令和5年2月15日 市長記者会見

ツイッターでツイート
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1020027  更新日 令和5年3月10日

印刷大きな文字で印刷

写真:市長記者会見の様子


※記者会見の様子を岐阜市公式ユーチューブチャンネルでご覧いただけます。

発表内容

令和5年度岐阜市当初予算案について発表

会見資料

発言要旨

【市長】
ただ今から令和5年度の当初予算案について発表いたします。
それでは順次はじめていきたいと思います。

岐阜市のトピックス

まず本市の最近のトピックスです。
一番大きなトピックスは柳ケ瀬グラッスル35、そして金公園のセントラルパーク化がいよいよ3月4日完成式典を迎えます。
この柳ケ瀬グラッスル35は35年の長きにわたり、地権者の皆さんはじめ関係者の皆さんのご努力でようやくこの日を迎えることができるということであり、この事業に合わせて金公園のセントラルパーク化など様々な事業を展開してまいりました。
ひとえにエリア全体の価値を高めたいということで取り組んできた事業がひとつの集大成を迎えます。
具体的に中を見ていきますと、公共空間を大事にするということで、柳ケ瀬グラッスル35自体には3階に健康運動施設「ウゴクテ」、そして4階の子育て支援施設「ツナグテ」がそれぞれ4月30日にオープンいたします。
あわせて中保健センターも移設し、こちらはゴールデンウイーク明けの5月8日にオープンいたします。
金公園は多くの市民の皆さまが憩い、賑わいあふれる空間として、市民の皆さまに多様に使っていただきたいと思っています。
柳ケ瀬グラッスル35の再開発事業は、私がちょうど5年前、岐阜市長に就任させていただいた初日に決裁をした事業でした。
就任の1週間後が3月議会ということで、まさに私自身が最初に決断をしなければならなかった思い出深い事業ですし、あれから5年経って、このように完成を迎えるということは感無量です。
これからもこうした事業を一つひとつ前に進めていきたいと思います。
2つ目のトピックスは、「オール岐阜のちから!」です。
これも様々な機会にお話をしていますけれども、令和4年度から本格的にスタートしたプラスチック製容器包装の分別収集は、ごみの減量に対して多くの市民の皆さまが、当初岐阜市では約2,000トンを目標にしていたところ、令和4年度末の見込みは倍以上ということで、多くの市民の皆さまにこの資源の分別、ごみの減量ということに共感していただき、実際に行動していただいてさらにその必要性を実感していただけているということで、大きな成果が上がっています。
これからもこうした市民の皆さまとの「オール岐阜のちから!」で岐阜市政の様々な課題に取り組んでいきたいと思っています。
3つ目のトピックスは、いよいよ令和5年8月11日にぎふ長良川花火大会を4年ぶりに復活させることです。
市民の皆さまへの岐阜市の魅力調査によると、1位が金華山・岐阜城、2位が花火大会、3位が長良川で、4位がぎふ長良川の鵜飼です。
令和4年はぎふ信長まつりに62万人の方にお越しいただきましたが、こうした市民の皆さまが私たちのまちの魅力であり、財産であり、まさにシビックプライドだと感じていただいているものを大事にしながら、皆で支えて次の世代にしっかりとつないでいける令和5年度にしたいと考えています。
では、岐阜市の現状と課題について触れたいと思います。
人口減少・少子高齢化は着々と進んできており、2040年をいつも意識しますが、この2040年における岐阜市の人口は約35万人といわれており、1965年、昭和40年と同じ人口規模になります。
しかし、人口構成は明らかに違っていて、肩車型で、いわば高齢の世代の皆さまを現役世代の皆さまが支えていく時代に向かって進んでいきます。
そのために、私たちは1年1年の事業で何をしなくてはいけないのかということを意識しています。
次に、新型コロナウイルス感染症については、5月8日に5類に見直されます。
いよいよ社会の中で私たちは、ポストコロナを意識していかなければいけないと思います。
加えて、今回の新型コロナウイルス感染症が5類へ移行となりますが、今後も新たな感染症ということも十分に意識をして社会を作っていかなければいけないと思います。
また、現在、多くの皆さまが大変ご苦労をしておられるのがロシアによるウクライナ侵攻などに伴う資源高・物価高による市民生活への大きな影響です。
こういった問題にも国・県と一緒に取り組んでいかなければいけないと考えています。
さらに、災害も待ってはくれません。
私が市長に就任した1年目には、平成30年7月豪雨に見舞われて、長良川も大変危ない状態になりましたが、毎年日本のどこかで必ずといってもいいほど水害が起きています。
先週2月6日にトルコ・シリアにおいて地震による大変な被害が出ておりますが、我が国も南海トラフ地震をはじめ様々な地震の予測がなされている中で、常に防災ということも意識をしていく必要があると思います。
 

