[市] 椿洞第1古墳群2号墳出土圭頭大刀
椿洞第1古墳群2号墳出土圭頭大刀(つばきぼらだい1こふんぐん 2ごうふんしゅつど けいとうたち)
分類
市指定重要文化財
指定年月日
令和4(2022)年12月27日
所在
岐阜市歴史博物館(大宮町-18-1, 岐阜公園内)
基本情報
部位名称\法量(単位:cm) | 長さ | 長径 | 幅 | 厚さ |
---|---|---|---|---|
柄頭(つかがしら) | 5.5 | ー | 4.4 | 2.4 |
鍔(つば) | 4 | ー | 2.9 | 0.35 |
刀身 | 残存部47.6 | ー | 2.4~2.9 | ー |
鞘口金具(さやぐちかなぐ) | 4.1 | 3.4 | 2.1 | 0.06 |
鞘尻金具(さやじりかなぐ)〈復元〉 | 10.4 | ー | 3.2 | ー |
材質:刀身は鉄製、刀装具は金銅製、銀線の装飾があり、鞘(さや)は木質。
状態:木質部が残存している部分もあり、保存状態は良好。
解説
椿洞第1古墳群2号墳出土圭頭大刀は、岐阜市椿洞の椿洞第1古墳群の2号墳から出土した、古墳時代後期、7世紀前半頃の大刀です。
圭頭大刀は主に関東、九州北部、山陰地方等で多く見つかっていて、東海地方では15点が発見されていますが、県内では椿洞第1古墳群(岐阜市)、稲荷塚1号墳(可児市)の2点のみとなります。また、大刀1セット分の刀装具のほとんどがそろっていると考えられ、一部には鞘のものと思われる木質も残っていて保存状態も良好です。加えて、発掘調査の際の他の出土品により古墳に副葬された時期の分かっている貴重な例でもあります。
こうした圭頭大刀は畿内の工房で作られたと考えられていて、畿内と美濃との関係や本古墳群の性格を検討する上で重要な資料であると言えます。また椿洞第1古墳群は、2号墳から希少な大刀が出土していること、4号墳が多角形をしていることが、一般にこの時期の群集墳が同じような墳丘で構成される中で際立って特徴的です。そのため、本資料は岐阜市の古墳時代後期における椿洞第1古墳群の位置づけを検討する上で重要であると言えます。
参考情報
椿洞第1古墳群各古墳の規模
椿洞第1古墳群は2号墳から第5号墳までの4基を調査し、4基の古墳の中で最初に造られたとみられる5号墳は6世紀末頃、最後に造られた可能性のある2号墳は7世紀前半頃の築造と考えられています。
墳丘 | 石室の種類 | 玄室の大きさ | 出土遺物 | |
---|---|---|---|---|
1号墳 | 調査時にすでに滅失 | |||
2号墳 | 径12mの円墳 | 両袖式横穴式石室 |
全長3.95m 最大幅1.55m |
圭頭太刀、須恵器、鉄器、銀環、人骨 |
3号墳 | 径10mの円墳 | 両袖式横穴式石室 |
全長2.98m 最大幅1.14m |
土師器、須恵器 |
4号墳 | 南北10m、東西12mの五角形 | 両袖式横穴式石室 |
全長2.9m、最大幅1.4m、奥壁部高さ1.9m |
築造当時の遺物は出土せず |
5号墳 | 径約9mの円墳 | 両袖式横穴式石室 |
全長3.02m 残存部最大幅1.42m |
鉄鏃片、須恵器、土師器 |
※各墳丘は上部が削平されているため、高さは不明。
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