令和5年6月29日 市長定例記者会見

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ページ番号1021011  更新日 令和5年7月12日

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写真:令和5年6月29日 市長定例記者会見の様子


※記者会見の様子を岐阜市公式ユーチューブチャンネルでご覧いただけます。

発表内容

  • 牧野富太郎博士寄贈の書と旗について
  • 甲種防火管理新規講習のオンライン化と県内への展開について
  • 「ぎふ未来トップアスリート育成プロジェクト」強化指定選手の認定について
  • 「第36回長良川薪能」の開催について

会見資料

発言趣旨

【市長】
ただいまから、定例会見を始めます。
本日の発表事項は4点です。

(1)牧野富太郎博士寄贈の書と旗について 

まず、牧野富太郎博士の寄贈の書と旗について発表します。
皆さまご案内のとおり、現在、NHKの連続テレビ小説『らんまん』が放送されており、「植物学の父」と呼ばれる牧野富太郎博士が、令和4年に生誕160年を迎えたということで、放映がされております。
多くの方が牧野博士に関心を持っていただいているこの機会に、この牧野博士と本市の昭和7年に開校した岐阜薬科大学の前身である岐阜薬學専門學校との関わりについてご紹介をします。
まず、書と旗でございますが、岐阜薬學専門學校の「應援團史(おうえんだんし)」というものがございまして、その中に昭和14年の「岐阜薬學専門學校 植物研究部 夏季大採集会」というものが開催され、飛騨地域に行かれたそうです。
そこで牧野博士にご指導をいただき、その際に書と旗を賜った記録がございます。
まず書ですが、何と書いてあるかというと「草を褥(しとね)に 木の根を枕 花と恋して五十年 岐阜薬学専門学校 植物研究部 牧野結網 我歳七十八」と書いてあるそうです。これは薬科大学の薬草園担当教授が、公益財団法人高知県牧野記念財団の理事を務めており、高知県立牧野植物園にご協力をいただいて、何と書かれているかを確認することができました。
また旗については非常に保存状態も良く、「岐阜薬學専門學校 植物研究會 牧野富太郎 書」と書かれております。
また牧野博士の日記や採集ノートなどからまとめた「植物採集行動記録」というのもございまして、こちらにも昭和14年の7月に「岐阜薬学専門の會」という記載もございまして、岐阜薬科大学とのかかわりが岐阜薬科大学以外の記録からも確認ができます。
この牧野博士に指導、同行いただいた昭和14年の夏期大採集会において、飛騨で発見したアオヤシャクナゲとウスバクロモジの植物2種の情報を岐阜薬學専門學校の吉田教諭が創立10周年記念として、岐阜県産薬用植物のリストに記載し公開をしております。
牧野博士は、この植物2種について「實際園藝(じっさいえんげい)」という雑誌の中で「昭和十四年七月、岐阜薬學専門學校の吉田裕君等と飛騨國益田郡朝日村青屋の青屋御料林の地に植物を採取し同地で一の新しいシャクナゲを発見した」と記し、ウスバクロモジについては「私の名つけた新名である」と記しておられます。
実際に植物2種の発見という学術的なかかわりだけではなくて、牧野博士は明治32年8月に岐阜市を訪れ鵜飼を観覧したことが「植物採集行動記録」に記載をされております。
これによりますと牧野博士は、飯沼氏らに案内してもらったという記録がございます。
専門家によりますと、尊敬する江戸時代の植物学者、飯沼慾斎(いいぬまよくさい)ゆかりの地である大垣市の平林荘を訪問し、この時、岐阜に滞在して、飯沼慾斎の子孫等と鵜飼観覧を行ったと推察されます。
今後でございますが、岐阜市と深い関わりがあり、優れた業績を残された牧野博士について、今回ご紹介した資料をはじめ、岐阜薬科大学所蔵の関連資料を岐阜市歴史博物館のエントランスにて令和5年7月11日から9月24日まで、無料で一般公開をいたします。
またこれに合わせて岐阜市歴史博物館が管理している岐阜県ゆかりの植物学者、飯沼慾斎関連資料も2階の総合展示室において、有料で同時に展示をさせていただきます。
岐阜ゆかりの2人の植物学者関連資料を展示して、ぜひご来館の際には植物談義に花が咲くことを期待しています。

