令和4年3月定例会 市長提案説明

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ページ番号1015782  更新日 令和4年3月8日

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提案説明に先立ち、一言申し上げます。
ロシアのウクライナに対する侵略により犠牲となられた方々に、心より哀悼の意を表します。ロシアのプーチン大統領によるこの侵略は、自由と民主主義、平和を愛する人類への敵対行為であり、断固非難します。本市は、市制施行百年にあたる昭和63年7月、「平和都市」を宣言しました。今この場で、議員各位及び市民の皆様と平和都市宣言を改めて共有します。
「緑豊かな金華山と清流長良川に代表されるわたしたちのふるさとは、自由と平和をとうとぶ風土をはぐくみ、活力に満ちた住みよいまちづくりを目指しています。この美しい自然を愛し、自由と平和を求める心はわたしたちのみならず、人類共通の願いであります。わたしたちの岐阜市は、世界の各都市と友好・姉妹都市提携を進め、相互の信頼を深めつつ平和への道を歩んでいます。市制施行百年を迎えるに当たり、すべての核兵器と戦争をなくすことを訴え、世界の人々とともに真の恒久平和が達成されることを願い、ここに『平和都市』を宣言します。昭和63年7月1日 岐阜市」平和は与えられるものではなく、絶え間ない努力と行動によって守るものです。一日も早くウクライナへの侵略が終わり、世界の安定と平和が回復するよう祈ります。

本日、令和4年第1回岐阜市議会定例会が開催され、新年度の予算案を中心に諸議案の御審議をお願いするにあたり、市政に臨む所信の一端と施策の大要を申し上げます。
 

はじめに

先の市長選挙におきまして、市民の皆様からの信任を賜り、2期目の岐阜市政のかじ取りを担わせていただくことになりました。
責任の重さに改めて身の引き締まる思いであり、本市の一層の発展のため、市民の皆様の期待と負託に応えるべく、全力を尽くして責務を全うする決意を新たにしております。
平成30年に市長に就任して以来、積年の課題を一つずつ解決し進むべき道筋を示す中で、市民の皆様に変化を実感していただけるよう“岐阜を動かす”を最重要テーマとして掲げるとともに、市民・行政・企業などとの協働・連携による“オール岐阜のまちづくり”を市政運営の基本方針に据え、1年勝負という強い気持ちを持って、様々な施策に取り組んでまいりました。
こうした施策とともに、本市の魅力的な地域資源などの積極的なシティプロモーションにより、若い世代を中心とした社会動態の改善や、民間企業の調査「東海三県 借りて住みたい街・駅ランキング」4年連続1位、「買って住みたい街・駅ランキング」2位という高評価などにも繋がっていると考えております。
また、昨年5月には、内閣府からSDGs未来都市に選定されるなど、持続可能な“選ばれるまち”として徐々に動き出していると感じているところであります。
私の政策の原点は、市民の皆様との対話であります。
コロナ禍による制約はあったものの、各地区での懇話会をはじめ、各種団体との意見交換会や市政報告会、オンライン座談会など市民の皆様の生の声を聞くことが、政策づくりの大きな力となっております。
2期目の4年間におきましても、市民の皆様との対話を大切にしながら、本市が抱える様々な課題に真摯に向き合い、1期目の4年間でまいた種を、一つひとつ花咲かせるとともに、今後も市民の皆様に寄り添いながら、“市民の幸せの実現”に邁進し、一人でも多くの市民の皆様が“岐阜が好き”と誇りを持っていただけるよう、全力で取り組んでまいります。
今後とも、議員各位の御指導、御協力をお願いいたします。
 