3つのキーワード「EBPM」、「DX」、「GX」

今回の令和5年度予算は、こういった課題や様々意識をしなければならないことを前提におきながら、EBPM(証拠に基づく政策立案)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)、そしてGX(グリーン・トランスフォーメーション)という3つのキーワードで予算編成に取り組んできました。
少し具体的にこのキーワードを活かした予算編成をご紹介したいと思います。
まず、EBPMについては、予算は限られておりますので、いかに効果的・効率的にワイズスペンディングで予算編成を行うのかを各部局に意識していただきました。
EBPMは証拠に基づく政策立案ですので、様々なデータをしっかりと分析・検証し、そのうえで必要な施策は何かを考えることであり、効率的・効果的な施策立案と柔軟な施策の見直しに重点を置いてきました。
このEBPMの一例として、シティプロモーションを取り上げてみたいと思います。
まず岐阜市と市外の関係でいうと、人がどの地域に岐阜市から転出していっているのか、またどの地域から岐阜市に転入してきてくださっているのかということをデータで見ると、どちらも名古屋都市圏が多いことがわかります。
さらに、年代層で社会動態を見てみますと、やはり30代以下のところが社会動態がマイナスということですから、名古屋都市圏との転出入、そして転出超過になっている30代以下にプロモーションのターゲットを設定する必要があります。
次に、どうやってシティプロモーションを行うかということです。
40代以下の皆さまはインターネットやSNSで情報を得ていることがわかっていますので、令和5年度の広報戦略ではインターネットやSNSへのデジタル広告、これまでも検索連動型のバナー広告などの取り組みをしてきましたが、令和5年度は新たに位置情報型として来訪経験のある方へのバナー広告を実施します。
あわせてリアルなプロモーションとして、ナゴヤドームでのプロ野球公式戦を活用したプロモーションや名古屋都市圏でのフリーペーパーの広告も従来通り続けていこうと考えています。
2つ目はDXです。
社会課題の解決にこのDXは不可欠といわれていますが、岐阜市では市役所のデジタル化を集中的に大胆に進めようと、Gifu DX-P(プロモーション)を行っています。
これにより、市民サービスの向上や、職員の働き方改革、そして社会課題の解決に取り組んでいきます。具体的には、行政手続きのオンライン化と事務事業のDXチャレンジの2本の柱を掲げています。
まず、行政手続きのオンライン化ですが、すでに令和4年度には、年間受付件数100件以上の手続きを優先してオンライン化に取り組んできました。
令和5年度は、原則としてすべての申請・届出等の行政手続きをオンライン対応にするため関連の予算を計上しております。
2つ目の柱の事務事業のDXチャレンジでは、DXの視点で新たな取り組みや既存の事業の改善を図るもので、全部局から145件の提案を出していただきました。
その中で令和5年度は20件の事業を予算化することとし、2つご紹介をしたいと思っています。
1つ目は、洪水ハザードマップの3D化です。
これまで、ハザードマップというと、2次元の平面図で皆さまに見ていただいていますが、3D都市モデルを活用して3Dハザードマップを作成いたします。
これにより、ハザードや建物の地形を立体に表示ができるようになります。
例えば、総合防災安心読本のアプリや、岐阜市のホームページでこの立体表示の3Dハザードマップを市民の皆さんに見ていただいて防災意識の向上を図っていただきたいと考えています。
2つ目の紹介です。
これは観光分野ですが、メタバース岐阜城プロジェクト-戦国岐阜城仮想再現計画-です。
信長公の時代の岐阜城の様子を最新技術と調査結果に基づいて仮想空間上にリアルに再現する事業で、令和5年、6年の2か年かけて行いたいと思っています。
令和5年度には山麓居館のメタバース公開、令和6年には山上部・城下町のメタバース公開を行う予定で、コロナ禍で岐阜市の観光もどうしても減っていましたので、こうしたメタバースで世界にも発信をすることで岐阜城の認知度を向上させ、多くの皆さまに現地にお越しいただきたいと思っています。
3つ目はGXです。
脱炭素社会の実現は我々としても待ったなしの共通課題との認識のもと、令和4年度に岐阜市温暖化対策実行計画の改定を予定しています。
市民の皆さまと一緒に地域の脱炭素化を実現するということと、ライフスタイルの転換の行動変容を行わなければこの脱炭素化を加速することはできませんので、市民の皆さまと一緒に取り組んでいきたいと思っています。
具体的には、脱炭素社会推進課を環境部に新設して、岐阜市温暖化対策実行計画を着実に推進したいと考えておりますし、また岐阜市脱炭素社会推進シンポジウムなどのイベントも開催し、多くの市民の皆さまに発信していきたいと考えています。
加えて、本市のSDGsについては、令和3年度にSDGs未来都市や、自治体SDGsモデル事業に岐阜市は選定していただきました。
これまでも、各部局にてSDGsを意識した取り組みをしておりますが、現在、市民の方のSDGsの認知度は約60%ということであり、まだまだ広げていかなければならないと考えています。
また、全国でSDGsを意識している中小企業は約3割という調査結果も出ておりますので、岐阜市では新たにSDGs推進事業者等登録制度を作り、企業の取り組みを見える化することで、企業にもこのSDGsの認知度、さらに推進のための活動を積極的に行っていただきたいと考えています。
また、岐阜市オリジナルロゴマークを作成して、企業の皆さまの名刺に記載いただいたり、市のSDGsのシンボルとして広く共有したりと、岐阜市独自の取り組みも行っていきたいと考えています。
以上、3つのキーワードのお話をしてきましたが、令和5年度の当初予算は、EBPM、DX、そしてGXという3つのキーワードをすべてのベクトルに活かしていきながら、令和4年度と同じように5年度も「こどもファースト」、「ワークダイバーシティ」、「中心市街地活性化&社会基盤整備」、「共助・共生社会&環境」、「寄り添う福祉&健幸」という5つの政策のベクトルをさらに進化させるという取り組みで予算編成を行ってきました。
また、重要なことは「堅実な財政運営」も必要だということです。
岐阜市では財政ということを常に意識をしながら、必要な施策、未来への投資を行いながら、一方で堅実な財政運営にしっかりと意を用いて予算を編成することで、すべては市民の皆さまの幸せに貢献していきます。

財政の予算規模

はじめに、財政の予算規模です。
令和5年度は一般会計が1,799億円、これは対前年度比47億円の増です。
また、特別会計も1,202億円で45億円の増です。
企業会計も578億円で32億円の増となり、全会計合わせて3,579億円、124億円の増となります。
これはいずれも一般会計、そして全会計とも過去最大の予算規模になりました。
予算の推移です。
令和元年(平成31年)から新庁舎の建設や、コロナ対策費などにより1,700億の後半で推移しています。
令和5年度もコロナ対策経費を含めて、さらには電気料金等の高騰ということで、プラス11億円の増でございますので、結果として1,799億円、過去最大の予算規模になりました。
歳入の内訳を見てみたいと思います。
市税収入です。
671億円を見込んでおり17億円の増です。
個人市民税も堅調であり、家屋の新増設もありまして、固定資産税・都市計画税も増える見込みであり、市民税収入は671億円となります。
続いて、地方交付税ですが、120億円、これは27億円の増となり、こちらも国税の収入が堅調であるため、地方交付税も増額となります。
臨時財政対策債は、40億円減の25億円です。
この臨時財政対策債は、これまでも国の制度しくみの中で増えてきていましたが、今回は発行を抑制して40億円の減です。
少し具体的に中身に入っていきたいと思います。
市税収入の推移です。
固定資産税と都市計画税で323億円です。
家屋の新増設等もありまして、大切な本市の基幹税としての固定資産税が安定して推移しています。
個人市民税についても同様に、堅調な雇用情勢により安定して推移しています。
法人市民税は、対前年度比同額を見込んでいます。
次に、歳出です。
まず、人件費ですが、293億円となり7億円の減です。
これは、退職手当が11億円減となっており、いわば定年延長に伴う影響です。
扶助費については、445億円となり10億円の増です。
特に障がい者・障がい児サービスが11億円の増ということであり、右肩上がりの状況が続いています。
投資的経費につきましては145億円となり5億円の増です。
柳ケ瀬広場整備で8億円の増、薬科大学のキャンパス整備で2億円の増、北消防署建設で2億円の増、一方で、高島屋南公共施設整備で8億円の減となり、未来への投資を着実に進めるため、一定の政策的投資を行っています。
社会保障関係経費の推移について触れたいと思います。
社会保障関係経費では、扶助費に介護、国保、そして後期高齢と、いわば社会保障関係経費全体で609億円となり14億円の増となります。
介護保険関係は介護サービスの需要が増加をし、高齢者の被保険者が増えることにより後期高齢者の医療保険の給付も増えています。
また、扶助費においては、障がい者・障がい児のサービスの費用が増えていますので、全体でも増加をしています。
次に公共事業費の推移です。
柳ケ瀬広場整備や薬科大学、北消防署など、必要な未来への投資を行っていくことと、今回の特徴は公共施設等のマネジメントとして、事後保全型の事業を減らし、予防保全型の事業にシフトしていることです。
公共施設を事前に改修等し、長寿命化を図っていく、そしてコストの平準化を図るということに取り組んでいる成果です。
これからも145億円規模の未来への投資をしっかりと確保していきたいと考えています。
市債残高です。
市債残高は1,437億円となりますが、その内訳は、新庁舎分として新庁舎を建設するために発行した起債ですが、毎年度5億円ずつ減らしています。
臨時財政対策債は653億円です。
地方交付税が増となっていることもあり、臨時財政対策債は順番に減少させているところです。
一番大事なのは普通債残高ですので、この普通債残高にしっかり注目しながら健全な財政運営を図っていきたいと考えています。
基金の状況です。
基金は令和5年度の見込みは220億円でありますが、少しその中身について細かく触れたいと思います。
まず、令和5年度末残高では67億円の財政調整基金、そして特定目的基金が153億円、あわせて220億円としています。
この基金では、鉄道高架事業基金や薬科大学整備基金など、特定目的基金に前年度の予算額よりも3億円増の13億円を積み立てることといたしました。
将来の財政需要に備え、計画的に積み立てを行い、活用していきます。
いずれにしても未来への投資は引き続き重要でありますので、この市債残高や基金の状況をしっかりと見ながらワイズスペンディングで予算・政策の実行を行っていきたいと思っています。

