[市] 名和昆虫研究所記念昆虫館
名和昆虫研究所記念昆虫館(なわこんちゅうけんきゅうしょきねんこんちゅうかん)
分類
市指定重要文化財(建造物)
指定年月日
平成2年(1990)12月26日
所在地
岐阜市大宮町2-18
所有者
名和昆虫研究所
解説
名和昆虫研究所は、名和靖(なわやすし)によって明治29年(1896)、岐阜市京町に開設された害虫防除・益虫保護を目的とした研究所です。明治37年(1904)に岐阜公園内に移転し、同40年(1907)には特別昆虫標本室(現在の記念昆虫館)、大正8年(1919)には博物館を開き、農業や昆虫学の研究・教育に大きな役割を果たしてきました。
記念昆虫館は、当時著名な建築家であった武田五一(たけだごいち)の設計で、その構造は、桁行14.54m、梁間7.3mの二階建て、鉄板葺き切妻形式をとっています。一階の壁はレンガ組みで、この上に屋根を支える三角形の木造トラス組みを設け、二階としています。急勾配の屋根には、一階窓に対応して四か所ずつ採光出窓を設け、変化をつけています。
この建築は、当時オーストリアに興ったセセッションと呼ばれる建築様式の流れを汲むもので、実用性や理論的な建築構造を重んじた新しい考え方で、レンガの積み方や採光窓などにその様子がうかがえます。記念昆虫館は、日本におけるセセッションの代表例の一つで、明治末から大正にかけて、日本の新しい建築文化への出発点にあるものと考えられます。
建築用語
- トラス組み:部材が三角形を単位とした構造骨組の一種。
- セセッション:19世紀末から20世紀初頭にかけて、ドイツ、オーストリアに興った芸術の革新運動。分離派ともいう。その主な活動領域は建築と工芸で、ミュンヘン、ベルリン、ダルムシュタット、ウィーンなどで中心的に行われた。
【参考】彰国社編『建築大辞典 第2版<普及版>』1993年刊
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