平成29年 6月22日 今年最も小さく見える満月はストロベリームーン
6月9日の満月は、2017年地球と月が最も遠く離れたときの満月でした。
「地球と月が最も離れたって何?」と思われる方も多いと思います。
実は、地球の衛星である月は、楕円軌道を描いて地球の周りを公転しています。
もし、真円を描いて公転しているならば、いつも地球と月の距離は一定です。
しかし、楕円軌道を描いているため、日々地球と月の距離は変化しています。
そのため、満月となるときの距離は毎回変わり、
9日は2017年最も地球と月が遠く離れたときの満月となりました
(ちなみに、2017年地球と月が最も近づいて満月となるのは12月4日です)。
みなさんにも経験があるように、
ある物体が自分の近くにあるときと遠くにあるときとでは、
物体そのものの大きさは変化しませんが、
見た目の大きさ(これを「見かけの大きさ」と言います)が変化します。
具体的には、近くにあれば大きく見え、遠くにあれば小さく見えます。
この関係が満月にも当てはまります。
遠くにある満月は小さく見え、近くにある満月は大きく見えます。
みなさんは、2017年最も小さく見える満月を見られましたか?
ところが、2017年最も小さく見える満月よりも話題をさらったのが
「ストロベリームーン」ではないでしょうか?
インターネット上でもかなり話題になりました。
本来、ストロベリームーンとは、アメリカでイチゴの収穫期を迎える6月の満月を表す言葉のようです。
ところが、実際に話題となったのは、イチゴのように赤色(もしくはピンク色)に月の色が染まると紹介されていました。
本来の意味とは随分違っていますね。
実際、低空の太陽や月は赤っぽく見えます。
さらに、梅雨の時期は水蒸気の影響により赤みがかって見えるかも知れません。
そこで、高度の違いによってどれだけ色が違うのかを撮影し比べてみました。
写真左は高度約10度、右は約30度の当日の満月です。
こうして比べると昇り始めと高度を上げたときとではずいぶんと色が違うものですね。
しかし、決して赤くはありませんでした。
やはり、イチゴの収穫期を迎える6月の満月をストロベリームーンと言うのですね。
本来の意味とは異なった情報によって注目を集めた今回の満月。
しかし、こうしたことをきっかけとして星空の美しさを再認識し、
さらに星空への興味関心を高めてもらえると嬉しいものです。
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