WLB vol.4
WLB SPECIAL
進む!介護現場のWLB
人材の満足で、人材の不足を解消
高齢化が進み、ますます社会的ニーズが高まる一方で、これまで慢性的な人材不足に悩んできた介護業界。しかし、そのピンチをチャンスと捉え、仕事と家庭をうまく両立できる環境を整えて、従業員のやりがいや充実感を高めることで、優秀な人材が長くイキイキと働ける職場を目指した先進的な取り組みが進められています。今回は、これまで岐阜市男女共同参画優良事業者表彰を受けられた企業の中から、介護業界のイメージを変える3人の働き方を紹介し、WLBによる働き方改革のヒントを伝えます。
01 和光会グループ 平成18年度岐阜市男女共同参画優良事業者
ファミリーケア本巣うぐいす庵 二宮 望さん(28)入職8年目
復帰前面談と託児所の活用でスムーズに復職
入職4年目で結婚し、翌年の出産時に産前産後休暇と育児休暇を取得した二宮さん。以前から結婚や出産後も仕事を続けたいと思っていましたが、「夜勤がある職場に復帰して、本当に仕事と家事を両立できるのか」と不安を抱えていました。
そこで、育休復帰前のオリエンテーション(面談)で思いを伝えたところ、人事担当者は多様な事業所の中から、9〜16時の時短勤務が可能な職場をマッチング。さらに、二宮さんは、「地域の保育所は3歳未満児の途中入所が困難ですが、法人内の託児所はいつでも入所でき、病児・病後児保育施設も運営しているので助かります」と、グループが運営する託児所の利用も決め、スムーズな復帰を実現しました。2人目の出産の際も同様に産休・育休を取得。復帰後も通常の有給休暇のほか、1時間単位で取得できる時間有休などを活用して育児との両立に生かしています。
勤務する事業所には子育て中の先輩も多く、子どもの急病時も互いに助け合う風土が根づいています。現在、同じ職場に育休中の職員もいるため、二宮さんは「今後はもちろん私もサポートしていきたい」と話しています。
職員同士で仕事と家庭の状況を尊重し、助け合う雰囲気が根付く。
「和光会グループは事業所の数が多いため、事情に合った職場でイキイキと働けます」と二宮さん。
私たちのWLB
複数の法人内保育施設
和光会では、約25年前から働きやすい職場づくりに向け、法人内保育施設の設置に着手。病児・病後児保育施設なども整備され、安心感と理解ある風土で、育休復帰100%を目指しています。
育休復帰オリエンテーション
復職前に丁寧なヒアリングを行い、60を超える事業所の中で最適な職場や働き方を検討。本人や事業所長を含め、復帰後の働き方をシミュレーションし、無理なく働き続けられる体制を整えています。
WLB担当者よりメッセージ
人事部採用管理課課長 田實 京子さん
介護や育児に携わる人だけでなく、すべての人がWLBを大切にした働き方ができる職場を目指しています。
制度と風土づくりに加え、生産性の向上にも取り組みながら、今後もWLBを推進していきます。
02 株式会社 笑顔いちばん 平成28年度岐阜市男女共同参画優良事業者
デイサービス 笑顔いちばん那加店 阿南 智美さん(47)入社7年目
子育てと共に働き方をステップアップ。
前職では残業が多く、仕事と子育ての両立に難しさを感じていたという阿南さんは、40歳の時、介護業界への転職を決意しました。最初は週3〜4日のパートからスタートしましたが、フルタイム、そして正社員へと、子育ての状況に合わせて、徐々に働き方をチェンジ。また、働きながら介護福祉士の資格を取得し、これまでの異業種経験も生かして、管理職へのキャリアアップを実現しました。
現在、施設長を務めるデイサービスは、スタッフの大半が子育て中の女性職員。今も4名のスタッフが、企業内保育所・スマイルキッズ保育園に子どもを預けて、働いています。そこで阿南さんは、週1回、子連れも可能なミーティングを行い、仕事だけでなく家庭のことを共有。働きやすさに向けた改善点を出し合い、自分の子育て経験を振り返りながら、スタッフに働き方のアドバイスをしているそうです。
