[市] 延算寺鐘楼
延算寺鐘楼(えんさんじしょうろう)
分類
市指定重要文化財(建造物)
指定年月日
昭和59年(1984)3月19日
所在地
岐阜市岩井2-1-25
所有者
延算寺
解説
岩井山延算寺は、寺伝によれば、弘仁6年(815)に弘法大師が当地を訪れ、一寺を建立し延算寺と名づけたことに始まります。貞観6年(864)には、清和天皇の病気平癒を祈って効験があったことから、七堂伽藍の建立が許されました。
延算寺の鐘楼は、入母屋造屋根の二層の建物で、崖上の平坦地に自然石を並べた基壇上に建っています。
下層は面取角柱、上層は丸柱からなり、下層柱は礎盤石上に独立して建っています。下層柱腰は貫を廻し、柱頭は貫と腕木を架け、先端には縁葛をめぐらしています。貫中央には床梁を渡して二階床組を造り、床板を張り周囲には束立、笠木、貫を通して勾欄を設けています。上層丸柱上には大斗、三斗、実肘木付きの蟇股を置き、桁内側は格天井としています。
棟札により、天和3年(1683)に建てられたものであることがわかり、平成6年(1994)には解体修理が行われました。当時の様式をよく残す、簡素かつ明快な鐘楼建築です。
建築用語
- 縁葛(えんかずら):縁束または腰組斗栱の上部を連ねている横木で、縁板を受けているもの。
- 大斗(だいと):斗組(ますぐみ)のなかで最大の斗をいう。
- 三斗(みつと):斗組の一つで、大斗の上の肘木(ひじき)の上に三個の斗を載せるもの。
- 実肘木(さねひじき):桁を直接に受ける肘木のこと。
- 蟇股(かえるまた):梁の上にあって、上部の荷重を支える横広がりの装飾的部材。蛙が股を広げたような形をしていることからこの名がある。
- 格天井(ごうてんじょう):断面が2~2.5寸角(6~7.5cm程度)の材を縦横に組み合わせて裏板を張った天井のこと。
【参考】彰国社編『建築大辞典 第2版<普及版>』1993年刊
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