令和6年12月19日 市長定例記者会見

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ページ番号1030297  更新日 令和6年12月26日

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写真:令和6年12月19日 市長定例記者会見の様子

※記者会見の様子を岐阜市公式ユーチューブチャンネルでご覧いただけます。

発表項目

1. DXを活用した安全・安心な道路環境の構築について

(1)「通学路安全対策ワークショップ」について

(2)道路損傷等通報システム「LINE版ぎふしみちレポ」について

2.「ぎふ灯り物語2025」の開催について

配布資料

発言趣旨

【市長】
それでは、ただいまから会見を始めます。

1.DXを活用した安全・安心な道路環境の構築について

(1)「通学路安全対策ワークショップ」について

まず、「通学路の安全対策のワークショップ」についてです。
このワークショップは、昨年度(令和5年度)より通学路の効果的な安全対策を実現するために、EBPMと住民自治を組み合わせたワークショップの取り組みを実施しているものです。
このワークショップでは、車両走行データや交通事故統計データなどのビッグデータ、さらにはAI解析によって事故発生リスクの評価などを出していただくエビデンスをもとに作成した、潜在的な危険箇所の「見える化地図」を活用するというのが特徴でございます。
この「見える化地図」を見ていただきながら、地域に精通をしてくださっている住民の皆さま、また子どもたちを取り巻くあらゆる関係者の皆さまが主体となりまして、安全対策について検討をし、住民の皆さんで合意形成を図っていただくというものでございます。
市内全46校区のうち、昨年度(令和5年度)は先行してモデル的に4校区、ワークショップを実施していただきました。
今年度(令和6年度)は11月までに、21校区で延べ63回のワークショップを行い、こちらが終了したということでございます。
ご参加いただいた皆さまからは、「ビッグデータやAI解析から作られた『見える化地図』は、リスクの高い箇所が一目でわかり、とてもわかりやすく理解が深まった」というご意見や、「さまざまなデータから地域の交通安全について考えることが出来て良かった」といったご意見もいただいておりますし、またアンケートの結果におきましても、9割の方々が「エビデンスに基づいた安全対策の実施は、高い効果に繋がる」とご回答いただけるなど、好評でありました。
岐阜市といたしましては、地域の方々が一体となって、子どもたちを守るために熱意を持って取り組んでいただけるということで、大変心強く思っているところでございます。
安全対策の箇所の選定については、昨年度(令和5年度)実施した4校区では43の安全対策箇所が、また今年度(令和6年度)実施した21校区では208の安全対策箇所が選定されました。
それぞれ実施すべき対策内容も話し合っていただきました。
その結果、歩行空間の安全を確保する歩道の整備や、ガードパイプの設置、車両速度を抑制する交差点のカラー舗装化など道路施設整備に関するもののほか、見守り活動の強化や児童への安全教育など、ハード・ソフト両面からさまざまな対策を選定していただきました。
このように合意形成された安全対策について、各校区それぞれの「かわら版」、この画面に出ているのは、私の地元則武ですが、「かわら版」ということで校区ごとに取りまとめていただいております。
この「かわら版」を全世帯に回覧をしていただきまして、ワークショップの参加者だけではなくて、地域全体で共有をしていただき、安全意識の向上に努めていただいております。
安全対策の実施についてですが、昨年度(令和5年度)選定された対策については、優先順位の高いものから順次整備を進めております。
また、今年度(令和6年度)選定された208箇所についても、来年度(令和7年度)より3年程度かけまして、順次、整備をする予定です。
岐阜市の「通学路安全対策ワークショップ」については、先般11月19日に東京で開催されました「第1回DSTエビデンスアワーズ2024」におきまして、「住民ひとりひとりが実感を持って交通安全を考えるためにエビデンスを使った点」が高く評価をされ、最優秀賞である「大賞(アクション部門)」を受賞いたしました。
DSTエビデンスアワーズというのは、産官学連携により構成する一般社団法人DSTが、「社会を変えうるエビデンスに光を当てること」などを目的として創設した表彰制度でありまして、行政や民間企業、大学など、さまざまな分野から全41件のエントリーがありました。
そういった中で、岐阜市とつくば市の2市が大賞を受賞したということです。
大変名誉なことだというふうに思っております。
最後になりますが、通学路の安全を確保していくことは、子どもたちのみならず、地域の高齢者をはじめ、全ての住民の皆さま、さらにはドライバーの皆さまの安全にも繋がるものです。
今後も、市民の皆さまとともに、交通安全の確保をはじめ、多様な地域課題の解決に向けて、取り組んでまいりたいと考えております。