本市を取り巻く環境

それでは、最初に本市を取り巻く環境について申し上げます。
発生から2年以上が経過してもなお猛威を振るっております新型コロナウイルス感染症は、昨年夏のデルタ株による“第5波”、年明けからこれまでになく急激に感染拡大を続けるオミクロン株による“第6波”と、社会経済活動に大きな影響を及ぼしております。
本市においても、去る1月21日に“まん延防止等重点措置区域”に指定された後も感染拡大が続き、医療提供体制への負担が増加するとともに、濃厚接触等により出勤できない人が増え、社会機能が低下するリスクとなるなど、市民生活にも大きな影響が生じたところであります。新規陽性者数を減らし、社会経済活動を回復することが重要です。市民の皆様には、決して油断することなく、感染防止対策の徹底をお願いします。
こうした中、国においては、昨年12月、感染リスクを引き下げながら社会経済活動の継続を図る「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に基づく、過去最大規模の補正予算が編成され、感染拡大防止対策として、医療提供体制の強化や、ワクチン接種の促進、治療薬の確保、生活や暮らしへの影響を受ける方への支援など喫緊の対策が講じられているところであります。
これまでも、新型コロナウイルス関連による累次の経済対策が実施されており、令和2年度に限っても、事業規模が総額290兆円を超えるとのことであり、改めて影響の大きさを感じるところであります。こうした状況において、国の財政状況は、借り入れに頼らざるを得ない大規模な補正予算編成等の影響により、長期債務残高「いわゆる国の借金」は大幅に増加し、令和3年度末にはGDPの1.8倍以上となる1,000兆円を超える見込みとなっており、人口減少や少子高齢化、大規模自然災害などへの対応に直面する中、今後も予断を許さない状況が続くものと推測されます。
一方、先の経済対策においては、こうした状況を克服し、未来を切り開いていくため、成長戦略の柱として、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたクリーンエネルギー戦略や、スタートアップ支援などのイノベーションを核とする科学技術立国の実現とともに、デジタル技術等の活用により地域活性化を進め、地方から国全体へボトムアップの成長を目指すデジタル田園都市国家構想などが示されたところであります。
我々地方自治体としましても、地方が直面する多様な課題を一つひとつ前に進めるとともに、こうした国の動向を的確にとらえ、柔軟かつ迅速に対応していく事が求められております。
 

岐阜市未来のまちづくり構想

このように社会が大きな転換期を迎える今、人口減少などの従来からの課題に加え、コロナ禍で浮き彫りとなった様々な課題の解決を図り、今後も持続可能なまちとして発展していくためには、市民の皆様と思いを共有しながら施策に取り組んでいく事が重要であります。
そのため、新たなまちづくりの総合的なビジョン「岐阜市未来のまちづくり構想(通称:Gifu MIRAI Book)」を先月策定したところであります。
本構想において見据える2040年頃の将来像は、「人がつながる 創造が生まれる しなやかさのあるまち」であり、その実現に向け、4つのまちづくりの基本的な考え方のもと、5つの分野ごとにおける取り組みの方向性
“こどもファーストでみんなを笑顔にするまち”を目指す「教育・子育て」
“だれもが自分らしく健康に生きられるまち”を目指す「健康・福祉・医療」
“人をつなぎ、暮らしと環境を守るまち”を目指す「市民協働・防災・環境」
“活気あふれる仕事と交流のあるまち”を目指す「産業・労働・交流」
“活力と暮らしやすさのあるまち”を目指す「都市基盤整備・交通・中心市街地活性化」により、それぞれ具体の取り組みを進めてまいります。
構想に掲げる将来像は、おおよそ20年後の未来です。現在小学生や中学生の皆さんは、30歳前後となり、地域社会を担う中心的な立場となっていることを想定し、この世代の方にも親しみやすいよう通称や多くのイラスト、柔らかな表現を用いて策定しております。
より多くの市民の皆様が、この構想をきっかけとして、まちづくりを自分事として捉え、一緒に未来を創っていただきたいと考えております。
 

政策のベクトルと主要事業

こうした中、新年度におきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症対策を最優先事項とし、感染状況に応じた必要な対応を迅速に実施していくとともに、ワクチン接種につきましては、全庁協力体制の下、接種を希望する市民の皆様の追加接種等に万全を期してまいります。
また、特に重点を置いて取り組む施策の方向性として、新たな構想に示す4つの基本的な考え方「オール岐阜のまちづくり」「シビックプライドの醸成」「DX(デジタル・トランスフォーメーション)と脱炭素化」「持続可能で選ばれるまち」を土台とし、「こどもファースト」「ワークダイバーシティ」「中心市街地活性化と社会基盤整備」「共助共生社会&環境」「寄り添う福祉&健幸」の5つのベクトルにより、未来を見据えた施策を加速化させてまいります。
 