こどもファースト

では、実際の事業の概要に入っていきたいと思います。
5つの施策ベクトルの順番にお話していきます。
まず、不変の方針である「こどもファースト」です。
皆さま方にいつもお話いたしますが、なぜ「こどもファースト」なのかということです。
例えば不登校の対策に取り組むことは、ひきこもりの予防や、将来の8050問題の解消につながるということであり、いじめの問題に取り組むことはハラスメントのない社会を作っていくということです。
また、通学路の安全を確保することは、地域の住民のすべての皆さまにとって安全・安心な歩行空間をつくることができるということで、まさに子どもたちを取り巻く様々な課題に取り組むことは、すべての市民の皆さまにご理解いただけることですので、あらゆる社会課題の突破口になるのだと考えています。
この考え方に基づき「こどもファースト」の一つひとつの施策を行っています。
まず、1つ目の柱の子育てに希望が持てるまちです。
子育て中の7割近い方が、子育てに様々な悩みや不安を抱えていることがわかっています。
そのため、切れ目のない子育て支援や安全な子育ての環境を作るということが安心して子どもを産み育てられる環境を作ることにつながっていきます。
具体的に事業をご紹介していきます。
今回のキーワードは絵本です。
まず、親子のふれあい「絵本といっしょ」事業です。
これまでも行っていることですが、10か月検診にお越しになった方が保健センターにご来所いただきますと、図書館と市民ボランティアの皆さまが読み聞かせの啓発や、実際に図書館の本の貸し出しなども行います。
また、保健センターの書架にもその場で読める絵本を配架することにより、私もよく家で子どもを膝に乗せて絵本の読み聞かせをやりますが、乳幼児期から絵本を介して日常的に親子のふれあいを深めていただきたいと考えています。
こういったことをもっと私たちの社会の中に広めていこうということで、今回新たに「はじめての図書館」事業をスタートいたします。
この事業は、図書館や図書室等へご来館いただいて、利用カードを作成していただきますと、乳幼児に絵本をプレゼントする事業です。
このことによって、幼いころから本と触れ合う機会ができる、子どもたちの豊かな人間性を育むことができると思います。
また、読書活動を推進して図書館の利用にもつながることで、この検診という誰もが親子で来てくださる機会を通じて絵本のよさに接していただき、図書館に行って図書カードを作れば乳幼児に絵本をプレゼントしますよという情報提供をして、ここで絵本に親しんでくれた子どもたちが絵本のプレゼントをもらって継続的に図書館を中心に絵本に親しむ機会を作っていきたいと考えています。
なぜ絵本をプレゼントするのかということですが、これは単に絵本を子どもさんと親御さんがプレゼントされるということにとどまらず、親子で絵本の読み聞かせをすると様々な効果があると考えています。
まず先ほどもお話したように、乳幼児期のスキンシップと語りかけです。
膝の上に乗せて、親の鼓動を聞きながら、安心して絵本を読み聞かせてもらうことにより、良好な親子関係になります。
家庭も円満になります。
もちろん虐待やDVとは無縁になります。
さらに、子ども自身に豊かな情操と、幼児教育にもつながっていくため、この絵本の読み聞かせを親子で行うことを岐阜市ではどんどん広げていきたいと考えています。
そのことが私たちの社会の中にある社会課題の解決の一助になるとの考えです。
当然、いじめの問題やひきこもりに対してもいい影響を与えると思いますし、最終的には8050問題の解消にもつながってくるということで、この絵本ということを岐阜市ではキーワードにしてきたいと思います。
次に、柳ケ瀬子育て支援施設「ツナグテ」がいよいよオープンします。
キッズエリアには空中ネット等の遊具があったり、子どもたちが元気で走り回れたり、まさに「あそび場は、まなび場」であるという空間ができあがります。
また、図書館との連携コーナーがあり、ふぁみりーエリアでは親子で絵本の読み聞かせができるスペースも整備いたしました。
まさに子どもたちの生きる力を養い、子育てする家庭を支援する拠点が完成します。
次に通学路の安全対策です。
これまでも岐阜市通学路交通安全プログラムに基づいて対策を実施してまいりました。
学校、教育委員会、PTA、警察、道路管理者による合同点検を行って、岐阜市道で延べ435か所の対策を行ってきております。
今後のさらなる安全対策に向けて、新たな取り組みに着手していきます。
新たな取組みとして、交通事情に精通した地域の住民の皆さまに参加していただくワークショップを開催します。
地元の自治会の方、見守りボランティアの方、青少年等各種団体の皆さま、そして学校、教育委員会、PTA、警察、道路管理者といった子どもたちを取り巻くあらゆる当事者の皆さまに参加をしていただいてワークショップを行います。
その際には、急ブレーキの発生箇所や、生活道路の抜け道などのビッグデータを活用し、まさにデータというファクトを使って見える化した情報で関係者が共有をし、安全対策を立案していくという事業です。
令和5年度では、まず4地区で先行実施をし、令和6年度から順次、市内各地へ展開してきたいと考えています。
次に、2つ目の柱、まちづくりの根幹は「ひとづくり」ということで、教育の取り組みを発表したいと思います。
まず1つ目は、教育大綱の具現化です。
教育大綱は基本方針にありますように、学校・家庭・地域の誰もが生命の尊厳を理解し、互いに心を開く対話を重ね、一人ひとりが価値ある大切な存在として互いに認め合う教育を推進するという基本方針のもとに教育大綱の改定を行いました。
この教育大綱の具現化のつながる事業を発表します。
まず1つ目が、ICTを活用した「子どもの健康サポート」事業です。
これはすでに令和4年度に、柳津小学校と陽南中学校で実証事業を行っていました。