(2)道路損傷等通報システム「LINE版ぎふしみちレポ」について

次に、道路損傷等通報システム、「LINE版ぎふしみちレポ」について、ご報告をしたいと思います。
岐阜市では、延長約2,580キロメートルの市道がございます。
日々、適切な維持管理に努めているところでありますけれども、道路管理者である我々も道路パトロールをするほか、道路を利用している市民の皆さまからも電話やメール等で通報いただき、判明した穴などの損傷や不具合も実は多いということで、こういった情報を寄せていただくことが、道路を適切に管理する上で欠かせない大切な情報源になっております。
こうした中、市民の皆さまが道路の損傷などを見つけてくださった際に、スマートフォンのカメラやGPS機能を用いて、写真や位置情報を取得し、その場で24時間いつでも簡単に通報していただけるシステムとして、現在WEB上のLoGoフォームを活用した道路損傷等通報システム「ぎふしみちレポ」を令和3年の9月から導入をしております。
いただいた通報は、車道の穴や側溝の破損などのほか、街路灯の不点灯とか、歩道部の損傷など、道路管理者が日々行う道路パトロールでは見つけにくい情報もお寄せいただいておりまして、利用開始から令和6年11月末までの約3年間に累計約1,100件のご通報をいただいております。
令和5年度までは、大体年間約300件でしたけれども、今年度(令和6年度)は、11月までの8ヶ月間で既に約350件に増加をしておりまして、このシステムが徐々に浸透してきているということを感じております。
こうした皆さまのリアルタイムの通報によりまして、事故に繋がる恐れのある道路損傷への迅速な対応が可能となっており、道路の安全性の向上にも繋がっております。
しかし、年に数件は道路の穴などが原因と考えられる車の損傷事故も発生しておりまして、こうした事故を未然に防ぐためにも、市民の皆さまからより多くの情報をいただきたいということで、「ぎふしみちレポ」のさらなる利用促進を図っていきたいと思います。
そこで、このみちレポを利用していただくには、今までWEB上のLoGoフォームにアクセスをしていただく必要があったわけですが、今回新たに、岐阜市公式LINEを活用した「ぎふしみちレポ」を令和7年1月6日から運用開始したいと考えております。
LINEは、国内でもシニア世代も含めまして、9,700万人の方々が利用しておられるということでございます。
従って、幅広い年齢層に浸透している身近なコミュニケーションツールを使って、皆さまにより使いやすく、より手軽に通報いただければありがたいと考えております。
岐阜市公式LINEは今年(令和6年)の7月にリニューアルを実施いたしまして、メニューの拡充や、欲しい分野の情報を限定して受信できるセグメント配信の開始など、利便性が大幅に向上したということでございます。
市民の皆さまにご活用いただけるように、今回は広報広聴課と基盤整備部とで連携をいたしまして、こうした新たなメニューを追加いたします。
新たなLINE版のみちレポの特徴ですけれども、こちらにありますように、まず1点目はLINEのチャット機能でございます。
これで情報入力が手軽にできるということで、要はボタンを押すとその押したものが表示されますので、自分が何をしたかよくわかるということでありますし、また通報対象となる施設を写真で例示していますので、自分が何に気づいたのか、何を通報するのかということも“見える化”することで、直感的に判断しやすくなっております。
また、緊急性の高い情報については、画面をクリックいただければ、岐阜市の代表電話に繋がりますので、お電話でも通報していただけるということでございます。
次に2点目として、通報する情報を追加いたしました。
これまで受け付けていた道路自体の損傷だけではなく、道路付属物の不具合に関する情報を通報いただいていましたけれども、今回範囲を広げまして、災害などにおける通行障害に関する情報もご通報いただけるようにいたします。
例えば道路冠水とか道路上への土砂の流出、支障物があるなどの情報をリアルタイムにお寄せいただいて、通行規制や応急復旧などの災害時の対応にも活用していきたいと思っております。
ぜひ市民の皆さまには、より使いやすくなった「LINE版ぎふしみちレポ」をご活用いただきまして、より多くの道路に関するさまざまな情報のご提供をお願いしたいと思います。
本日は「DXを活用した安全・安心な道路環境の構築」に関連して、大きく2点、ご報告をさせていただきました。
引き続き、こうしたDXを活用しながら、市民の皆さまとの協働により、ワークショップを開催し、通学路の安全対策を着実に実施するとともに、市民の皆さまの情報提供をいただきながら、事故を未然に防ぎ、迅速かつ効率的な道路維持管理に努めるなど、安全・安心に通行いただける道路環境の構築を進めてまいりたいと考えております。

