令和 5年 2月23日 宵の空に輝く金星
暦の上では立春を過ぎ、2月の日中でもポカポカ陽気になる日も出てきました。この時期、夕暮れから夜にかけて西の空に、ひときわ明るく輝く金星を見つけることが出来ます。星の明るさは、等級という単位で表されますが‐4.0等級(令和5年2月22日時点)であり一番星となるでしょう。実は、一番星とはその日その人が一番最初に見つけた星なので、日によって、人によって異なることもあります。とはいえ、金星はとても明るくほとんどの人にとって一番星になるはずです。
私たちの地球と同じ太陽系の惑星である金星。英語では愛と美の女神「ヴィーナス」と呼ばれ、夕方から夜にかけて見える金星は「宵の明星」、明け方に見えるのは「明けの明星」とも呼ばれています。令和5年は7月ごろまで、宵の明星として見ごろとなります。
さて、岐阜市科学館の入り口には小惑星探査機「はやぶさ2」を打ち上げた時の実際のフェアリングの一部を展示してありますが、この金星にも日本の探査機が打ち上げられ活躍しているのをご存じでしょうか。
その名は金星探査機「あかつき」、平成22年5月21日に種子島宇宙センターから打ち上げられ、同年12月に金星の周回軌道に入る予定でした。しかしながら、メインエンジンの故障により宇宙をさまようしかなく計画は失敗したとみなされていました。その後、メインエンジンの代わりに姿勢制御エンジンを使い、平成27年12月に金星周回軌道への再投入に成功しました。当時のJAXAプロジェクトチームによると「メインエンジンの1/5程度の推力で軌道投入に成功させるため、寝ても覚めても軌道計算の日々だった」とのことです。
そんな金星探査機「あかつき」は、金星の大気を解明する目的の気象衛星ですが、鮮明な金星の画像や大気のデータを観測し、その成果をもとに様々な国が金星探査に乗り出す表明もありました。
このように、宇宙には太陽系の惑星である金星だけでもまだまた分からないことがあり、国や人種を超えて様々な人たちが携わっている分野の一つであります。とある国の研究者は「あかつきが切り開いてくれた道の先に金星の研究が進展していくのだ」といっています。様々な思いを馳せながら宵の空に輝く金星を眺めてみましょう。
(天文スタッフ T.O)




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