9割以上の教員・児童生徒が高評価をしていますので、令和5年度からは全小中学校で本格運用を行うための予算を計上しました。
まず、朝の会・帰りの会で体調や気分を子どもたちに選択してもらいます。
また相談があるときに「きいてほしい」ボタンを押して、聞いてほしい先生を選択すると先生のもとに聞いてほしいという児童生徒がいるという情報がしっかりと伝わる仕組みです。
これを全小中学校で本格運用します。
そして、子どもたちのSOSについて学校が「チーム学校」としてしっかりと見逃さずにサポートができる体制を作っていきます。
次に、「ぎふMIRAI's」推進事業です。
この事業は、1人1台タブレットや電子黒板など、教育DXをこれまで岐阜市は推進してきておりますが、さらに岐阜市全体を教室とする、まさに市民の皆さまや、岐阜市内のことやものすべてを先生とするリアルな学びを展開していく事業です。
例えば、すべての小中学校をオンラインでつなぐ一斉授業を行ってみることや、岐阜市で活躍する人々の出会い、生き方に触れる機会を作ることができる「ぎふMIRAI’sフィールドトリップ」というような様々な機会を作って、子どもたちが学びを深めていけるようにしていく新しい事業です。
そして、不登校の問題です。
今回新たに「校内フリースペース」整備事業をはじめます。
不登校の問題は、これが将来ひきこもりや8050問題につながっていくこともあり、令和3年度に東海地区初の公立不登校特例校である草潤中学校を岐阜市は開校しました。
令和3年度は平均して約85%のオンラインを含めた出席率になっています。
一方で、コロナ禍ということもあり、これは全国的な傾向ですけれども、不登校児童生徒の数は増加傾向です。
したがって、この草潤中学校で得た知見やノウハウを他の市立の小中学校にも展開するという考え方が「草潤パッケージ」です。
令和5年度は5校に草潤中の分教室、「校内フリースペース」を整備します。
私は卒業生とお話をする機会があって、草潤中学校から高校に進学できた理由、何がよかったかを聞くと、自由に選べることがよかったと言っていました。
まさに、校内フリースペースも明るい環境で個別か協働かを選択できるようなレイアウトにすることや、学校が児童生徒に合わせる個別サポートを行うなど、時間割も自分で選択して決める、まさに草潤中学校で取り組んでいることですが、こういったことを校内のフリースペース、草潤中学校の分教室で展開しようということが令和5年度の新たな取り組みです。
このような事業を通じて、この校内フリースペースには他校の不登校児童の登校も可能とする新体制に取り組んでいきたいと思います。
加えて、義務教育学校の整備事業です。
これまでも岐阜市型の小中一貫校は、施設分離型として、藍川小・藍川北中、厚見小・厚見中、芥見東小・藍川東中の3校で実施してきました。
これにより、例えば中一の壁、中一ギャップといわれる小中のギャップの解消、9年間での指導の一貫性の確保、社会異年齢のコミュニケーション、思いやりの心を持つ機会を得るなど、一定の成果がありましたが、藍川小・藍川北中、そして芥見東小・藍川東中は、児童生徒の数が急減しております。
これからも、減るということがわかっておりますので、この2つの学校について、施設一体型の新たな学校形態になる義務教育学校を設置することを決定しました。
この施設一体型の義務教育学校においては、まず児童生徒の集団規模をしっかりと確保することができます。
また、1年生から9年生までの9年間を通じた教育課程を編成することもできます。
さらにこれまでは施設一体型ではなくて施設分離型でしたので、やはり校舎が離れている、組織が別になっているという課題がありましたが、その課題解決を図ることもできます。
具体的には、藍川小・藍川北中は令和7年度の開校予定で準備を進めていきますし、藍川東小・藍川東中は令和8年度の開校に向けて準備を進めていきます。
連続性を踏まえた一貫性のある教育が9年間できることと、異年齢のコミュニケーションを1年生から9年生まで同じ学校教育施設の中でできることで、日常的な異年齢交流による社会性の育成、これがまたいじめや不登校の対策にもつながってくるということで、大変効果のある施策だと考えています。
次に、小規模校つながるプロジェクト事業です。
少子化により児童生徒の数が減少する中で小規模の学校が出てきています。
網代小、方県小、三輪北小は特に児童の数が少ないことにより、多様なコミュニケーションを育成する機会が少ないという問題がありました。
そこで令和5年度は、小規模校3校による合同教育活動を実施します。
遠隔合同授業では、ICTを活用して離れた学校の教室同士をつなぐ、3校の児童が合同で学ぶ機会をつくることや、リアルな合同活動では、リアル対面式事業や、修学旅行を合同で行うといったような取り組みを行っていきます。
「こどもファースト」の最後です。
高等教育についてです。
岐阜市には、岐阜市立女子短期大学と岐阜薬科大学がございますが、女子短期大学については令和3年度に岐阜市立女子短期大学あり方懇談会で様々なご議論をいただきました。
現在、令和5年度からスタートする学科再編に向けて準備を進めているところでありますが、中長期的な方向性の検討も並行して行ってきました。
そこで、令和5年度は、(仮称)岐阜市立女子短期大学将来構想を策定するために外部有識者による将来構想委員会を設置します。
また、企画部に大学改革推進室を新設し、女子短期大学の将来構想について進めていきます。
薬科大学については、いよいよ法人化を行います。
令和3年度に法人化の移行の協議・検討を行い、令和4年度はより効率的・効果的で機動性の高い大学運営を図り、優秀な人材の育成、研究力の強化を促進するために法人化の方針決定を行いました。
令和5年度には、大学内に大学法人準備課を新設します。
令和7年度の法人設立に向けて準備を進めていく予定です。