2.「ぎふ灯り物語2025」の開催について

大きく2点目の発表事項ですが、「ぎふ灯り物語2025」の開催について発表したいと思います。
まずこのイベントですけれども、鵜飼のオフシーズンにおける魅力的なナイトタイムエコノミーを創出するということで、岐阜市や岐阜長良川温泉旅館協同組合など、官民でつくる「GIFUナイトビュー事業実行委員会」が主体となっておりまして、令和2年度から開催し、今年度(令和6年度)で5回目でございます。
既に10月の会見で「ぎふのまちを彩る幻想的な光のエール」というくくりで、先行して始まったJR岐阜駅北口広場や金公園のイルミネーションの案内と併せ、「ぎふ灯り物語」の基本情報のみをお伝えさせていただきました。
本日は、いよいよ来月(1月)開催する「ぎふ灯り物語」に改めてスポットを当て、見どころなどをご紹介したいと思います。
今回のテーマは“大人も子どもも楽しめる”「冬の縁日」というテーマで、開催期間は令和7年1月18日(土曜)から26日(日曜)までの9日間、会場は岐阜公園および正法寺であります。
点灯時間は、午後5時~午後8時30分までということで、初日の1月18日は、点灯開始時刻に合わせて点灯式も行います。
まずプロモーションムービーを作りましたので、ご覧いただきたいと思います。

