WLB vol.5
さらなる働きがいと生産性向上へ進化を続けるワーク・ライフ・バランス
すでに企業の間で不可欠な取り組みとなっている「ワーク・ライフ・バランス(WLB)」。
2019年4月からは「働き方改革関連法(注1)」も適用されるようになり、WLB実現に向けて取り組みがさらに加速しています。
注1/「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」
仕事にやりがいを感じながら、家庭での時間を大切にできるよう、ワークとライフのバランスを実現する「WLB」。WLBを推進することで、働く側は充実した休暇制度や福利厚生を活用して、一人ひとりに合った働き方や無理のない復職、希望するキャリアアップを実現し、企業側も人材の確保・定着、業務効率化によるコスト削減のほか、企業イメージや従業員のスキル向上など、WinーWinの関係を築くことができます。
近年、このWLBの考え方は、急速に社会へ浸透してきました。その追い風の一つとなったのが、2019年4月から施行された「働き方改革関連法」です。
2020年4月からは、正規・非正規を問わず誰もが多様で柔軟な働き方を選択できるよう、「同一労働同一賃金」の取り組みも始まり、WLBに欠かせない働き方改革も、さらに進展することが期待されています。
WLBの目的は、優秀な人材が能力を発揮し、長く勤められる職場環境をつくること。労働力不足や女性の社会進出など、社会の変化に対応しながら、従業員がいきいきと働ける職場づくりを企業の成長につなげることが大切です。
2020年4月から施行された「同一労働同一賃金」とは?
正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差を解消して、多様な働き方を自由に選択できるようにすることを目指した取り組みです。
topics
岐阜市でWLB推進に向けた新制度がスタート!
岐阜市では、2019年度から男女が共に仕事と家庭を両立できる働きやすい職場環境づくりを促すため、新たに「ぎふし共育・女性活躍企業認定制度」がスタートしました。この制度では、男性が主体的に家事・育児へ参画し、夫婦で共に子育てを行う「共育」を後押しする「共育企業部門」と、女性が能力を十分に発揮して社会で活躍できる取り組みを行う「女性活躍企業部門」の2部門を設定。それぞれの取り組みを積極的に行う企業を認定します。認定の条件は、75項目を設けた「取組確認シート」をチェックし、定められた基準をクリアすること。誰でも手軽にトライでき、WLB推進の第一歩に最適な制度です。平成15年度から続く「岐阜市男女共同参画優良事業者表彰制度」と並んで、WLBに取り組む企業を岐阜市のロールモデルとして広く発信し、“働きやすいまち・岐阜市”を目指します。
WLB SPECIAL WLBの現場に見た!
増える!女性上司と部下のいい関係
近年、社会における女性の活躍が求められる中、多くの企業で女性が管理職へとキャリアアップしています。
男女問わず管理職にとって、ワーク・ライフ・バランスを実現し、円滑に職場を運営していく際には、部下のWLBに理解を深め、さらなる活躍を支援する上司と、上司の働き方を参考にチャンスを活かして輝く部下との信頼関係が不可欠です。
そんな中、女性管理職の増加に伴って、上司と部下がよりよい関係を築いている職場も増えています。
そこで今回は、WLB実現に不可欠な部下との信頼関係を築く、女性上司の働き方や人材育成法を探ります。
No.1 株式会社岐阜新聞社 平成16年度岐阜市男女共同参画優良事業者
部下を信頼して任せることがポイントです!
河野 真由子さん (入社18年目)
育児と仕事を両立する働き方を学んでいます!