ワークダイバーシティ

2つ目の政策ベクトルは「ワークダイバーシティ」です。
市民の皆さんに幸せを実感していただくために、すべての人に居場所と出番がある社会を作る、そしてその居場所や出番というのが社会の中で働くこととの考えで、働くということを土台とした取り組みを進めてきました。
今でも働きづらさを感じておられる方がいらっしゃいます。
特に障がいのある方で働いていない方の6割が働きたいけれども働けていません。
また、子育て中の女性も働きたいけれども働けていないという方が8割みえますので、働きたいけれども働けていないという方が働ける社会を作っていきたいと思います。
具体的には、超短時間雇用創出事業は令和5年度も続けていきます。
令和4年度は、1月末段階で7人の方が就職されました。
週20時間未満の雇用という形のため、働ける方をより増やしていきたいとの思いで令和5年度は企業向けのワークショップなどを行い、企業の皆さんと協力をして就労できる方を増やしていきます。
また、岐阜市ワークダイバーシティ推進事業では、様々な働きづらさや生きづらさを感じておられる方の就労支援として、WORK!DIVERSITY実証化モデル事業を日本財団と行ってきましたし、テレワークを活用したショートタイム事業などを令和4年度に行ってきました。
令和5年度はこうした事業を続けるとともに、新たに若者・学生の就労支援についてもしっかりと光を当てていきたいと考えています。
次に、ジェンダーギャップの解消です。
結婚、出産、育児の年代の女性の多くが離職をしておりジェンダーギャップが生じています。
また、上位の役職ほど女性が占める割合が低いということがわかっています。
現在、男性の育児休業の取得率は上がってきていますが、まだ2割以下ということで、こういった環境の中で女性も男性も働きやすいまちにしていこうとテレワークを活用したショートタイムワーク事業は令和5年度も継続していきますし、また女性活躍企業認定・優良事業者表彰も続けていきたいと考えています。
女性の就業・活躍促進に関する事業も行っていきますが、新たに男女共同参画意識啓発事業として、性別への無意識の偏見であるアンコンシャス・バイアスについての気づきを促すリーフレットを作成して啓発にも取り組んでいきたいと考えています。
次に、働く場づくりです。
市内の事業所数は年々減少しており、また、創業比率も全国平均・中核市平均よりも低いというのが本市の課題です。
加えて、市内の中小企業の5割がまだDXに取り組む予定がないとのことで、まさにこの分野が岐阜市のウィークポイントだと再三申し上げてきました。
この働く場づくりについての事業を発表していきます。
まず、スタートアップ支援事業です。
令和4年度も取り組んでおりますが、岐阜市リモートオフィスであるNeo work-Gifu(ネオワークギフ)を活用したスタートアップの支援事業では、相談件数も、そしてスタートアップの創出件数も増加してきました。
この成果を、令和5年度はさらに広げていきたいと思います。
また、新たに市岐商との連携事業や、高等教育機関での講義などにより若い皆さんにアントレプレナーシップを醸成していっていただきたいと考えていますし、民間のDXについても引き続き支援していきます。
「ものづくり産業等集積地計画」推進事業です。
すでに三輪地域については、令和4年度、農業の6次産業化による企業立地を目指して協議会等の設置を行いましたが、令和5年度は土地利用に関する合意に向けた支援及び協議会の開催に向けて事業推進を図り、具体的に地権者と企業の皆さまが合意形成し、事業が前進していくように支援していきます。
柳津地域は、新たな事業として一歩前進していきたいと思います。
柳津地域では、平成22年度に整備を行い、平成26年度に第1期の分譲地が完売しています。
令和5年度は、実は岐阜市に対して企業からの立地希望がございますので、第1期整備の近接地を候補地として工業団地の造成による企業立地を目指していきます。
具体的には、地権者の意向調査や基本計画の策定を行い、働く場を作っていきたいと考えています。
現在、企業立地にかかわる支援の制度がありますが、どうしても岐阜市の場合は各務原市や関市よりも地価が高いことが非常に障壁になっています。
企業立地促進助成金等も既存の事業としてしっかりと設けておりますが、同じような事業は県内の様々な自治体も取り組んでおりますので、助成金の部分で差別化が図れないことから、今回、令和5年度に新たな助成制度を創設します。
特に企業にとって地価というものが企業立地する場合に選定理由の第2位の理由となっているため、この部分にしっかりと効果のある独自の立地支援が必要なことから新たな助成制度を創設していきます。

中心市街地活性化&社会基盤整備

3つ目の政策ベクトルは「中心市街地活性化&社会基盤整備」です。
まさに「岐阜を動かす」の象徴がこのセンターゾーンであり、県都の玄関口、圏域全体の発展を推進するエンジンであり、人口のダム機能を果たす、きわめて重要なエリアに位置づけています。
すでに官民連携によるまちづくりを進めていますので、一つひとつ発表したいと思います。
まず、岐阜駅北中央東・中央西地区第一種市街地再開発事業は、令和3年度に事業参加者が決定し、令和4年度にいよいよ事業計画が認可される予定で組合が設立されます。
令和5年度は実施設計に入っていき、令和7年度の工事着手を目標に事業を進めていきます。
また岐阜市としては、岐阜駅周辺・歩行者用デッキ整備事業として、再開発に合わせて駅と周辺街区を接続する歩行者用デッキとシェルターの整備に向けた詳細設計を令和5年度に行います。
次に、柳ケ瀬についてです。
柳ケ瀬広場整備事業ですが、平成14年に旧長崎屋が閉店をしてから長らく時は流れてきました。
令和3年度に柳ケ瀬広場の都市計画決定を行い、柳ケ瀬の再生に向けた新たな一歩を踏み出したところです。
令和4年度は、土地と建物の調査を実施しました。
この調査結果を踏まえ、令和5年度は土地取得及び既存建物や工作物の補償、基本設計等を行っていきます。
このことにより、まちづくりの活動拠点となる広場を柳ケ瀬の中心に整備し、まちの価値を高めていきたいと考えています。
次に、センターゾーン道路空間利活用基本計画検討です。
令和3年度に道路空間利活用懇談会を開催し、その後、金華橋通りや長良橋通りなどの中心市街地の道路空間の利活用の検討を進めていただいており、令和4年度は道路空間のあり方の一定の方向性のとりまとめを行っているところです。
令和5年度は、中心市街地道路空間利活用基本計画の作成に向けた検討を行い、センターゾーンの道路空間の再構築を目指していきたいと考えています。
次に、スマートシティぎふ推進事業です。
これまでの公共交通への自動運転技術の導入の経緯をお話いたしますと、平成31年4月に岐阜市公共交通自動運転技術活用研究会を発足しました。
この研究会の発足から金公園内での走行実験にはじまり、公道での実証実験、そして未来型車両による実証実験、令和4年度のルートと期間の拡大と、段階的に自動運転の導入に向けて取り組んできたところです。
令和5年度からは、中心市街地や川原町、岐阜公園を周遊する自動運転バスを5年間継続して運行することで、段階的にインフラ整備を進め、社会受容性の向上を図りながら無人自動運転であるレベル4での自動運転の実装を目指していきます。
次に、岐阜城・岐阜公園です。
史跡岐阜城跡整備事業では、令和3年12月に史跡岐阜城跡整備基本計画を策定し、令和4年度は樹木管理を行ってきました。
令和5年度については、山上部の発掘調査や研究を進めていき、山麓居館の庭園整備に向けた基本設計等を行っていきます。
現在、史跡岐阜城跡整備基本計画に基づいて毎年度着実に事業を進めています。
また、岐阜公園の再整備事業については、令和3年度に公園拡張区域用地取得を完了しました。
令和4年度は、民間活力導入としてPark-PFIに向けた準備を進めてきましたが、いよいよ令和5年度は民間事業者の公募を行っていきます。
また、老朽化した公園についても再整備を進めていきます。
本格的な歴史公園に向けて、民間活力を活かした施設整備を含め、おもてなしの空間を作っていきたいと考えています。
次に、センターゾーンに加えて、多様な地域課題の解決にも取り組んでいかなければいけないと考えています。
例えば、名鉄名古屋本線鉄道高架化事業と加納・茶所統合駅周辺土地区画整理事業も着実に進めています。
この事業は、令和4年度に本格的に事業に着手しましたが、積年の課題である事業が大きく前進していきますので令和5年度は岐阜県と連携して着実に用地取得を進めていきます。
また、用地取得にかかる家屋等の建物調査や、鉄道の詳細設計の実施などを進めていきますし、鉄道高架事業基金にも着実に積み立てていきます。
次に、長森地域についてです。
長森地域では令和元年度に長森南・北・西・東の自治会連合会の皆さまから、JR長森駅の利便性を向上してほしいというご要望をいただきました。
その要望を受け、令和3年度には岐阜市都市計画マスタープランにこのJR長森駅を交通結節点促進拠点と位置づけをしました。
令和4年度は、土地利用のための調査と、長森駅へのアクセス道路の整備を進めております。
令和5年度は、トランジットセンター検討業務として、交通機能の向上・充実や利便施設などの維持・誘導を図る土地利用の検討を図っていきます。
これは長森駅の北口交通広場整備のイメージ図ですが、令和5年度には、一般車やコミバスの乗降場や、駐輪場などの交通広場を整備して、混雑の解消や駅への安全なアクセスの確保を行っていきます。
次に三輪地域についてです。
令和2年3月には、岐阜三輪スマートインターチェンジが開通し、多くの皆さまにご利用いただいていますが、岐阜ファミリーパーク再整備事業を令和5年度も進めていきます。
すでに総合スポーツ公園化に向けて着々と進めているところですが、令和5年度は用地取得や造成工事、実施設計などを行っていきます。
また、あわせて三輪地域の農業6次産業化による企業立地も目指していきます。
黒野地域においては、岐阜薬科大学の新キャンパス整備です。
新キャンパスの整備につきましては、本部キャンパス西側での整備に向けて、現在、着実かつ丁寧な取り組みを進めています。
令和4年度は、用地測量や、造成基本設計・地質調査、整備手法の検討を進めてきました。
令和5年度は、薬科大学にキャンパス整備推進課を新設し、基本設計や造成実施設計、土地評価などを行っていきます。
以上、「中心市街地活性化&社会基盤整備」の主な事業ですが、金町那加岩地線や、長良糸貫線というような都市計画道路の整備、空き家対策の問題、水道など、都市のインフラにかかる様々な事業を令和5年度も行っていきます。

