令和元年11月定例会 市長提案説明
提案説明に先立ち、諸般の事項について、申し上げます。
自然災害
最初に、自然災害についてであります。
国内においては、今年も台風による想定外の大規模な災害に見舞われた年となりました。
9月に上陸した台風15号は、関東地方に上陸したものとしては観測史上最強クラスの勢力で、千葉県を中心に、長期にわたる大規模停電や4万棟を超す建物被害が発生しました。
また、10月12日に上陸した台風19号では、記録的な豪雨により、東日本の広範囲において、70を超える河川の140カ所の堤防が決壊などにより氾濫し、併せて、一つの台風によるものとしては、最も多い件数の土砂災害が発生するなど、8万棟を超す家屋が浸水、全半壊等の住宅被害に見舞われ、80名を超える方がお亡くなりになりました。
改めまして、これらの災害で亡くなられた方々に、深く哀悼の意を表します。
また、被害に遭われたすべての方々に、心からお見舞い申し上げますとともに、被災地の一刻も早い復興を祈念いたします。
本市におきましては、台風19号による災害発生後の10月15日、支援要請に迅速に対応するため緊急支援本部を設置し、災害廃棄物処理や避難所運営などに従事する職員を長野市などへ派遣しておりますが、今後も、被災地からの要請に応じ、被災地の早期復興に向け、できる限りの支援をしてまいりたいと考えております。
先般、東日本大震災の被災地で職員を長期派遣しております福島県双葉郡広野町及び宮城県気仙沼市を視察してまいりました。
震災から8年が経過し、復興の進展を目の当たりにしてまいりましたが、政府では復興庁の設置期限を10年間延長する基本方針案を示されるなど、極めて甚大な災害からの復興には、多くの時間と取り組みが必要であることを改めて認識いたしました。
本市では、これまでも、本市及び各地で発生した災害の教訓を生かし、各種防災対策を進めてきたところでありますが、改めて、事前の防災対策、減災対策の重要性を実感したところであります。
いずれにいたしましても、自然災害が頻発、激甚化する中、本市においても、災害はいつ発生してもおかしくない状況であるという危機感を常に持つ必要があります。
市民の皆様や事業者の皆様においても、全国各地域で発生した災害を我がことと捉え、「自助」「共助」の重要性を改めてご認識いただき、あらゆることを想定した個人備蓄や、積極的な避難行動のための準備など、防災意識の向上に努めていただきたいと考えております。
クアオルトⓇ
次に、クアオルト健康ウオーキングについてであります。
本市におきましては、「市民誰もが 心も体も 健康に暮らせるまちづくり」を推進するため、「歩く」を基本とした健康づくりを中心に、超高齢社会における健康寿命の延伸を図る様々な取り組みを実施しております。
こうした中、昨年11月、健康寿命の延伸に向けたまちづくりビジョンを表彰する「太陽生命クアオルト健康ウオーキングアワード2018」におきまして、優秀賞を受賞いたしました。
受賞の理由として、岐阜市は41万人都市の中央部に、クアオルト(健康保養地)の構成要素である豊かな自然や、温泉を擁していることから、全国的にもまだ例を見ない「都市型クアオルト」が成立する潜在力に富んでいること、更には、クアオルト健康ウオーキングと、豊かな歴史文化資産を生かした本物志向の観光まちづくりを進めていくという都市戦略が評価されたものです。
今年度は、その副賞として太陽生命保険株式会社及び株式会社日本クアオルト研究所からの技術支援等を受け、ウオーキングコースの整備や実践指導者の育成に取り組み、去る10月26日に、「クアの道Ⓡ」として公式に認定を受けました。
クアオルト健康ウオーキングは、ドイツのクアオルトで行われている地域の気候や地形を生かした運動療法をもとに日本で考案されたウオーキングです。
野山の地形、冷気や風を活用して、実践指導者とともに心拍数や血圧などを計測・調整しながら、個人の体力に合わせ、無理をしない運動強度で安全・効果的な有酸素運動となるよう 歩くもので、健康寿命の延伸はもとより、観光客の誘客にも繋がることなどから、近年 全国各地の自治体で実施されております。
認定を受けました本市のコースは、戦国の歴史、伝統文化を感じながら歩く「金華山・長良川・岐阜公園コース」と、四季の変化、動植物の生命力を感じながら歩く「百々ケ峰・ながら川ふれあいの森コース」の2コースで、これまでも 多くの方々が身近にウオーキングや散策されている既存の遊歩道に、新たな案内板を設けるなどの簡易な整備を行ったものであります。
同社からは、“街中でこれだけの景色を有する他にないロケーション”との評価をいただいたところであります。
今後においては、来年度から定期的なウオーキング講座を開講してまいりたいと考えておりますが、まずは、多くの市民の皆様に知っていただき、健康増進に活用していただくため、この秋からは、イベントや広報誌を通じて、幅広く市民にクアオルト健康ウオーキングについて紹介するとともに、市内で健康づくり活動を担っていただいている方々に実際にコースを歩いていただきながら、この新しいウオーキングを紹介する講座等を開催してまいります。
更には、保健・医療関係者や観光事業者に参画いただいております岐阜市クアオルト推進協議会を中心に、官民一体となり、市民の健康づくりと併せ中京圏などからの観光誘客の視点においても普及啓発を行っていく予定であります。
なお、今回の事例のように、普段何気なく接している場所や物に、少しのエッセンスを加えることで、そのものの付加価値や魅力を更に高めることが出来ます。
私は、本市には、そのような潜在能力を秘めた将来の宝物がまだまだ多くあると感じております。
