[市] 大洞のコバノミツバツツジ群落

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ページ番号1018853  更新日 令和4年11月16日

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コバノミツバツツジ

花

大洞のコバノミツバツツジ群落(おおぼらのこばのみつばつつじぐんらく)

分類

市指定天然記念物

指定年月日

平成30年7月27日

所在地

岐阜市大洞2丁目324番地(大洞光輪公園内)

基本情報

樹種
コバノミツバツツジ
学名
Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don
樹高
胸高直径

解説

 コバノミツバツツジは、高さ数mに生育する落葉低木で、アカマツ林等の二次林(里山、雑木林)に自生する。関西以西の本州や四国、九州の山地に広く分布が見られ、卵型で先が鋭く尖った葉を枝先に3枚輪生する。ミツバツツジと非常によく似ているが、葉がやや小さく葉脈が目立つ。一説によると、ミツバツツジに比べ葉が小さいためコバノミツバツツジ(小葉の三葉躑躅)と名付けれたとも言われる。4~5月頃にかけて、葉の開く前に紅紫色で小型の花が枝先に1~3個咲く。岐阜市内ではこの他に、延算寺境内のコバノミツバツツジ群落が天然記念物に指定されている。

 コバノミツバツツジは、陽樹(陽生植物のうち樹木となるもの。生育に陽のあたる明るい環境を必要とする。)であるため、アカマツや͡コナラ林等で構成される二次林(里山、雑木林等)の下層でモチツツジ、ネジキ、ヒサカキ、アセビ等とともに生育する。大洞のコバノミツバツツジ群落の分布する大洞光輪公園では、墓地周辺の丘陵地にアカマツ、コナラ、アベマキを優先種とし、ヤマザクラ、リョウブ、コシアブラ等が混交するアカマツーコナラ林が成立し、墓地内の並木にはソメイヨシノが植栽されている。このようなアカマツーコナラ林、ソメイヨシノ並木では、林冠木が閉鎖(林冠木の樹冠が接して光が下層まで届かない状態)していないため、いずれも疎林状で下層まで光が十分に届く環境となっている。

 また、光輪公園内のアカマツーコナラ林、ソメイヨシノ並木では、管理作業の一環として定期的に下刈り、間伐といった作業が行われており、これにより林冠木の立木密度が低く、下層や林床まで光が届く良好な条件が維持されてきたと考えられる。西日本では、二次林(雑木林)の管理が行われなくなった結果常緑広葉樹林へ遷移する傾向にあり、結果としてコバノミツバツツジのような低木の自生地が減少する傾向にある。

 そうした中で、常緑広葉樹林への遷移が抑制され、コバノミツバツツジが一定の数を維持しながら群落として存続できる貴重な環境が維持されている大洞のコバノミツバツツジ群落は、保全対象種のみならず群落が成立している地域一帯の生物相を保全できる、生物多様性の観点からも価値が高い場所となっている。

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