共助・共生社会&環境

4つ目のベクトルは、「共助・共生社会&環境」です。
地域でも様々な課題がありますが、皆で地域を支え合うことが大事であり、共助・共生を大切にして、コミュニティづくりを進めていきたいと思います。
現在、地域コミュニティでは自治会の加入率は年々低下しています。
災害時には共助が一番大切ですが、その共助である地域コミュニティが役員の高齢化とあわせて非常に大きな課題を抱えています。
そのため、令和5年度は地域コミュニティのDX推進事業に取り組んでいきます。
自治会連絡協議会の会議資料は紙媒体で配布することが多く、デジタルツールも一部使っておられるところがございますが、使っておられないところがいらっしゃる等の理由で普及してきていないため、自治会活動のDX推進を今回支援しようと新たな事業をはじめます。
まず、自治会連絡協議会にタブレット端末を導入します。
通信アプリの活用や研修会に使用し、また、地域ごとにDX講座として50地区でスマホ操作やアプリの活用などの講座を展開することで、自治会連絡協議会との情報共有を合理化することを目指します。
さらには各連合会や単位自治会のデジタル化の促進のきっかけとなるよう、新たな一歩を踏み出していきます。
次に、指定福祉避難所用資機材整備です。
今回新たに北部・南部・長森のコミュニティセンターを福祉避難所に指定します。
要配慮が必要な方々の避難先の確保という課題に対し、コミュニティセンターを新たに福祉避難所に指定し、避難所に必要な資機材を購入します。
また、岐阜北消防署及び消防本部整備工場移転建設事業です。
現在、上土居地内に移転先候補地を選定し、いよいよ令和5年度から、用地買収、実施設計、造成工事へと入っていきたいと考えています。
岐阜北消防署は令和8年4月の運用開始を目指しています。
次に、環境分野、ごみ減量・資源化についてです。
プラスチック製容器包装の分別収集等、市民の皆さまのご協力をいただいておりますが、令和7年度にはごみ焼却量を10万トン以下にすることが岐阜市の目標です。
それには「オール岐阜」の取り組みが不可欠です。
そのためにごみ減量・資源化にかかる様々な施策を強力に推進するために、資源循環課を環境部に新設します。

