を合わせた計6種目を開催し、約1,600人による熱戦が繰り広げられました。
私も各競技会場で選手の皆様が元気に活躍する姿を拝見し、特に弓道の競技では、矢を射る際の静寂と緊張感、的中したときの感動など、会場を包む独特の雰囲気を肌で感じる、貴重な体験をさせていただきました。
これからも選手の皆様には、競技を通じて育んだ仲間との絆や、この岐阜の地で生まれた交流を深め、末永く健康で豊かな人生を送っていただきたいと願っております。
スポーツは心身の健康を促進するだけでなく、人と人とのつながりを深める重要な役割を果たすものであります。
本市としましても、引き続きスポーツ振興を通じて、誰もが生涯にわたり元気に活躍し、ウェルビーイングを実感できる社会の実現を目指してまいります。
それでは、今期定例会に提案いたしました諸議案につきまして、その概要を、御説明申し上げます。
はじめに、第119号議案、令和7年度一般会計補正予算についてであります。
今回の補正予算におきましては、国の補助内示に伴う事業のほか、道路舗装や側溝整備といった市単独の基盤整備事業などを翌年度以降にわたる債務負担行為として措置するなど、所要の補正をいたしております。
民生費の老人福祉費には、介護保険施設等整備費助成について、県補助単価の改定に伴う増額分1,900余万円を、生涯学習推進費には、コミュニティセンター8館における電気料金等の高騰にかかる影響を踏まえ、施設の安定的な運営を図るため、指定管理料の追加分、1,700余万円を、それぞれ補正するものであります。
商工費の金融対策費には、市内中小事業者の既存融資にかかる借り換えの増加により、市の融資制度における保証料補填金、1億1,000万円を補正するものであります。
また、歴史博物館費には、国の補助内示に伴い、歴史博物館総合展示室のリニューアルに合わせて、展示ケースの購入や通信環境の整備などにかかる経費、1,900余万円を補正するものであります。
このほか、債務負担行為として、令和7年度の税制改正において、個人住民税に特定親族特別控除が創設されたことに伴い、税証明のコンビニ交付システムの改修に要する経費、1,100余万円を、また、公共事業の平準化を図るため、市単独事業の道路舗装及び側溝整備に対し、あわせて4億円を、それぞれ補正するとともに、柳ケ瀬子育て支援施設及び柳ケ瀬健康運動施設にかかる令和8年度からの指定管理者の指定に伴う運営管理経費、あわせて10億6,700余万円を、補正するものであります。
以上、債務負担行為を除く一般会計の補正総額は、1億6,751万7千円となり、財源内訳といたしましては、
国及び県支出金 3,307万3千円
繰越金その他特定財源 1億3,444万4千円
をもって措置した次第であります。
次に、第120号議案は、競輪事業特別会計補正予算でありまして、債務負担行為として、令和8年度に愛知県で開催予定の「アジア競技大会」の協賛競輪にかかる宣伝広告等の委託費、2,000万円を補正するものであります。
次に、第121号議案から第132号議案、第144号議案から第148号議案は、いずれも条例の制定、廃止及び改正でありまして、それぞれ提案理由が付記してありますので、説明を省略させていただきます。
第133号議案は、製作委託契約の締結についてでありまして、指定ごみ袋製造等にかかる請負契約を締結しようとするものであります。
第134号議案及び第135号議案は、いずれも工事請負契約の締結についてでありまして、第134号議案は、岐阜薬科大学学舎建設工事、第135号議案は、岐阜城天守閣耐震補強等工事の請負契約を締結しようとするものであります。
第136号議案及び第137号議案は、柳ケ瀬子育て支援施設及び柳ケ瀬健康運動施設について、新たに令和8年度から6年間の指定管理者を指定しようとするものであります。
第138号議案は、土地区画整理事業などに伴い、市道路線の認定、廃止及び変更をするものであります。
第139号議案及び第140号議案は、岐阜県市町村会館組合の令和8年3月31日の解散に向けた、規約の変更並びに解散、財産処分及び事務の承継について、県内42市町村と協議しようとするものであります。
第141号議案 中央卸売市場事業会計補正予算は、債務負担行為として、老朽化が著しい冷蔵庫棟の設備を更新するための実施設計にかかる経費、790万円を補正するものであります。
第142号議案 水道事業会計補正予算は、公共事業の平準化を図るため、債務負担行為として、配水管布設整備事業に3億5,000万円を補正するものであります。
続きまして、第143号議案は、令和7年度の給与費等にかかる一般会計補正予算であります。
人事院が国家公務員の給与について官民較差を是正するため、給料月額の引上げなどの改定を勧告した、いわゆる人事院勧告に準じ、本市におきましても、一般職について、給与を改定するとともに、特別職及び市議会議員の給与等につきましても、一般職に準じ、改定を行うものであります。
加えて、人事異動などに伴う給与及び共済組合負担金などの増減を調整し、3億4,000余万円を補正するものであります。
以上、補正予算及び関係諸議案を御説明いたしました。よろしく御審議の上、御決定を賜りますようお願い申し上げます。

 

より良いホームページにするために、ページのご感想をお聞かせください。

このページの情報は役に立ちましたか?

このページに関するお問い合わせ

岐阜市役所
〒500-8701 岐阜市司町40番地1
代表電話番号:058-265-4141