(2)甲種防火管理新規講習のオンライン化と県内への展開について

2点目です。
甲種防火管理新規講習のオンライン化と県内への展開について発表します。
この度、総務省消防庁主催の「第7回予防業務優良事例表彰」において、本市の取り組みである「甲種防火管理新規講習のオンライン化」が「全国の模範」と高く評価をされまして、最高位の賞である「消防庁長官賞」を受賞しました。
まずこの甲種防火管理新規講習というのは何かといいますと、多数の方が出入・勤務・居住する建物などにおいて、火災の予防や被害軽減のための業務を推進する「防火管理者」の資格取得のための講習で、消防法令で10時間の講習を行うことが義務づけられているものです。
選考委員の方からは「全国に先駆けてオンライン化による講習プログラムの検討に着手した先進的な試みである」、「オンライン方式を取り入れても講習の質が落ちることがないよう工夫している点が高く評価できる」というコメントもいただいております。
事業の概要ですが、従来この講習は2日間にわたって消防本部で受講する必要がございました。
このため「拘束時間が長い」、「移動時間が負担」だという受講者の声も多数いただいておりましたので、本市では令和2年2月から全国初の取り組みとなる講習のオンライン化に着手をしました。
この講習は先ほども申し上げましたように、多くの人が出入りする建物などを火災による被害から守る「防火管理者」の育成が第一の目的です。
従って利便性を高めるだけではなくて、講習の質も向上させるよう工夫を重ね、約2年間の準備期間を経て、令和4年3月から運用を開始しました。
具体的にどんな工夫をしたかというと、講義資料の作成、講義動画へ出演はすべて岐阜市の現役消防職員が担当し、講習効果を上げるために、職員オリジナルのエピソードや注釈なども交えながら、わかりやすく、復習しやすい内容を目指したということです。
また消火器の取り扱いなどは、実物に触れて操作方法を修得することが必要であるため、あえてこちらはオンライン化せず、「実技講習」として対面形式で実施をしました。
また実技講習後に「確認テスト」を対面で実施し、理解度の確認も行いました。
オンライン化の効果ですが、これまでに11回の講座を実施し約1,000人の方が受講をされました。9割近い受講者から「受講しやすかった」「わかりやすかった」との高い評価をいただいています。
また、オンラインということで、コロナ禍でも講習の開催が可能でありました。
今後ですが、令和4年度に岐阜県内の消防本部に対しまして、本市が構築した受講システムの共同運用のご提案をさせていただきましたところ、5つの本部からご賛同いただきました。まず令和5年7月から各務原市消防本部、羽島郡広域連合消防本部にて、本市の受講システムを利用した防火管理講習が開催されます。
また今後、飛騨市、郡上市、高山市の各消防本部においても同様の講習が開催予定ということで、本市の消防本部が単独で構築したシステムでございますが、県内の他消防本部へ提供されるという横への展開は、全国初の取り組みでございます。
今回、消防庁長官賞という受賞いただきましたので、高く評価されたことは、私どもにとって大変大きな喜びです。
「全国の模範となる優れた取り組み」という評価でございますので、こうしたことを力にいたしまして、今後とも本市の火災予防業務の取り組みについて、可能な限り他の自治体と共有を図り、岐阜市のみならず、全国の火災予防と火災による被害の軽減に貢献してまいりたいと考えています。
今後もさらにこうしたDXを進めながら、市民の安全・安心に繋げてまいりたいと考えています。