こどもファースト

それでは、政策のベクトル及びそれぞれの主要事業につきまして順次申し上げます。
まず、1つ目は、岐阜市政における不変の方針と位置付けております「こどもファースト」であります。
不登校児童生徒の増加やいじめ問題、痛ましい交通事故など、子どもたちのまわりには多様な課題が存在しています。加えて、人口減少に伴う超高齢社会において、いわゆる8050問題や地域の担い手不足など様々な社会課題が存在する中、これらの課題を解決する突破口に繋がるのが「こどもファースト」の視点であると考えています。
そのため、次世代を担う子どもたちへの投資を最優先とし、教育大綱で掲げる基本方針に基づき、一人ひとりが価値ある大切な存在として互いに認め合う教育の推進に取り組むとともに、子どもを取り巻くあらゆる環境を視野に、命や安全を守る取り組みの強化や、ライフステージに応じた切れ目のないサポートの充実を図るなど、安心して子どもを産み育てたくなる社会の実現に向け、施策を展開してまいります。
新年度は、教育において、いじめの未然防止体制の更なる充実を図る観点から、新たに「主任いじめ対策監」を配置するとともに、生命の尊厳への理解を深める学び「生き方の探究学習」を進めるため、スーパーバイザーの派遣などを行うほか、草潤中学校における取り組みの他校への展開や、郷土資源を活かし地域への誇りを育み、自己の生き方を考える「ふるさと岐阜市学」の構築などに取り組んでまいります。
加えて、タブレット端末の更なる活用とともに、個別最適な学びの充実を図る「学習支援ソフト」や、保護者の利便性向上とともに、教員の働き方改革にも資する「学校と保護者を繋ぐ連絡アプリ」など、新たなデジタルツールの導入によるDXの促進を図ってまいります。
また、引き続き、関係機関や地域と連携し、危険個所等の重点整備を進めるなど、通学路安全対策にも取り組んでまいります。
子育てにおいては、母子健康包括支援センターにおける相談体制を継続するとともに、新たに3歳児健診における屈折検査機器を使用した眼科検査の実施など各種健診の充実により、母子の健康づくりを推進してまいります。
また、県中央子ども相談センター、県警と連携し児童虐待等に早期に対応する「こどもサポート総合センター」の開設や、ヤングケアラーコーディネーターの設置など、エールぎふを拠点とした支援体制を強化してまいります。
加えて、多様化する保育ニーズに対応するため保育環境の更なる充実を図るとともに、ひとり親家庭や児童養護施設退所者への支援など、個々の課題にもしっかり光を当て、きめ細やかに対応してまいります。
 

ワークダイバーシティ

2つ目は、「ワークダイバーシティ」であります。
本市が持続可能なまちであるためには、年齢や性別、障がいの有無等に関わらず、一人ひとりが持てる力を発揮しながら、安定して生活できる多様な働き方の確保が重要であります。これにより、働くことを通じて居場所と出番がある社会の創出、ひいては市民の皆様の幸福感の醸成にも資すると考えております。
そのため、自分らしく働ける場のあるまちを目指し、テレワークや超短時間雇用など、多様で柔軟な働き方を推進する一方で、こうした働く場づくりに繋げるための地域経済と産業の活性化に向けた施策を展開してまいります。
新年度は、合同企業説明会などを通じた就職支援を継続して実施するほか、新たに、障がいがあり、長時間就労が困難な人と就労先とをマッチングする「(仮称)岐阜市超短時間ワーク応援センター」の設置や、ひきこもり等様々な働きづらさを抱える方に対して、公益財団法人日本財団のモデル事業を活用した就労支援、ショートタイムテレワークの推進など、個々の背景、特性に応じた就労支援に取り組んでまいります。
融資制度においては、新たに「DX促進資金」の創設により、デジタル技術の活用による中小企業等の労働生産性の向上を図るとともに、ネオワーク・ギフを拠点としたスタートアップ支援において、新たな事業やサービスの創出を促進するための補助制度を創設するほか、三輪地域におけるものづくり産業等集積の早期実現に向け、農業6次産業化の事業展開について調査するなど、既存産業の活性化と新たな産業の創出に取り組み、更なる雇用の拡大に繋げてまいります。
 