これからも、広くアンテナを張り、新たなチャレンジに積極的に取り組み、市民の皆様へのサービスの向上、さらには本市の魅力アップに努めてまいりたいと考えております。
諸議案の説明
それでは、今期定例会に提案いたしました諸議案につきまして、その概要を、御説明申し上げます。
はじめに、第131号議案、令和元年度の事業費にかかる一般会計補正予算についてであります。
今回の補正予算におきましては、国の補助内示に伴うもの、及び犯罪被害者等支援事業にかかる経費などのほか、道路舗装や側溝整備といった市単独の基盤整備事業などを翌年度以降にわたる債務負担行為として措置するなど、所要の補正をいたしております。
まず、総務費の諸費でありますが、過年度の国・県支出金の確定に伴い、償還金に不足が生じることから、3億7,000万円を補正するものであります。
次に、民生費の老人福祉費につきましては、国の補助内示に伴い、認知症高齢者グループホームにおける安全・安心を確保するため、老朽化に伴う大規模改修に対する助成費2,380余万円を補正するものであります。
生活安全費につきましては、犯罪被害者等の心に寄り添った支援を図るため、第141号議案において犯罪被害者等支援条例を定めるとともに、犯罪被害者等に対する支援金60万円を補正するものでございます。
次に、商工費の金融対策費につきましては、中小企業者の資金需要が増加していることから、市の融資制度に係る保証料補填金1億1,000万円を補正するものであります。
続いて、土木費の河川水路 新設改良費につきましては、内水対策として、緊急自然災害防止対策事業債を活用し、校庭貯留施設を整備するため設計等にかかる費用、760万円を補正するものでありますが、完了が次年度になる見込みであることから、繰越明許費として所要の措置を講ずるものであります。
次に、消防費の非常備消防費につきましては、大規模災害に備え、消防団の消防力の充実強化、救助能力の向上を目的として、救助用資機材を消防分団本部等に配備するための購入費650万円を補正するものであります。
このほか、諸支出金につきましては、国民健康保険事業特別会計への繰出金を補正するものであります。
次に、両満川排水機場設備改修事業につきましては、完了が次年度になる見込みであることから、繰越明許費として所要の措置を講ずるものであります。
そのほか、債務負担行為として、市民課事務所における、リノベーションによる利便性、快適性の向上を図るための整備関連経費として800万円を、公共事業の平準化を図るため、市単独事業の道路舗装及び側溝整備に対し4億円を、岐阜市中央青少年会館にかかる令和2年度から2年間の指定管理者の指定に伴う運営管理経費として、7,070余万円を、それぞれ補正するものであります。
以上、これら繰越明許費、債務負担行為を除く一般会計の事業費の補正総額は、5億1,871万5千円となり、財源内訳といたしましては、
国庫支出金 2,606万3千円
市債 760万円
繰越金その他特定財源 4億8,505万2千円
を持って措置した次第であります。
次に、第132号議案は、国民健康保険事業特別会計補正予算であります。
平成19年から平成22年にかけて医療機関で行われた不正・不当な診療に対して、診療報酬の返還を求めるため、第144号議案において訴えを提起するとともに、これにかかる弁護士費用11万円余を補正するものであります。
次に、第133号議案から第140号議案、及び第148号議案、第150号議案、第151号議案、第153号議案から第155号議案は、条例の改正並びに制定でありまして、それぞれ提案理由が付記してありますので、説明を省略させていただきます。
第142号議案は、工事請負契約の変更についてでありまして、リサイクルセンター敷地造成工事請負契約について、労務単価の上昇などにより増額となる一方、他の公共事業で発生した建設発生土の再利用により減額になることから、契約金額を減額変更するものであります。
第143号議案は、岐阜市中央青少年会館につきまして、新たに、令和2年度から2年間の指定管理者を指定しようとするものであります。
第145号議案は、本年8月に、八代1丁目地内で発生しました交通事故について和解し、損害賠償の額を定めるものであります。
第146号議案は、高島屋南地区の市街地再開発事業の施行に伴い、町の区域を変更しようとするものであります。
第147号議案は、一部事務組合の規約の変更でありまして、岐阜地域 児童発達支援センター組合について、加茂郡八百津町が今年度末をもって組合を脱退することに伴い、規約を変更するものであります。
第149号議案、水道事業会計補正予算は、公共事業の平準化を図るため、債務負担行為として、配水管布設整備事業に対し2億円を補正するものであります。
続きまして、第152号議案は、令和元年度の給与費等にかかる一般会計補正予算であります。
人事院が国家公務員の給与について官民較差を是正するため、給料月額の引上げなどの改定を勧告した、いわゆる人事院勧告に準じ、本市におきましても、一般職について、給与を改定するとともに、特別職及び市議会議員の給与等につきましても、一般職に準じ、改定を行うものであります。
加えて、人事異動などに伴う給与及び共済組合負担金などの増減を調整し、2億4,300余万円を減額補正するものであります。
以上、補正予算及び関係諸議案を御説明いたしました。
よろしく御審議の上、御決定を賜りますようお願い申し上げます。
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