岡田 陽子さん(入社1年目)
経験から得たワークスタイルで家庭との両立を体現
1人目の子どもを出産後、社内では初めて子育てをしながら働く女性営業職となった河野さん。「部署内には子育て中の男性も多かったため、理解はありましたが、子どもの体調不良時の対応など、周りにとっても初めてのことで、いつも申し訳なさを感じていました」と、当時を振り返ります。それでも2年後には2人目を出産し、育児休業からも復帰。しかし、以前の経験から「1人で仕事を抱えては、家庭との両立は難しい」と感じ、仕事の優先順位を精査し、任せられる仕事を他の社員や外部スタッフに委ねることで、フォロー体制を構築。周囲の協力を得ながら、女性目線のプロジェクトをいくつも立ち上げました。
一方、「入社前から、マスコミという仕事の多忙さや女性営業職の少なさは、覚悟の上で営業職を志望しました」と話すのは、入社1年目の岡田さん。しかし入社後、家事や育児と両立するため、限られた時間でメリハリをつけて仕事をこなす河野さんの姿を見て、「ライフ・キャリア双方の将来像がイメージでき、仕事を続けていける安心感を得た」といいます。
現在は、同じ部署の女性営業職も5名に増え、女性をターゲットにしたプロジェクトを分担して担当できる環境が整いました。「自分も周りに助けてもらった分、同じ悩みを抱えさせることがないように、女性が働きやすい環境づくりに力を注いでいきたい」という河野さん。自身でたどり着いた両立のスタイルを体現しながら、適切なアドバイスで後に続く女性をサポートしています。
河野さんの働き方をきっかけに、社内には男女問わず家庭の都合で休みを取りやすい雰囲気が醸成。
「営業スタイルは人それぞれ。同行する先輩の姿を見ながら、自分らしい働き方を探してほしい」と話す河野さん。
私たちのWLB
Q. 他部署の社員と交流を深める場はありますか?
A. 毎月1回、社員食堂でお茶会が開かれたり、会社主催でハロウィンパーティーを行うなど、交流の場が設けられているほか、社内にはカフェスペースもあります。普段はなかなか他部署の社員と話す機会がないため、こうした場があることで人柄が分かり、業務の協力もスムーズになると感じています。
Q. 家族が参加できる社内行事は?
A. 子どもが親の職場を見学し、社員同士の交流を図るファミリーデーを開催しています。私も子どもと参加したことがありますが、子どもが親の仕事に理解を深められるだけでなく、同じ子育て世代の社員とふれ合うことができる、貴重な機会になりました。
No.2 ひだまりほーむ株式会社鷲見製材 平成30年度岐阜市男女共同参画優良事業者
女性ならではのアイディアがとても勉強になります!
中嶋 一将さん(入社7年目)
部下の育成にも子育て経験を活用しています!!
竹中 孝美さん(入社10年目)
子育て経験を生かして細やかな配慮で人材育成
「それまで当社の中で、女性管理職は前例がありませんでしたが、社内では常務が女性役員として子育てと仕事を両立する姿を見せてくれていたので、私も挑戦してみようと思いました」そう話すのは、2年前に管理職を志願し、設計部で課長を務める竹中さん。現在は1児を育てながら、部下の指導に当たっています。実家も遠方で育児の助けを得られない竹中さんは、毎日定時には帰宅しなければならず、仕事を途中で切り上げなければいけない日もあるそう。そんな時は他の社員が快く仕事を引き受け、協力をしてくれることもあるといいます。
そうした仲間の1人である中嶋さんは、日ごろから直属の部下として竹中さんをフォロー。「竹中さんの計画する室内の動線やデザインなどには、子育て経験を活かした女性ならではの発想を取り入れているので、仕事を手伝っていると、私もとても勉強になります。竹中さんは、普段も積極的にコミュニケーションをとって、私たちが気付かないような細かなことまで気にかけてくれるので、部下にとってもお母さんのような存在。自分ももっと勉強を重ね、戦力としてサポートしたいと思いますね」と、存在の大きさを語ります。
対して竹中さんも、「部下とは本人の目標を共有し、それぞれの性格を見極めた指導の方法を考えます。『こう育てたい』と思う気持ちは子どもへの愛情に似ていて、本当に子育ての経験が役に立つんですよ」と笑顔で話し、今後も細やかな配慮で指導に注力したいと、意欲を伝えてくれました。
ミーティングよりも、日々の一言一言が大切」と、積極的に部下とのコミュニケーションを図る竹中さん。
上司自らが仕事と家庭の両立を実践するからこそ、部下も安心して両立を目指せる風土が根付いている。
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Q. 社員の家庭状況を知る機会はありますか?
A. 社員旅行や会社のイベントは、家族も参加可能です。竹中さんもお子さんを連れて来ることがあり、私たちも親しくしているので、普段の仕事でも、お子さんが急病になった時などには、竹中さんが早く帰ったり休むことができるように協力したいと思います。
Q. 育児休業からどのように復帰しましたか?
A. 時短勤務とフルタイム勤務を選択できました。私はフルタイムにしましたが、1時間早く帰宅したり、遅く出勤したりと、勤務時間を柔軟に変えられました。また、復帰時は不安だったので、3か月ほど在宅勤務をさせてもらうなど、多様な働き方を選ばせてもらいました。
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男女共生・生涯学習推進課
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