(3)「ぎふ未来トップアスリート育成プロジェクト」強化指定選手の認定について

3点目です。
「ぎふ未来トップアスリート育成プロジェクト」の強化指定選手の認定について、発表をします。
まず、本市では東京2020オリンピック・パラリンピックのレガシーを岐阜市のスポーツ振興につなげていこうということで、この「ぎふ未来トップアスリート育成プロジェクト」に取り組んでまいりました。
このプロジェクトは4つの事業から成り立っており、まずオリンピック・パラリンピック出場選手等の経験や技術を子どもたちに伝える講演等の開催を行う「トップアスリート次世代継承事業」。
そしてスポーツをこれから始めようとする子どもたちのきっかけづくりとして、専門の指導者が子どもたちに体操や陸上等の指導を行う教室の開催を行っている「スポーツスタートアップ事業」。
上位の成績を目指す競技者が、高度な指導を受けられるよう、専門の指導者をスポーツクラブ等へ派遣する「ハイレベル指導者派遣事業」。
そして、国際大会や全国大会に出場する選手を支援するこの「岐阜市トップアスリート支援」です。
この「岐阜市トップアスリート支援」の一環といたしまして、岐阜市ではこれまで国際大会等で優秀な成績を収められるなど、オリンピック・パラリンピックへの出場と活躍が期待できる本市在住または出身の選手を強化指定選手に認定し、活動を支援しています。
令和5年度は令和4年度に引き続き、「2024年パリ大会」と「2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ大会」の出場を目指す10名の選手を認定します。
このうち陸上走り高跳びの赤松諒一選手とフェンシングの長瀬凛乃選手の2人を初認定としました。
強化指定選手に対しましては、活動を支援するためにお1人あたり最大50万円を支給する制度でございます。
認定証授与式ですが、7月6日木曜日の16時から開催を予定しており、初めて認定をさせていただく赤松諒一選手、長瀬凛乃選手の両選手もご出席の予定です。
記者の皆さまにはぜひ、ご取材をお願いしたいと思います。
コロナも制限が緩和されまして、スポーツでも様々な競技の現場、プロスポーツでも応援する方が増えておりますし、盛り上がりを取り戻しております。
トップアスリートの皆さんが挑戦する姿、特に岐阜市ゆかりの方がご活躍をいただくことは、市民の皆さんにとっても大きな喜びでございますし、また若い世代にとっても夢や希望に繋がると思っております。
これからも選手の皆さんの活躍を応援したいと思います。

(4)「第36回長良川薪能」の開催について

4点目は「第36回長良川薪能」の開催についてです。
開催日時ですが、令和5年は9月2日の土曜日、18時開演予定で、場所は例年どおり岐阜グランドホテル前の長良川河川敷特設舞台です。
演目は能が『屋島(やしま)』で観世流(かんぜりゅう)シテ方 梅若紀彰(うめわかき
しょう)、狂言は『井杭(いぐい)』和泉流(いずみりゅう)狂言方 井上松次郎(いのうえまつじろう)です。
今回新たな取り組みを行います。
能楽鑑賞の原点に立ち返りまして、市民の皆様に一流の能楽を楽しんでいただけるように、3つのポイントに取り組んでまいります。
まず1つ目ですが、より訪れやすく干渉しやすいということで、開催日を「金曜日」から「土曜日」に変更しました。
また事前申し込みの椅子席を従来よりも大幅に増設をいたしました。
2つ目ですが、観覧エリア等の見直しを行っております。
金華山、長良川の舞台背景はそのままに、能楽鑑賞の雰囲気をさらに高めるため、観覧エリアの横幅を狭め、陣幕や幟で囲います。
また市民ワークショップを開催し、制作した提灯を会場に設置します。演者やかがり火を引き立たせるため、落ち着いた舞台照明といたします。
3つ目ですが、演目のおもしろさや奥深さを伝えるために、観覧者全員に解説リーフレットを配布します。また開園前の舞台上で、出演者が観覧のポイント等の説明をします。
いろんな工夫をしながら、今回で第36回目でございますので、より多くの市民の皆さんに楽しんでいただけるようにしたいと考えています。
観覧席の申し込みは、椅子席については全席事前申込制で、観覧は無料でございます。
申込期間は6月30日から8月21日まで。
また、優待席が付いた寄附金・協賛金も募集をいたします。優待席は一番前の席でございます。
申込方法等の詳細は、「広報ぎふ」や市ホームページでも案内をしていきます。
伝統のある長良川薪能でございますので、ぜひ多くの市民の皆さまにお楽しみいただきたいと思います。
本日の発表事項は以上でございます。

【記者】
まず1点目の牧野富太郎さんのかかわりについてですが、書と旗はどちらで保管されていらっしゃったものなのかを教えていただけますでしょうか。

【市長】
書と旗は岐阜薬科大学で保管をされていまして、私どもの原学長にお聞きをしたら、学生時代に牧野富太郎博士と薬科大学が関係あるということを講義か何かでお聞きをしていたという記憶をお持ちでした。今回、NHKで放映されているということで何かかかわりがあったのではないかということでいろいろと調査を指示された中から出てきたということです。

【記者】
今後の展開の中で、飯沼慾斎さんについても同時に展示をやられるということなのですが、これは牧野さんの資料が見つかったことを受けて、岐阜県ゆかりの植物学者である飯沼慾斎さんの関連資料の展示を企画されたという経緯でよろしいでしょうか。

【市長】
そのとおりでありまして、今回このお二人は直接、時代が重なりませんが、大変尊敬しておられたということで、そのご子孫の方にわざわざお会いに来ていらっしゃって、しかもその際に一緒に鵜飼観覧をしていただいたと、こういう岐阜市との深い繋がりがございますので、この機会に飯沼慾斎についても知っていただくことは大事ではないかと思った次第です。

