内外情勢調査会11月例会 市長講演(令和元年11月6日)

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ページ番号1006467  更新日 令和3年8月31日

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【市長】
皆様こんばんは。
本日は岐阜市政についてお話しさせていただく機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
本当に一年早いものでございますが、いくつか課題に取り組んでまいりましたし、足元に見えてきた問題も多々ございますので、今日はいただいているお時間の中で、幅広く皆様方に情報提供させていただければありがたいと思っているところでございます。
今日は以下のような内容でお話をしたいと思います。
まず、2020年は数々のチャンスが到来するということ。
そして岐阜市の現状を少し皆様方と共有させていただき、持続可能なまちを実現するための施策ということで、4つの切り口からお話をさせていただこうと思います。
「こどもファースト」、「観光振興」、「中心市街地活性化&都市基盤の整備」。
これは2019年度の政策のベクトルということで、今年度取り組みをスタートしたところであります。
また「基礎自治体としての取り組み」ということで、様々な課題があるわけですけれども、40万市民の皆様の生活を預かる市政として必ず取り組まなければならないテーマがありますので、そうしたところにも触れながら、最後に、先月予算編成方針を来年度に向けて出しましたので、そのことにも触れさせていただいて、講演を締めくくらせていただこうと思っております。
それではまず、2020年どんなことが予定されているかでありますが、まず1つ目は大河ドラマ「麒麟がくる」の放送であります。
1月11日から放送予定でありまして、久しぶりに岐阜がドラマの舞台となるということで、大変期待をしております。
今、大河ドラマ館を歴史博物館の2階を中心に準備を進めているところでございますし、また周遊していただくためのマップ作りですとか、お客様に来ていただくための駐車場の確保の問題など、大河ドラマを活かした本物志向の観光まちづくりというテーマで準備をしております。
ドラマ館は50万人を来館者の目標としておりますので、そういったことを含めて大きく本市を盛り上げるチャンスと受け止めております。
2つ目、東京オリンピック・パラリンピックがございます。
オリンピックはもちろん大事でありますし、オリンピックにいらっしゃった海外のお客様が地方を旅行したいという声もたくさんあるようでございますが、まず岐阜市としては聖火リレーが岐阜市で行われるということがあります。
これは4月5日を予定しておりますけれども、歴史博物館、まさに大河ドラマ館の前から岐阜城の山頂までというコースと、JR岐阜駅北口の駅前広場からメモリアルセンターまでというコースということでございます。
前回の東京オリンピックの時も岐阜市内を聖火リレーが走ったということで、その当時のことをご存知の市民の方は大変懐かしいということで覚えておられるわけですし、今回初めてだという特に若い世代の皆さん、子どもたちには岐阜でしっかりと思い出を刻みこんでほしいと考えておりまして、いかに多くの皆様に参加していただいて盛り上げるか、今準備をしているところでございます。
3つ目、に「エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議」というものが、2020年の5月29日から31日に開かれます。
先般プレイベントが開催されましたが、著名な芸能人の方や文化人の方が大挙して岐阜にお越しいただき、岐阜大学にご協力いただいて、岐阜大学のキャンパスで様々な講座を市民の方、学生向けに開いていただき、夜には玉宮町や柳ケ瀬などのいろんな飲食店で、夜学ということでお酒を酌み交わしながら市民の皆様と交流を深めていただく企画です。
岐阜県とも連携しながら岐阜商工会議所にもお力をいただくということで、「オール岐阜」の体制でこのエンジン01というイベントを盛り上げようと思っております。
市民の皆様に著名な方と酒を酌み交わすという上質な機会を持っていただくということと、同時に岐阜の魅力をこういった発信力のある方々に知っていただいて、広く内外に発信をしてもらいたい、こんな思いがあるわけです。