中心市街地活性化と社会基盤整備

3つ目は、「中心市街地活性化と社会基盤整備」であります。
本市の中心市街地は、岐阜都市圏全体の発展を推進するエンジンであるとともに、人口のダム機能を果たす重要なエリアであり、岐阜公園エリアを加えたセンターゾーンの活性化は、本市の持続的発展に不可欠であります。
加えて、利便性や快適性の向上に資する社会基盤整備は、市民生活を将来にわたり豊かにするとともに、都市の付加価値を高める未来への投資であり、今後も着実に進めていく必要があると考えております。
そのため、センターゾーンにおいて、市街地再開発とリノベーションまちづくりを両輪とした官民連携によるまちづくりを推進するとともに、多くの人々が集うよう多様で魅力的な地域資源を活用した本物志向の観光まちづくり、公共空間を活用したまちづくりとしての社会インフラ整備や交通環境づくりなど、多面的に施策を展開してまいります。
新年度は、駅周辺エリアにおいて、岐阜駅北中央東地区、及び中央西地区市街地再開発事業の実現に向け、引き続き両準備組合の活動を支援するとともに、両地区の再開発と駅を結ぶ歩行者用デッキの整備に向けた検討を進めてまいります。
また、柳ケ瀬エリアにおいては、高島屋南地区市街地再開発事業「柳ケ瀬グラッスル35」の完成に向け、再開発ビルの建築工事を継続して推進するとともに、新たなまちづくり活動の拠点として、旧長崎屋跡地を活用した柳ケ瀬広場の整備にも取り組んでまいります。
加えて、南庁舎跡の活用事業者の公募など、民間投資を誘発しながら、中心市街地の更なる価値の向上を図るとともに、みんなの森ぎふメディアコスモスにおいて、今月26日に開設する「シビックプライドプレイス」を拠点として、まち歩きや歴史文化の魅力を伝える情報の集約・発信、ワークショップの開催や担い手育成などの継続的な取り組みにより、市民の皆様のシビックプライドの醸成、さらには、つかさのまちエリアの賑わい創出に繋げてまいります。
観光においては、長良川の魅力的な水辺空間を創出する「ぎふ長良川鵜飼かわまちづくり計画」に基づき、長良川右岸プロムナードの整備や既存施設を活かした民間活力による「旧いとう旅館」の整備を進めるとともに、鵜飼観覧における高級観覧船の導入や水上座敷の実証実験に取り組んでまいります。また、新たに策定した「史跡岐阜城跡整備基本計画」に基づき、山上部の樹木伐採による城郭景観の復元に取り組むなど、地域固有の資源に磨きをかけるとともに、観光客の利便性向上、DXの推進につながるシェアサイクルを導入してまいります。
社会基盤整備においては、積年の課題である名鉄名古屋本線鉄道高架化事業について、去る2月28日に国の事業認可を受け、来月1日には、県・市合同の現場事務所を開設し、あわせて実施する加納・茶所統合駅周辺の土地区画整理事業とともに、着実に事業を推進してまいります。
また、官民連携で進めるスマートシティぎふ推進事業の一環である公共交通への自動運転技術の導入について、早期の実装を見据え、実証実験を拡大するほか、JR長森駅北口整備の着手など交通環境づくりも進めてまいります。
さらには、周辺市町との連携強化や交流人口の拡大に繋がる広域道路の整備を引き続き促進するとともに、橋梁の耐震化、上下水道管の更新など、社会インフラの長寿命化を計画的に図ってまいります。
 

共助・共生社会と環境

4つ目は、「共助・共生社会と環境」であります。
人口減少、少子高齢化の進展とともに、自然災害が頻発する今日、防災や福祉、環境保全など様々な面において、多様性を受け入れ、互いにつながり、助け合うことは、日々の暮らしにおいて必要不可欠であると考えております。
そのため、地域コミュニティの形成や協働のまちづくり、多文化共生の促進など、地域で安心して生き生きと暮らせるよう、様々な施策を展開してまいります。
加えて、脱炭素化の取り組みを加速するなど、良好な生活環境を次世代へ継承し、誰もが居心地の良い地域づくりを進めてまいります。
新年度は、協働のまちづくりにおいて、少子高齢化や価値観の多様化等による地域活動の担い手不足や、長引くコロナ禍の影響による人と人とのつながりの希薄化など、地域が直面している課題を踏まえ、持続可能な地域コミュニティの形成に向けて取り組むとともに、地域の課題を住民自らが解決していく住民主体のまちづくりを進めるため、まちづくり協議会の設立や地域まちづくりビジョンの策定支援を継続してまいります。
また、外国人市民のためのホームページの充実や日本語学習支援を行う人材の育成に取り組むほか、消防団員及び水防団員の処遇改善をはじめ、活動を支える各種整備など地域防災力の強化にも取り組んでまいります。
環境においては、本市のカーボンニュートラルに向けた具体的な取り組みを示すため、「地球温暖化対策実行計画」を改定するとともに、昨今の著しい気候変動に対応するため、新たに「気候変動適応計画」を策定いたします。加えて、家庭用リチウムイオン蓄電池や太陽光発電システムといった省エネ設備にかかる支援の拡充や、プラスチック製容器包装の資源化などを通じ、脱炭素化、循環型社会の構築を促進してまいります。
 