寄り添う福祉&健幸

最後、5つ目のベクトルは「寄り添う福祉&健幸」です。
人生100年時代において、誰もが安心して住み続けられるまちづくりが必要です。
その中で、まず課題になっているのはいきいきと長生きをすることがテーマだと考えています。
平均寿命と健康寿命の差が約10歳であることや、後期高齢者医療の給付費は年々増加傾向にある中、一方で、週1日以上運動する方は6割強ということで、まだまだ体を動かすということが十分に広がっていないのではないかと思います。
そこで、後期高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業を令和5年度も拡充して行っていきます。
すでに国保データベースを活用して地域ごとの健康課題の分析や支援対象者を抽出して様々な支援を行っていますが、市内の中央北圏域と北東部圏域の2圏域で行っていたものを令和5年度は6圏域に拡大して行います。
例えば、データ分析に基づく重点方策として、糖尿病の有病率が高いということがわかっていることから、医師会と連携し、糖尿病性腎症重症化予防事業などを実施するなど、エビデンスに基づいて健康に皆さんになっていただけるようにアプローチをしていきたいと考えています。
また、柳ケ瀬グラッスル35にオープンする柳ケ瀬健康運動施設「ウゴクテ」を活用します。
特に、クアオルト健康ウオーキングという岐阜市が取り組んできたウオーキングを、まちなかではありますけれども都市型のクアオルトという新しい切り口で取り組み、この「ウゴクテ」を拠点にしたいと考えています。
次に、アーバンスポーツ普及促進事業です。
これは新しい取り組みです。
近年、児童生徒の体力が低下傾向にありますので、子どもたちに身近にスポーツに親しんでもらおうと、ボルダリング、トランポリン、パルクールなどのアーバンスポーツは非常に身近ではないかということで、「ぎふアーバンスポーツフェスティバル事業」や、「スポーツスタートアップ事業アーバンスポーツクラス」を令和5年度は事業としてはじめていきたいと考えています。
寄り添う福祉&健幸のもうひとつの柱が、今、多くの市民の皆さまが、様々な困りごとや困難な課題、まさに複雑化・複合化しているため、ここにしっかりと光を当てなければいけないということです。
まず、重層的支援が大事です。
これまでも令和3年度に岐阜市社会福祉協議会に福祉まるごと支援員を3人配置するところにはじまり、令和4年度は重層的支援推進室を設置し、福祉まるごと支援員を1名増員して体制を強化してきました。
この重層的支援推進室も次から次へと発生する課題に対して対応していますが、なお一層分野横断的な解決型の支援であるとか、伴走型の支援が必要だということで、令和5年度には、スーパーバイザーを1人配置して、福祉まるごと支援員を指揮監督することで、より複雑になっている相談内容への対応などを強化していきたいと考えています。
さらには、福祉窓口の充実です。
これまでも事務所においては福祉業務機能を拡充してきましたが、令和5年度は大変ご利用の方が多い南部西事務所に令和5年9月1日から福祉窓口を設置することで、これですべての事務所で福祉機能の拡充が完了します。
さらには、ひきこもり相談支援室を福祉部内に新設します。
保健所内にひきこもり総合相談窓口がありますが、やはりひきこもり状態にある方やそのご家族がより相談しやすい窓口として、福祉部内に相談室を設置し、伴走型の支援をしていきたいと考えています。
次に、高齢者に対する取り組みです。
ひとり暮らしの高齢者の方が増えていますので、終活情報登録事業をはじめます。
この事業は、65歳以上でご希望される方が緊急連絡先などの終活情報等を岐阜市に事前にご登録いただき、緊急時には病院や警察、本人が指定された方からの問い合わせに対して開示をする支援事業です。
また、現在、認知症行方不明者が増加しています。
そこで、今回、認知症高齢者等位置情報検索サービス導入費助成事業を新たにはじめ、認知症等の高齢者に持っていただくGPS機器の導入にかかる費用の助成を行い、ご本人や同居家族の負担を軽減し、ご本人の安心・安全を図る事業を進めていきます。
以上が「寄り添う福祉&健幸」の主な事業となりますが、最後にまとめてわかりやすくお話をしたいと思います。
この「寄り添う福祉&健幸」においては様々な課題がありますが、私自身で現代社会の課題解決に向けた取り組みとしてひとつにまとめてみましたのでお話します。
今、超高齢社会の中で特に解決が難しくなっているのが8050問題です。
この8050問題に至るまでには、すべてではありませんがひきこもりや不登校という過程があると思います。
そのため、これまでも不登校に対しては草潤中学校を開校して支援をしてきました。
さらに、仕事をしておられないひきこもりの方に対してワークダイバーシティ推進事業を通して、就労というアプローチから居場所と出番を作ってきました。
また、8050問題については、重層的支援推進室を作って伴走型の支援にも取り組んできました。
しかし、まだまだ支援をするにはしきれていない、まさに守備範囲が広がっていないところがあるというのが令和4年度に取り組みを続けてきた私の問題意識です。
まず、草潤中学校に通ったり、あるいはそこでオンラインでつながれたりする子どもたちは学びを継続できていますが、私たちの社会の中には右肩上がりで不登校の児童生徒が増えています。
そのため、校内フリースペースをまず5校ですけれども地域の学校に作って、草潤中学校の知見ノウハウを広げて不登校の児童生徒の支援につなげていこうと考えています。
そして、義務教育学校という9年間一貫して子どもたちの教育と見守りを行う環境をつくることによって、いじめや不登校の問題に解決の一助にしていこうという新たな取り組みを展開することで守備範囲を広げることを行います。
ひきこもりの方にとっては、就労というのは実はひきこもりの段階からすると一足飛びになってしまっていますので、働きたいという方には働ける環境を作りますが、まずは相談したい、そういう状態の方、あるいは居場所がほしいという方についてのひきこもり相談室を作って寄り添っていくことで守備範囲を広げていくため、保健所もやっていますが、より身近なところで福祉部内にて相談機能を強化していきます。
重層的支援推進室についても、かなり問題が複雑化しているテーマがありますので、スーパーバイザーを配置して支援推進室を強化することで、令和5年度には、対策を講じていくという私の方針であり、まさにすべての人の居場所と出番を作り、幸せに貢献するという一連の取り組みです。
以上、新年度の予算について発表いたしましたが、これは岐阜市の調査ですけれども8割近い方が岐阜市の暮らしに肯定的にとらえてくださっています。
大変ありがたいことです。
さらに施策を着実に前進させて、皆さんに岐阜市に住み続けたい、幸せだと、岐阜市のことが好きだと感じていただけるように令和5年度も全庁あげて頑張っていきたいと思います。
移住してこられた方からご許可をいただいて撮った親子の素敵な写真をお見せしますが、こういう市民の方がひとりでも増えるようにというのが私たち職員の願いですので、令和5年度はこういった笑顔をたくさん作れるように頑張っていきたいと思います。
発表は以上です。
ありがとうございました。

【記者】
令和5年度予算も令和4年度の予算と同じで5つのベクトルを示されて、一言一句変えることなく提示されています。
新しいキャッチフレーズなどを出して予算を発表する自治体などもありますが、まったく変えずに発表しているというところにこだわりを感じます。
5つのベクトルを継続していくことの意義と、事業内容を見ても継続事業が多く占めていると思いますが、それに対する思いをお聞かせください。

【市長】
私は5つのベクトルは2期目の市長選挙でも公約として掲げました。
まさに一つひとつ取り組む中で、令和4年度にこの5つの政策ベクトルで施策を一つひとつ進める中で、単年度で終わるということではなく、政策を進化させ、浸透させて成果を出していきたいと私自身は思っていますので、あえて目新しさということではなくて、政策というのは着実に実現に向かって進んでいきます。
その成果を市民の皆さんに感じ取っていただけるようにするのは、私は大事ではないかと考え、あえてここはこだわって取り組みをしました。
令和5年度、1年間EBPMと言っておりますので、実際に1年、施策をやってみてどうだったのか検証しながら、さらに令和6年度の予算編成につなげていけるように取り組んでいく考えです。

【記者】
今回は3つのキーワードとしてEBPMなどを掲げられておりますが、市長の査定の際に事業提案があがってくる段階で変化のようなものは何か感じたりしたのでしょうか。

【市長】
市長査定では各部局に、まずデータに基づいて現状分析をしようと指示をしました。
データに基づいて課題と認識をし、それに対してこの課題のどこにこの施策は効果があるのか考えていきます。
そして、事業後には分析があり、施策があればその施策を進めていた先に結果も出てきますので、もう一回分析が正しかったのかを考えていきます。
分析は正しくても施策のポイントがずれていたのか、あっていたのかなど継続して確認をしながら施策をブラッシュアップしていく部分を、大事にしたいと考えています。