大変楽しみにしている一つです。
続いて、「日本食文化会議」というものも予定しております。
これは10月2日から4日でありますが、料理人やフードコーディネーター、あるいは学者や食材の生産者の方等が集まり、まさに食に関わるイベントを予定しております。
これは民間の皆様にもかなりご協力いただく予定でありますし、食という切り口から岐阜を内外に発信していただこうというようなことで、大河ドラマしかり、エンジン01しかり、この食文化会議しかり、すべては岐阜に内外の皆様の注目が集まるという、こんな絶好の機会がやってくるわけであります。
そして、最後に「ねんりんピック」、これも多くのシニアのアスリートの皆様が岐阜に来ていただけますので、岐阜の魅力を体験していただきながら、このような仕掛けを2020年は用意をしているところであります。
いずれにしましても市民の皆様にも見に行ったり、体験したりできるものでありますので、ぜひ皆様方にも今から注目して見ていただければありがたいと思っております。
このように短期的には、いろいろな催しを行ったり岐阜を発信する機会を持つわけですけれども、やはり構造的な問題ということが岐阜としても避けて通れないわけでありまして、ここからはちょっと岐阜市の現状について皆様方と共有をさせていただこうと思います。
現在岐阜市内に外国人の方は9,000人ほどお住まいでありますから、外国人を除くと岐阜市の人口は40万人を切っているというのが現状であります。
2040年には、34万人まで右肩下がりで減少するだろうという人口推計で、これが今突き付けられている大きな構造的な課題です。
中でも子どもたちはどうなんだろうかということですが、今1年間に生まれる子どもの数は3,000人を切っているというのが現実であります。
2015年、2016年までは3,000人を200人強くらい上回っておりました。
ところが2017年、2018年と3,000人に届かないということで、4年間に8.5%減というのは大変大きな数字でございます。
ですからこの傾向というのはこれからも続くのではないだろうかなと思っており、岐阜市としても少子化問題に取り組んでいくわけですが、この3,000人という数字は決してたやすい数字ではないというのが現状だと見ております。
もう一つ、社会動態というものがございます。
岐阜に入ってこられる方と岐阜から転出をされる方の差し引きの値がございますが、若い世代は圧倒的に転出超過ということです。
今私どもが注目しているのは40代でありまして、10代、20代、30代が転出超過になっている反面、40代になると転入超過になります。
50代、60代もわずかでありますけれども、転入に転じてくるということがわかります。
ですから、どうこの40代、特に岐阜にゆかりのある方にふるさとに帰ってきていただくか、あるいは関わりを持っていただくかということは、大事な政策のテーマではないかと考えています。
もう少しここに伸びしろがあるのではないかというようなことを、問題意識として持っているところであります。
ちなみにこのあたりからの転出先は1位が愛知、2位が東京、3位が大阪ということで、三大都市圏に7割以上が集中しており、それが今の岐阜市の現実というところでございます。
それから、最近の若い人たちでお子さんをお持ちの方がどんなライフスタイルを持っておられるかということで、この乳幼児期の子どもを持つ保護者の就労状況の変化というものを見ていただきますと、3歳未満のお子様をお持ちの世帯ですが、産休の方も含め、就労している世帯の割合が上がっています。
全体を見ると5割を超えていますので、割合でいうと共働き、就労に意欲のある方が増えてきているということが言えるわけで、3歳以上の子どもをお持ちの世帯でも同じ傾向がございます。
市民の皆様への調査でも、女性の皆様の一つの希望、求めることということで、出産後職場に復帰しやすい環境を作ってほしいということが第1位にきておりますので、結婚、出産を経て職場に復帰もしたいという、こういうご家庭が多いと考えています。
ですから、そういった環境をつくることに高い意識を持って掲揚してくださる企業が岐阜で増えてきてほしいということと、行政としてもしっかりとそういうことに対して、政策に軸を持って取り組む必要があるということを思っております。