〈動画再生〉

ちょっと詳しく、順次ご紹介したいと思いますが、まず有料の岐阜公園エリア入口で、これはぎふ灯り物語の定番のスポットで、冠木門があるところですが、ここに岐阜和傘を色とりどりにライトアップし、まずは来場者をお出迎えいたします。
そしてこの冠木門の前の広場に、直径12メートルもの半円の巨大な池を出現させまして、今映像にございましたように、大きな鯉がゆったりとたわむれる姿をまずお見せをいたします。
これを「恋する冠木門」と称しまして、雅な雰囲気を醸し出す池の上を渡って、門をくぐる不思議な体験をしていただきます。
次に冠木門をくぐった先には、「縁日参道」が会場の奥へと伸びる構成になっております。
日本の縁日のにぎわいを思わせるヨーヨー風船や錦鯉、花火といった演出が約50メートルもの光の参道で次々と現れ、華やかなお祭り気分を盛り上げるという趣向です。
さらに参道を超えますと、約60本の岐阜和傘をカラーライティングする「和傘楽団」エリアが現れます。
音楽に合わせて、リズミカルにライトアップが変化しますので、まるで和傘の花々が生きているかのように咲き乱れるという表現です。
クライマックスは、信長公居館庭園跡にある巨大な岩盤を使った「奇跡の崖」です。
このぎふ灯り物語のメインスポットとして、プロジェクションマッピングを鮮やかに展開いたします。
信長公・道三公も交え、岐阜市の歴史をあしらった光のストーリーがダイナミックに繰り広げられる予定です。
さらに、この「ぎふ灯り物語」をより楽しんでいただくための、新たな取り組みをご紹介したいと思います。
まず1つ目ですが、今回のテーマは“冬の縁日”でありますので、雰囲気を来場者の皆さまと一緒になって盛り上げるために、手持ち提灯を持って、散策をしていただきます。
提灯の灯りを手にした参加者が、めいめいに会場内を歩きまわることで、各コンテンツの演出に加え、蛍が舞うかのような光の動きが重なって、立体的な明かりになるということです。
また、会場をつなぐ暗闇を皆さんが歩くことで光の帯を作り出します。
このように、提灯を片手に参加して歩く楽しみや、多くの灯りが動く様子を見る楽しみ、各参加者自身も灯りの一部となる楽しみがありますので、参加者一人一人がこの幻想的な雰囲気とともに、冬の縁日を楽しんでいただければと思っております。
2つ目の新しい取り組みですが、山上部における岐阜城パノラマ夜景と「天空のお花畑」のコラボレーションです。
岐阜城に向かう道を、参加者が提灯を持って歩くことで、暗闇の中に明かりが繋がり、参道に幻想的な空間が生まれます。
岐阜城では、イベント期間における土日の4日間、午後4時30分から8時まで、岐阜城パノラマ夜景を開催いたします。
今年度(令和6年度)は、開催日の入場料を無料といたしますので、山城ならではの夜の景色をより多くの皆さまに楽しんでいただきたいと思います。
加えて、この秋、岐阜観光索道株式会社において、ぎふ金華山ロープウェー展望台で実施をされ、大変好評でありましたライトアップイベント「天空のお花畑」も併せて開催していただけるということでございます。
官民連携により、山上部で繰り広げられる灯りの共演を、ぜひ満喫していただきたいと思います。
もう一つの有料エリア・正法寺エリアでは、岐阜大仏の静謐さと、歴史資源としての魅力を活かしたライトアップとともに、岐阜提灯を飾り、岐阜公園エリアとは違った厳かな空間を演出しています。
さらに、新たな取り組みの3つ目といたしまして、岐阜公園エリアと正法寺エリアの中間に位置する歴史博物館を、ぎふ灯り物語の期間中、無料で夜間開館(午後5時00分~午後8時30分 最終入場20時)いたします。
博物館のロビーや2階のラウンジでは、照明を落とした広い空間に設えた岐阜和傘や岐阜提灯の灯りを楽しんでいただくことができます。
なお期間中は常設展(2回総合展示室)を無料でご覧いただけます。(※企画展「ちょっと昔の道具たち」は管理上の都合で観覧不可)
また、「清流の国ぎふ」文化祭2024を盛り上げてくれた「ちーオシスタチュー」も来館者の皆さまをお出迎えする予定です。
他にも岐阜公園内の無料エリアでは、狂俳行灯や鷺山小学校の児童が制作した竹灯籠なども展示する予定です。
地域の皆さまと一緒にイベントを盛り上げてまいります。
加えまして、新たな取り組みの4つ目として、寒い冬空のもとでほっと一息つけるよう、土日は10店舗、平日3店舗、キッチンカーを設置いたします。
チケットは再入場も可能ですので、温かい食事などでおなかも満たしながら、心ゆくまで「ぎふ灯り物語」を楽しんでいただきたいと考えております。
チケットの販売ですが、大人(大学生以上)は1,000円、中学生・高校生は500円、小学生以下や障がい者の方々は無料でございます。
オンラインチケットはLINEヤフーの「パスマーケット」に加えまして、今回からはJRの「スマートEX」、岐阜県観光連盟の「VISIT岐阜県」及び日本最大級の遊び予約サイト「アソビュー!」の各サイトで購入できます。
また、紙のチケットは、当日の会場受付や市内12の宿泊施設で販売いたしますし、名鉄岐阜駅構内にある旅行センター、また駅西側の岐阜バス定期バス案内所、市外では名古屋駅や金山駅の名鉄観光サービスの4つの支店で購入いただけます。
ということで、今年度(令和6年度)はバージョンアップした「ぎふ灯り物語」を楽しんでいただきたいと思います。
多くの皆さんのご来場をお待ちしています。
本日の発表事項は以上です。