さらに今後は、新店舗の責任者にも挑戦する予定だという阿南さん。「これからも、同じくキャリアアップを目指す後輩のロールモデルになれるよう、仕事と家庭の両立に努めていきたいです」と意気込みを語ってくれました。
共働きや子育て中のスタッフが、フォローし合う雰囲気を醸成。
「介護は女性の力や気配りを発揮できる分野」と、利用者に寄り添う阿南さん。
私たちのWLB
資格取得支援制度
笑顔いちばんでは、介護人材の育成を目指した「日本福祉アカデミー岐阜校」を運営し、働きながら資格取得を目指す社員をサポート。助成金を活用し、自己負担ゼロで受験勉強ができる体制を整えています。
正社員登用制度
子育て中はパートで働き、その後は正社員になるなど、移り変わっていくライフスタイルに合わせて、働き方が選択できるようにしています。2018年度も4名がパートから正社員に登用され、活躍しています。
WLB担当者よりメッセージ
専務取締役 山口 由香さん
女性が子育てや家事と仕事を両立しながら働くには、職場と家族の相互理解が不可欠です。社員研修や家族参加型の社内行事を積極的に行い、普段から職員間の風通しが良い職場づくりに努め、WLBを進めていきたいです。
03 慶睦会グループ 平成29年度岐阜市男女共同参画優良事業者
ショートステイしきしま 阿部 尚史さん(41)入職8年目
1人ひとりの家庭環境ややる気を尊重。
以前から介護の仕事に興味を持っていた阿部さんは、32歳の時に11年間勤務した金融機関から転職。ヘルパーの資格を取得し、慶睦会に入りました。以前は休日出勤や残業もありましたが、転職後は早く帰宅できるようになり、子どもとの食事や送迎の時間を取れるようになったそう。男性の育児休暇も3名が取得し、家庭への理解がある職場風土が築かれているのを感じたといいます。
また、資格取得の際には、就業中に研修や受験ができるよう、時間面・コスト面の補助があり、阿部さんもそうした制度を活用して資格を取得。現在は管理職として、他の職員をサポートしています。
管理職となって最も大切にしているのは、職員1人ひとりの事情を共有すること。年2回、全職員と面談を行い、病気や障がい、1人親、外国人など、さまざまな家庭環境を抱える職員の希望に耳を傾けて、長く働ける環境を整えています。阿部さんは「管理職は、自分も含めて現場経験者ばかり。職員も意見が言いやすく、私も職員の声を積極的に吸い上げて、業務改善につなげています」と話し、職員同士が寄り添って、互いに支え合う風土づくりに努めています。
全職員と面談し、事情に合わせた働き方やキャリアアップをサポート。
「やりたいことや頑張る人の背中を押してくれる職場」と話す阿部さん。
私たちのWLB
長期休暇中の民間学童
長期休暇中、グループ内の施設内で民間学童「うずらの虹」を実施。地域枠で一般の人も利用でき、職員なら1回500円で利用可能。施設を利用する高齢者とふれあう機会を持つなど、多世代交流の場にもなっています。
手厚い子育て支援
子育ての悩みを共有するため、定期的に職員が集まるパパ会ママ会を開催。そのほか、子どもの服などをリサイクルする場や、子どもの就学資金の無利子貸付制度を設けるなど、職員の子育て支援に取り組んでいます。
WLB担当者よりメッセージ
社会福祉法人慶睦会理事長 梶野 友季子さん
介護は、気持ちやモチベーションが利用者さんに伝わる仕事。家庭や自分の時間が充実すれば、仕事のパフォーマンスも向上します。
働く人がやりがいをもって、笑顔で働くことで、仕事のクオリティを保っていきたいと考えています。
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このページに関するお問い合わせ
男女共生・生涯学習推進課
〒500-8701 岐阜市司町40番地1 市庁舎13階
電話番号:058-214-4792 ファクス番号:058-265-8665