ここまでが岐阜市の人口における一つの現状でございますが、ここからは「こどもファースト」「観光振興」「中心市街地活性化&都市基盤整備」という形で、今岐阜市でどんなことに取り組んでいるかということの話をさせていただこうと思います。
まず「こどもファースト」ですが、夫婦共働きの家庭が増えているという中で、例えば使用済みの紙おむつを市の保育園では全部回収しましょうということを始めました。
これはおむつを持って帰るか持って帰らないかというだけの話ではなく、とても大きな話でありまして、やはり仕事をバリバリやっておられる方がお子さんを迎えに行った時に、毎日使用済みおむつを持ち帰らなければいけないというようなことが、どうなのかなという気持ちもあるということで、私も市民の方から聞いており、そういうことなら一括して回収して処分してしまおうということを始めたわけであります。
病児・病後児保育の送迎サービスというものも始めましたけれども、これも夫婦共働きのご家庭で急にお子さんが熱を出したという時に、すぐには迎えに行けないという局面も仕事の中身やタイミングではあるわけでして、こういったときにタクシーで迎えに来てくれて、保育施設まで連れて行ってくれるというような有料のサービスをスタートいたしました。
こういったものは、働く若い世代がいかにストレスなどの問題がなく、仕事と家庭、子育てを両立しやすい環境をこのまちに作るかという問題意識から、このような事業をスタートしたわけであります。
これからどういう成果が上がってくるかを私なりに注目をしています。
それから、GPS位置情報を活用した見守りサービスということで、これも今年度から始めたことですけれども、登下校における安心・安全ということが、この街に安心して住めるかという大事なポイントでございまして、こうしたサービスを任意でありますけれども導入させていただいて、安心・安全に努めていこうということで、これも新たに取り組みをしたということであります。
それから、働くということでいくと、今放課後児童クラブを希望される人数がどんどんと増えてきております。
先ほどの病児・病後児保育はあくまでも幼稚園・保育園のところでございますので、小学校に上がったら放課後児童クラブというのがないと働くご両親が大変困るわけでございます。
6年生まで受け入れを拡大するということで、量の拡大ということをこの間何年にもわたって進めてきました。
今後の課題ですけれども、一定の量の拡大はしてきましたので、これからはせっかく毎日一定の時間を子どもたちが過ごしていますから、質の向上というようなところにも光を当てていきたいということで、これからは時間の過ごし方ということにも力を用いていきたいと思っております。
教育の環境も、子ども・子育ての環境作りなど、様々なサービスの向上ということを行っているわけですが、課題もございます。
まず今年の7月に起こりましたいじめの重大事態ということで、大変悲しいことが起きたわけでございます。
岐阜市では2018年度、年間1,376件のいじめが発生しており、市内には70強の学校がありますので、だいたい平均して年間20件くらい、1月に1件以上発生していると言えます。
小学校では学年を重ねるごとにいじめが増え、小学校4年生が一番多いというのが実態であり、5年生、6年生と少し下がってきます。
中学校の場合は1年生、2年生、3年生と進むにつれて少なくなるわけですが、今回はこの3年生で起きたということでありました。
私も子を持つ親として、このいじめの問題について非常に心を痛めている一人ですけれども、こういったことを受けまして、岐阜市の教育ということについて様々な検討をしていこうじゃないかということで、先般議会でもお認めいただいて、岐阜市公教育検討会議というものを設置させていただきました。
この会議のメンバーは、生命の尊厳、命に係ることですので、医療や心理の専門家、学校での様々な連携の問題などがございますので、学校運営、働き方改革、リスクマネジメント、こういったことについても造詣の深い方にメンバーになっていただき、幅広いご意見を聞こうということで今進めているところであります。
岐阜市の教育立市をさらに進化させていくために、どういう政策が必要なのか検討していただこうと、こういうイメージでありまして、10月から会議を始めましたが、来年の6月まで会議を重ね、その後私に答申をしていただいて議論を深めていくというイメージを持っているところであります。
教育の問題ですから、教育委員会ともしっかりと連携しながらと考えております。