【記者】
発表事項と関係ないところで恐縮ですが、今日が年内最後の定例会見ということで、この1年を振り返ってのご所感をお聞かせ願いますでしょうか。

【市長】
今年(令和6年)は、知事もおっしゃっていましたけど、私は本当に「文化の年」だったなということを実感しています。
これは「全国高等学校総合文化祭」もあり、「清流の国ぎふ」文化祭2024もありましたけれども、その中でもやはり高校生の活躍ぶりというのが、大変目覚ましいということを実感いたしました。
総合文化祭でも、実行委員の皆さんと私もコミュニケーションしましたし、パレードでも、以前もお話したと思いますが、パレードしながらの実行委員の高校生たちは涙を流しながら感動していましたし、また終わってからもSNSの発信も続いておりましたし、また、岐阜駅前では成果発表ということで、高校生が複数年にわたってこの大切な行事を、自分たちが本当に主人公になって取り組んできたということが感じられる年でした。
先日、長良公園のイルミネーションの点灯式も伺ったのですけども、ここも実は地元の長良高校や岐山高校、富田高校の生徒もいましたが、実行委員会の中心メンバーになって、高校生が自分たちでどんなイルミネーションやるかとかいうことを企画もし、運営もしているということでありましたし、また3年生のそんな姿を見て、後輩が「自分たちが今度引き継いでいきたい」というようなこともおっしゃっておられて、本当に高校生が、自分たちが中心になって、これだけの事業が実現できるということと、それが終わっても自分たちが本当に考えてこの地域のために何かやりたいということで、アクションを起こしていただいているということが、この文化の年の大きな財産ではないかなというふうに思っております。
ぜひ、これからも10代の若者の力っていうのは無限大ですので、自信を持って地域のために活躍をしていただきたいというふうに思っております。

【記者】
古田知事がいよいよ最後の議会を迎えられているところで、来年(令和7年)2月に任期満了ではあるのですが、次、不出馬ということで表明されておりまして、県都である岐阜市と県との関わりを振り返って、いくつかお伺いしたいと思います。
まず、前市長の頃には、県との連携というのがなかなか進んでいないのかなと見受けられる事業もあったと記憶しているのですが、柴橋市長は、就任されてから古田知事との連携でありますとか、市の懸案事項とされているものを前進させるということを意識されながら取り組まれていたのかということと、その中で具体的に特にどんな事業がそういうものであったかというところをまずお聞きしたいです。