【記者】
市長として2期目の2年目に入るタイミングで新たなキーワードの投入というか方針を導入されたのは何か理由がありますでしょうか。

【市長】
先ほど税収については堅調にということをお話しましたが、様々な社会のニーズがあり、それは岐阜市の単独事業だけではなく国の大きな方針の中で岐阜市が取り組む必要があるものも含めて多くの財政需要がありますが、予算は限られています。
そのため、EBPMによって、一つひとつの施策の精度を高めていく必要があると考えます。
各部局にもそういったことをしっかりと意識をして、ワイズスペンディングを大事にしてもらいたいとの思いです。
私の1期目は政策総点検を実施しましたが、2期目はEBPMという形でもう一回その施策の精度を高めていき、そういうチャレンジを各部局にしてもらいたいと、今回の予算査定を行いました。

【記者】
最後に全体を総括して、今回の予算について特徴づける言葉がありましたら教えてください。

【市長】
今回の予算は、ひとつはキーワードにも上げたように、EBPMやDXということを様々な施策に対してしっかり落とし込んでいきました。
特にDXについては、令和4年度・5年度で、原則すべての行政手続きについてオンライン化することを掲げて、そのためには何をすべきかということを各部局に徹底しました。
このように、キーワードがしっかりと機能して施策は作られていることと、私は未来への投資は決してたゆむことなく続けなければいけないと考えています。
これは将来の世代も含めて、私たちのまちに私たちがしっかりと投資をするのだという意識を大事にしています。
私の象徴的なキーワードですが、「岐阜を動かす」ことが着実に皆さんの目に見える今回の予算になったと思います。
もうひとつが、不変の方針である「こどもファースト」です。
今回も特に教育に関しては、教育大綱の具現化について施策を出させていただきました。
ひとえに子どもたち一人ひとりがこの義務教育の中で教育にしっかりと結びつき、自ら人生を切り開いていける力を養ってもらいたいと思います。
そのために、GIGAスクールの充実をはじめ必要な予算は様々かかりますが、そこは優先して確保しておりますので、「こどもファースト」はじめとするベクトルに沿った予算を組むことができたと考えています。

【記者】
最近、岸田政権で児童手当の所得制限撤廃や、東京都の児童手当の上乗せ、最近関市でも18歳未満に3万円給付するなどがあります。
お金をあげればいいという問題ではないですが、岐阜市は今回そういった予算はなかったのですが、市長の考えをよろしくお願いいたします。

【市長】
私はそういう施策というのは日本国に生まれた子どもたちですから、ナショナルミニマムでやるべきだというのが私の考え方です。
それは、子どもを育てるのは国全体の社会に生きるすべての人たちの責務ですので、そういった制度は国全体でぜひしっかりと整備をして、どの自治体に生まれても同じ国民のひとりとしてサービスを受けられる、その環境にあるということを大事にしてほしいというのが私の願いです。
国が6月の骨太の方針でどのような施策を発表されるのか大変注目をしたいと思います。
私がもうひとつ思うのは、ゼロサムはいけないということです。
いわば自分のまちさえよければよいと施策を講じることは、要は隣のまちから取ってくるという発想になっていき、それでは日本中お互いに取り合っているだけで何の意味もないと思います。
だから、ナショナルミニマムで必要ならば全体でやるべきだという考え方になっています。
私としては、教育の問題はじめ一人ひとりにしっかりと投資をしていきます。
また、絵本はそんなに予算はかからないですが、私は効果が絶大だと思っていますが、こういった本当に課題がどこにあって、どの施策を講じることによってどんな成果があがってくるのかということを、やっぱり政策としてきちっと議論をして、その結果も分析するということが私はとても大事だと思っています。
毎年度このEBPMをひとつのきっかけとして、岐阜市の政策の制度をアップデートしたいと思っています。

【記者】
中心市街地についてお聞きします。
岐阜駅のツインタワーも動こうとしておりますし、駅からセンターゾーンのあたりに至るまで改めてどういった場所にしたいかお聞かせください。

【市長】
センターゾーンは、岐阜都市圏の発展の推進のエンジンであり玄関口であるという考えです。
そのため、このセンターゾーンがまさに未来のまちとしてしっかりと形作られていくことは、40万人の市民の方はもとより岐阜連携都市圏に入っていただいているすべての住民の皆さんにとってこの地域が発展をするということであり、私は恩恵のあるテーマだと思っています。
特に、道路空間の利活用については、まさに道路というのは基本的には南北がメインですので、このセンターゾーンのしっかりと背骨の部分について議論がなされてきています。
また、公共空間としての金公園や、さらには柳ケ瀬広場整備、旧庁舎の跡地などの公共空間についても、道路の利活用と絡めてどう発展をさせていけるのかが重要だと思います。
そういったものが整備されてくることによって、実は市民の皆さんの多様な活力というものがこのセンターゾーンの中で発揮をされていくと思います。
道路空間の利活用というのは、まさに公共空間として道路を車以外にも活用できるというウォーカブルシティを目指そうということであり、それはまさに市民の皆さんの多様な表現やイベント、憩いの場など市民生活を豊かにする場がセンターゾーンにできあがります。
それは道路でもあり、公園でもあり、公共施設でもあり、様々な再開発も含め、センターゾーンがよみがえってくると岐阜都市圏全体の大きな力になるというふうに私は確信をしています。

【記者】
柳ケ瀬グラッスルが3月4日オープンですけれども、オープン後の課題はどういうところにあるととらえているか教えてください。

【市長】
柳ケ瀬グラッスル35については、中保健センターを移設したことがキーワードだと思っています。
移設については、私が市長就任後に決めたことです。
この中保健センターは、検診や子育てのご相談等で必ず子育ての方はお子さんと一緒にいらっしゃる場所ですので、中保健センターをきっかけに遊びの場は学びの場がコンセプトである「ウゴクテ」へつながったり、絵本のコーナーにつながったり、金公園で遊んでいただいたりというつながりが期待できます。
そのため、この中保健センターというものがとても重要だと私は思っていますし、どのようにしっかりと機能してくるかを注目してみたいと思います。
もうひとつは、隣接する金公園のセントラルパーク化についても私が決めたことですが、金公園で市民の皆さんがマルシェやイベント、体操など自由に使っていただいて、金公園で市民の皆さんのどのような活力が生み出されてくるのかをすごく注目しています。
柳ケ瀬グラッスル35、金公園は当然柳ケ瀬商店街を含めて一帯のエリアであり、社会実験をやったときも回遊性があることがわかっていますし、エリア全体の価値が向上してくると思います。
柳ケ瀬グラッスル35の事業効果を最大化するために、中保健センター移設と金公園のセントラルパーク化の事業を新たに計画し、完成時期にしっかりと間に合いましたので、その成果をしっかりと注目したいと思います。

より良いホームページにするために、ページのご感想をお聞かせください。

このページの情報は役に立ちましたか?

このページに関するお問い合わせ

広報広聴課
〒500-8701 岐阜市司町40番地1 市庁舎5階

電話番号
  • 広報ぎふ:058-214-2387
  • テレビ・ラジオ:058-214-2710
  • ホームページ、報道:058-214-2061
ファクス番号
058-262-6061

広報広聴課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。