今、教育においては、岐阜市総合教育会議というものが開かれております。
ですからこの総合教育会議において、私と教育委員会の皆様とで議論を重ねながら、市長のもとで教育大綱というものを作っておりますので、その改定を検討していこうじゃないかということを行っております。
それからいじめの問題と同時に、不登校ということも大変大きな課題でありますけれども、中学生における不登校の生徒は2017年に400人ということで、これは中学校における不登校の出現率というパーセントで出されておりまして、全国平均が3.25、岐阜県の平均は3.4、岐阜市は3.81でありますので、岐阜市はやはり不登校の生徒の数が出現率として多いということが皆様にも理解していただけるのではないかと思います。
もちろん何もしないわけではありませんので、カウンセリングやほほえみ相談員、家庭訪問、自立支援教室の運営、スクールソーシャルワーカーの方による支援等、様々な支援をさせていただいているわけですけれども、現状の数字でいくと多いというわけでございます。
今回新たな取り組みとして、不登校特例校というものを設置しようということで今準備をさせていただいているところであります。
この不登校特例校というものは、国が教育機会確保法というものを2016年に制定し、その中で子どもたちに多様な学びの選択肢をということで、国に定められた授業数よりも少なくていいですよという特例があります。
少なくした分をまさに個人に寄り添った学びの仕方をしたり、様々な体験の機会を持つ、最先端の教育を受けてみる等、通常の学校ではなかなか取り組めないようなところに寄り添った学びということをやっていこうというようなことでありまして、岐阜市版の不登校特例校の中学校、定員40名ということで、2021年の4月開校を目指して取り組んでいきたいと思っております。
400人の中学生で不登校の生徒がいるのに、40人ということは数字が合わないじゃないかという意見もありますが、まずこういった不登校特例校というものがあればそこに通ってみたいという生徒にとっての一つの選択肢となりえます。
そこで学校に通うことができて学びを深めることができて、きちっと卒業することができれば、それは素晴らしいことであるということで、今回のこういう決断をしたということでございます。
公立では初ということでございますので、ぜひ皆様方にご注目していただきたいと思っております。
次に少し角度を変えまして、少子化という問題の中で、各自治体、様々な子育て支援の取り組みをしております。
人口が増えて仕方がないという都市はごく一部でございますので、何かしら地方自治体独自にアイデアを出しながら取り組んでいるところであります。
今回近隣の自治体と比較してどんな違いがあるかということを、特に岐阜市に優位性があるものを出させていただいております。
例えば、エール岐阜のような、子ども・若者のワンストップの窓口があるかということでいうと、必ずしも他の市は皆あるわけではございませんので、こういうテーマは非常にいい取り組みです。
また、3人乗りの自転車の貸し出しのニーズがありまして、こういったことも今回台数を増やすという取り組みをして子育て世代を支援するですとか、産後ケアということも始めましたけれども、決してすべての市町であるわけではございません。
また、多胎家庭の訪問や相談による支援を岐阜市として行っておりますし、先ほど申し上げた紙おむつの回収というのが結構注目をされ、名古屋市も検討しているということもお聞きします。
病児・病後児保育の送迎サービスということも、岐阜市独自の取り組みとしてやっているというようなことで、逆に他の市独自のこともあるわけですけれども、岐阜市として一定の子育て支援のメニューをそろえながら、魅力ある地域づくりということで取り組みをしているというところであります。
今後とも、こどもファーストは岐阜市政の不動の柱だと思っておりまして、これからも様々な課題を見出しながら、取り組んでいこうと考えております。
次に、観光振興についてお話しします。
過去、岐阜城に大勢の方が来ていただいたのは、大河ドラマ「国盗り物語」と「信長KING OF ZIPANGU」の放送時が突出しているわけであります。
大変面白いアンケートの結果がございまして、今名古屋市にかなり岐阜から人が流出しているという中で、名古屋市在住の方に岐阜のどこを訪れていただいているのかアンケートしました。