【市長】
まずは古田肇知事におかれましては、豊富な経験と卓越した行政手腕を発揮されまして、岐阜県の発展に多大なる貢献を、そしてご尽力をいただいたことに私は深く敬意を表したいと思います。
振り返りますと、私、2018年に市長に就任させていただきましたけれども、この市長選挙直前に、商工会議所で各立候補予定者の討論会といいますか、それぞれの考えを発表する機会がございました。
あの時に、私が市長に就任した時に何をやりたいのかということで、最初に発言をさせていただいたのが、この岐阜県と岐阜市の連携、まさに「県市連携を行います」ということを発言させていただいたことを明確に覚えております。
まさに県市連携というのは、その時にも話したのですけれども、予算がいらないのですね。
だから、とにかく岐阜県と岐阜市の間にある諸課題について、ともに話し合いながら、連携を深めながら実現していこうということを話していましたので、そのことをこの7年間、古田知事と常に連携を図りながら、取り組んできたということです。
特に大きく2つの点で成果があったかというふうに思っていますけれども、1つはやはり「危機管理」だと思います。
古田知事は危機管理のエキスパートでいらっしゃいますので、これまでも鳥インフルエンザや豚熱、さらには新型コロナウイルス感染症対策、また今年(令和6年)は能登半島の地震など、岐阜県内の被災というよりも、こういった隣県における大きな災害に対して、オール岐阜で支援体制を構築するということをしてこられました。
私の一番印象に残っているのは、新型コロナウイルス感染症への対策ということで、これも振り返りますと、この感染症が広がった初年度、岐阜市内でも春に立て続けにクラスターが発生をしました。
あの時、私どもの保健所を中心に対応していましたけれども、非常に広がりがあるということと、岐阜市内の方だけではなくて、やはり岐阜市というのは多くの方が岐阜市に来られますので、そういったいろんな居住者の方に感染が広がっているのではないかということで、非常に我々の対応も、情報収集始め苦労したわけですが、そのときに知事がご発案いただいたのが、この「岐阜県・岐阜市クラスター対策合同本部」を設置するということでありました。
当時の旧市役所本庁舎の大会議室に古田知事が来られまして、これは県政市政始まって以来、初のことだったと思いますが、知事が岐阜市役所にいらっしゃって、知事と市長が一緒に合同での記者会見をするということがございました。
このときに取り組んでいただいたのは、私どもも初めての、事実上、経験でありましたので、県の感染症対策に対するさまざまな知見、あるいは情報をいただきながら指導・助言をいただくということと、それからクラスターで感染しただろう方の対象者は、岐阜市内に留まらなかったわけで、岐阜県の保健所の情報と、岐阜市の保健所の情報を、全て同じテーブルの上に乗せて情報共有をするということで適切な対応を取るという、これはまさに保健所の、体系上は別ですけれども、事実上の一体化を図ったということでございます。
そしてPCR検査体制も、お互いが持っている検査能力をフレキシブルに活かしながら、ともに検査体制も一本化をするという、こういうことを行ったわけですし、病床確保についても連携を図りました。
これは「岐阜モデル」というふうに言われて、国においても高い評価をいただいたと思います。
このようなことは、全国でも実は行いたかったことですが、なかなか「言うは易く行うは難し」だったようでありますが、岐阜県においては、このコロナ対策の当初にこれができたという大きな財産といいますか、経験をさせていただきました。
これは県市連携ということが、初年度からしっかりとその土台ができていたことが、ここで大いに発揮できたことではないかなというふうに思っております。
もう一つは、やはり「社会資本整備」について、長年の懸案が動いたということであります。
一番の代表例は、名鉄名古屋本線鉄道高架化事業ですけれども、これもこの事業をなぜやるかということでは、踏切における渋滞や事故の解消。
それから、線路が走っていますよね。
地域を分断しているということで、まちづくりの問題。
さらには境川の河川改修。
これは県の事業ですけれども、鉄道高架化を行わないと河川改修できないということでした。
そして名鉄岐阜駅の再整備。
最後に都市計画道路の整備と、非常に鉄道を高架にするってことは第一義的な事業ですが、それに付随をして非常に私たちの岐阜市にとって大きな街が発展する、積年の課題を解決する事業でした。
これはなかなか岐阜県、岐阜市、名鉄と3者の事業でありますので、それぞれの時の事情で、3者が「一緒にやりましょう」という体制ができなかったわけですけれども、古田知事と私とで話し合って、両トップで「ぜひ、やりましょう」ということで合意をいたしまして、当時の副知事と副市長、それから担当部長同士で実務者の協議を重ねて、合意に至ったと。
令和元年の11月の覚書締結に至ったわけです。
ここから大きく動いて、その後は都市計画決定、事業認可、さらに岐阜県と岐阜市が、加納にございますけれども、鉄道高架事業の現地合同本部を設置するということで、これも一つ屋根の下で岐阜県の職員と岐阜市の職員が一緒に事業に取り組むと。
これも県政市政始まって以来のことではないかと思いますが、それぐらい岐阜県と岐阜市がしっかりと連携をして、この大事業に取り組むということで、今、用地取得も30%を超えてきたわけでありますので、着実に事業が推進しているということです。
いずれにしても、県市連携の効果というのは計り知れないものがありますので、これからもこの県市連携ということをしっかりと行って、地域課題の解決に努めていきたいと思います。
この道筋をしっかりとつけてくださった古田知事に、心から感謝を申し上げたいというふうに思っております。

【記者】
今のお話でもありましたが、これからもということで、古田知事は今回、引退ということになるかと思うのですが、次の知事においても、やはり既に(県市連携が)進んでいるものもありますし、あるいはさらに進めたいという思いは、市長の中ではいかがでしょうか。