【記者】
次に発表事案ではないですが、令和5年5月に長良川の美濃市の上流の方でコクチバスが1匹だけですが、見つかったことに関して岐阜市、また市長の現時点での受けとめを教えていただければと思います。

【市長】
報道のとおり、美濃市でコクチバスが確認されたということで、コクチバスは肉食性で小魚や昆虫を捕食するということで、私どもにとって鮎が大変気がかりであり、水産資源への食害について懸念をしております。
また当然、外来種ですから、長良川の生態系への影響も心配をしております。
先般、皆さんに報道をしていただきましたが、コクチバスが発見されたことを受けて、岐阜大学と県水産研究所が緊急調査を実施していただき、その結果、コクチバスのDNAや産卵礁等は確認されなかったとお聞きしているところでございます。
従いまして、今後とも清流長良川の鮎を守ることは我々にとって大事なことでございますので、こういったコクチバスが増えることがないように願っておりますし、引き続き、今後の調査等を注視してまいりたいと思っております。
私どもとしてできることは何かというと、先般も6月21日に「長良川鮎資源管理・増殖部会」が開催をされておりますが、ここでもパトロールの実施とか、コクチバスの買い取りの強化とか、密放流禁止等の啓発の強化等の議論がされたとお聞きをしております。
私どもとしては、国や県、そして漁協の皆さんと一緒に、市民の皆さんに周知をすることが、今一番できることだと思います。コクチバスを密放流しないようにということはもちろんですし、釣り上げたら買い取りすることができますので、リリースするのではなくて、ぜひコクチバスの買い取りに協力をしてもらいたいということをしっかりと市民の皆さんに周知していきたいと思います。

【記者】
日野の陸上自衛隊基本射撃場の事件から2週間経ちましたが、市議会でも翌日になって「陸上自衛隊から説明がありました」と、「あとは適切に対応してまいる」ということを言っておられましたけれども、その後何か説明のようなものがあったのでしょうか。
また、住民の方も非常に不安に思っております。
例えば住民に説明するとか、今後の何か進展等ありましたら教えていただきたいと思います。

【市長】
この件に関しましては、自衛隊の関係者がしっかりと必要な情報を我々にご提供いただいたり、あるいは常に住民の皆さんにも自治会等はじめ、我々も協力して説明をさせていただいているので、現時点においては、その後の捜査はじめ、関係の動きを見守るというのが私どもの基本的な立場と心得ております。

【記者】
発表事案ではなく恐縮なのですが、新聞報道で十六フィナンシャルグループの本部機能を旧市役所本庁舎の跡地に移すという報道があり、市の審査を受けているというような内容でしたが、審査状況をホームページで確認すると6月中に優先交渉権を決めたいと書いてありますけれど、どういった状況なのでしょうか。

【市長】
本件については、私どもの本庁舎跡地の活用について、これまで活用事業者の公募をしてまいりました。
現在、その結果の公表に向けて準備を進めておりますので、準備段階ですから詳細はお控えさせていただきたいと思います。
なお6月28日に審査委員会は実施をされておりますので、その結果を受けて公表できる手続きが整った段階で、しっかりと公表させていただきたいと思います。

【記者】
ホームページに載っている6月中に優先交渉権を決めたいというのは、特に変更はないですか。

【市長】
これまでもスケジュールに沿い手続きを進めておりますので、そのスケジュールに従って行うというのは担当部局の責務だろうと思っております。

【記者】
改めて日野の陸上自衛隊基本射撃場の事件についてお伺いしたいのですけども、議会でコメントされていると思うのですが、今一度この凄惨な事件が起きたことについての受けとめをいただきたいです。それと、事件を受けた後どういった対応をされたのかを改めてお伺いしたいです。

【市長】
本件に関しましては、2人の自衛官の尊い命が失われたことでございますので、改めて心よりお悔やみを申し上げたいと思っております。
また怪我をされた方については、1日も早く回復をされることを願っております。
私どもとしては必要な情報を自衛隊の関係よりしっかりと提供いただき、情報をしっかりと把握するということが大事だと思っております。
現在いずれにしても、どういう原因であったとか、状況については一部報道等ございますが、正確なところは現在捜査中ということでございますので、その推移を見守るほかないと思っております。
自衛隊の関係はじめ、地域の皆さんには先ほどお話をしましたように、情報提供等をしていただいておりますので、現在は特に私どもにそのような関係で問い合わせ等はございません。
 

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