寄り添う福祉と健幸

最後に、5つ目は、「寄り添う福祉と健幸」であります。
市民の皆様が抱える課題が、複雑化・複合化する中、新型コロナウイルス感染症の長期化の影響も相まって、こうした課題に丁寧に寄り添う支援の必要性は、ますます高まっております。
そのため、一人も取り残されることなく、安心して暮らせる地域社会を構築していくとともに、人生100年時代の超高齢社会における、健康寿命の延伸や生きがいづくりなど、一人ひとりが幸せに生きられる社会づくりに向けた施策を展開してまいります。
新年度は、生活に困難を抱えている皆様への支援として、誰一人取り残さない重層的なセーフティネットの構築に向け、新たに設置する重層的支援推進室に福祉まるごと支援員を増員するとともに、生活困窮者の自立支援を強化するためのアウトリーチに特化した支援員の配置のほか、コロナ禍で不安を抱える女性が、社会との絆・つながりの回復を図るための「あんしんつながりステーション」を引き続き運営してまいります。
加えて、地域の身近な行政窓口である事務所においては、福祉・保健機能の拡充を順次進めるとともに、福祉に関する相談に対応する「福祉窓口アテンダント」を配置するなど、今後も、市民の皆様に寄り添った窓口サービスの提供に努めてまいります。
健幸においては、“歩く”を基本とした健康づくりの核として、引き続き「クアオルト健康ウオーキング」を展開するとともに、がん検診における胃内視鏡検査の追加や、節目歯科健康診査の対象年齢に25歳を加えるなど健康にかかる取り組みの充実を図ってまいります。
また、国保データベースシステムにおける医療・介護・健診の各種データを活用・分析することで、高齢者の健康課題の把握や対象者を特定して行う支援など、後期高齢者及び国民健康保険の保健事業と、介護保険の地域支援事業の一体的な実施による、予防に重点を置いた健康づくりを図ってまいります。以上、5つのベクトルに基づく重点施策のほか、これまでも推進しております「シティプロモーション」、「働き甲斐のある職場づくり」につきましても、引き続き注力してまいります。
 

新年度予算

次に、新年度予算案における総括について申し上げます。
まず、歳入についてであります。
歳入の根幹である市税収入につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は依然として残るものの、市民税は給与所得や法人収益の回復などにより前年度と比較して16億円の増、固定資産税及び都市計画税は、地価の下落や設備投資の減の一方、中小事業者等に対する令和3年度限りのコロナ関連軽減措置が終了となることにより2億円の増となるなど、市税全体で19億円、率にして3%増の654億円を見込んでおります。
また、税外収入につきましては、固定資産税等の軽減措置の終了により減収補填特別交付金が5億円減となる一方、消費の回復により地方消費税交付金を4億円増と見込むなど、これらを合わせた一般財源の総額は、前年度に比べ12億円の増となる見込みであります。
一方、歳出につきましては、社会保障関係経費が引き続き増加するとともに、新型コロナウイルスワクチン接種などの感染拡大防止対策や、職員の業務効率化を実現するツール導入などDX関連経費が前年度より増となる一方、投資的経費における新リサイクルセンター建設など大型事業の完了や、国の経済対策に伴う本年度3月補正予算への事業の前倒しにより、総額としては、前年度より減少となりました。
この結果、令和4年度の予算規模は、
一般会計 1,752億3,000万円
特別会計 1,156億8,670万円
企業会計 545億4,896万4千円
総計 3,454億6,566万4千円 となり、
これを令和3年度当初予算と比較いたしますと、
一般会計で 21億円、 1.2%の減
特別会計で 2億8,440万円、 0.2%の増
企業会計で 27億7,637万1千円、5.4%の増
全体では 9億6,077万1千円、0.3%の増
となったところであります。
また、当初予算編成にあわせ、今後10年間における歳入・歳出の推計及び平準化等の対策を踏まえた財政収支を示す「中期財政計画」を新たに策定し、公表したところであります。
人口減少・少子高齢化が進む中、税収への影響、更なる社会保障費の拡大、公共施設の老朽化対策などへの対応は急務であり、今後全ての地方自治体において、財政状況は一層厳しくなることが想定されます。本市においても、何の対策もとらない場合では、10年後、20年後は、決して持続可能といえる状況ではありません。
今後においても、行財政改革大綱2020に基づき、様々な改革を積極的に進めるとともに、中長期の視点に立ち、財政規律にしっかり意を用い、さらには自主財源の確保にもつながる未来への投資を着実に進めることにより、財政の側面からも持続可能なまちづくりを目指してまいります。
 

おわりに

以上をもちまして、市政に対する所信の一端と令和4年度に重点を置いて取り組む施策の大要を申し述べました。議員各位をはじめ、市民の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
なお、予算に関係いたします条例なども提案いたしておりますが、それぞれ提案理由が付記してありますので、よろしく御審議の上、御決定を賜りますようお願い申し上げます。
 

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