【市長】
この県市連携ということは、岐阜県および岐阜県民の皆さま、岐阜市および岐阜市民の皆さまにとって非常に有益なことであります。
そのことは、今後、県民の有権者の皆さんがお決めになることですが、県民によって選ばれた新しい知事にとっても、当然、県市連携というのは有意義なものだと受け止めていただけると思いますので、私もしっかりと、新しい、県民が選ばれた知事をお支えしながら、県民市民の皆さんのために努力したいというふうに思っております。

【記者】
いわゆる「103万円の壁」の問題で、123万円への引き上げということで、与党税制改正大綱に明記される方向ということが報道されていますが、一方で12月17日には国と地方の協議の場が持たれたということだったのですが、市長としてまた改めて、少しずつ状況が動いている中で、国に求めたいことなどがあればお願いします。

【市長】
今、国会も与党が少数与党になられたということで、野党各党といろんな協議が行われていると連日報道されているのは存じ上げております。
この状況は、衆議院の体制がこのままの状態であるうちはずっと続きますので、当然あらゆるテーマについて与野党で協議を重ねながら、しかし与野党は全て国民の皆さんのために仕事をしておられると思いますので、お互いに意見は意見として持ちながら、信頼関係をしっかりと築いて、最終的に国民の皆さまのために結論を導き出すということをやっていただきたいというふうに思っております。
今回、123万という税制改正大綱、これで取りまとめられる方向だというふうに聞いておりますけれども、いずれにしても控除を見直しされれば地方に影響がありますので、そのことについて、どのようにこの影響を緩和していただいたり、地方の財源に対してご配慮いただけるかというのは、これは国会議員の皆さんのご議論になりますので、引き続き地方の行政サービスをしっかりと守りながら、市民の皆さんの期待に応えられるように、声を上げ続けていきたいなというふうに思っております。
国と地方の協議の場でどんな議論があったかについて、まだ市長会から私のところに来ておりませんので、きちんとお取りまとめがあった上で来ると思いますけれども、その中身をしっかり見極めながら、また1月には全国市長会がございますので、そのような場で地方の声をしっかり届けていきたいというふうに思います。
いずれにしても、国権の最高機関は国会でありますので、国会でしっかりお決めいただくと。
その過程では十分にそのいろんな影響についても、テーブルの上に載せていただいて、与野党で議論をしていただくと。
その中での最適解を導き出していただきたいし、地方にどういう影響があるかということも全てご理解いただいた上で、こういう影響があるってことを分かった上で判断をしていただくと。
最後は国会にその権限があるわけですので、そのことを期待したいというふうに思っております。

【記者】
日本原水爆被害者団体協議会のノーベル平和賞受賞に関連してお尋ねします。
昨日も被団協事務局長の木戸季市さんがご来庁されたと報道で見ているのですけれども、岐阜県内にも複数の被爆者の方がいらっしゃいまして、現在も活動を続けておられるかと思います。
改めてこのノーベル平和賞の受賞への所感をお伺いできたらと思います。

【市長】
まずは木戸先生、私はいつも木戸先生と申し上げているのですけれど、木戸先生が事務局長を務めておられるということで、ノーベル平和賞のご受賞、誠におめでとうございます。
さまざまな機会に木戸先生と私はお会いする機会がございまして、お祝いも申し上げておりますし、また、木戸先生には、岐阜市の子どもたちの平和学習でも講師を務めていただいて、子どもたちにその思いを伝えていただいております。
これからも、我々特に戦後世代は戦争の悲惨さを実体験としては知らないわけでありますので、ぜひそのことを伝え続けていただきたいというふうに思っております。
また、先日も木戸先生のとの面談の機会に申し上げましたけれども、私の祖父も長崎の生まれでございまして、私が生まれる前に祖父は亡くなっていますから、私は直接話を聞く機会はありませんでしたが、父から祖父が長崎のことをいつも思っていたということを聞いております。
そういう意味で言いますと、私も決して無関係ではないというつもりでおりますし、木戸先生をはじめ、そういった皆さんの平和に対する思いが、これからも叶うように心からお祈り申し上げたいというふうに思っております。

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