そうしましたら岐阜城が40.7%で圧倒的な1位でした。
まさに岐阜城、金華山一帯については多くの名古屋の方が岐阜を訪れた際にお立ち寄りいただいているということが分かっております。
したがいまして、これも伸びしろがあるのではないかというようなことを思っているわけですし、やはり岐阜といえば岐阜城、鵜飼や長良川温泉もございますけれども、周辺は一帯でございますので、この地域の観光資源をより良くしていくということは大事なテーマかなと思っております。
大河ドラマ「麒麟がくる」放送に合わせ、例えば周遊マップを作ろうということで今準備をしておりますけれども、今お話ししたようなところをしっかりとお客様に巡っていただけるようなものを作りたいということですし、光秀エリアということで歴史博物館の2階にドラマ館を作りますが、ロープウェー乗り場のところでも道三エリアということで、道三にまつわる展示をしようと準備しておりますし、岐阜城も信長エリアということで、展示をリニューアルするということで大河ドラマ仕様にしていきますので、これもぜひ皆様に楽しみにしていただきたいと思っており、ドラマ館に来ていただいた方にはそのまま帰っていくということではなくて、登山していただいてもいいし、ロープウェーに乗って岐阜城の天守閣まで行っていただきたいということですし、マップを通じて川原町やうかいミュージアム等、関連する地域に足を運んでいただきたいと思います。
例えば岐阜公園の中でも御手洗池の整備が行われまして、バリアフリーになっておりますし、チャートの岩もちゃんと見えるように修景をしたということで、こういった整備も着々と進めているところであります。
私も相当思い入れがあるのですが、一つ皆さんにご注目をいただきたいのは、今回信長公の居館の滝を再現したということで、これは実証実験でございますけれども、ちょうど三重塔がある隣接のチャートのところに二筋の滝を再現いたしました。
ここは信長公の居館の庭園の跡でございまして、NHKのブラタモリでタモリさんがチャートの岩が大変好きだということで取り上げていただいたものであります。
これも岐阜城の一つでございますから、こういった岐阜公園の再整備という中ではこの信長公の居館跡の庭園も含まれてくるということで、まずは滝を流してみようということで行っております。
ちょうど12月の終わりには岐阜城パノラマ夜景を実施しますので、その時には夜にライトアップをしようと準備をしておりますので、お越しいただいたお客様に、ここに滝がある、信長公の居館の跡なんだということを存分にPRしていきたいと考えております。
もう一つ岐阜公園では新しい取り組みとして、「クアオルトⓇ健康ウォーキング」というものを、先月から「クアの道Ⓡ」ということで認定していただいてスタートいたしました。
このクアオルト健康ウォーキングというのは健康保養ということでして、自分の体力にあった形で脈拍等を測りながらウォーキングするというものでございます。
風に当たることも非常にいいということですとか、ヤッホーと声を出すこともいいというようなことですし、認定されている指導者の方がついてくれますので、いろんなアドバイスをいただきながら継続してウォーキングを楽しむ、こういうことでございます。
代表例は山形県の上山(かみのやま)市ですけれども、大変活発にやっておられまして、例えばでドイツのミュンヘン大学より認定を受けた8コースを含めて20コースのクアの道を上山市は整備しているということで、大変有名でございます。
クアオルトのポイントは温泉があるということで、岐阜の場合は長良川温泉があるということで、お客様の誘客にもつながるポイントがあるわけでございます。
今私どもは組織を作って、まずは健康立市として市民の皆様に広く認知していただいて、市民の方の健康寿命に資するものにしたいと思っていますし、観光あるいは健康経営ということで、企業の方が健康療養に現役の社員の方を送っていただけるようなアプローチをしていきたいということで交流人口にも資するもの、健康寿命と交流人口という切り口を考えているところでございます。
岐阜市は非常にアクセシビリティがいいということが大変評価されているところで、自然があり、歴史があり、温泉があり、名古屋から20分という岐阜市の立地は非常にいいという、都市型クアオルトの第一号として我々は後押しをいただいているところであります。
具体的に、例えば金華山・長良川・岐阜公園コースは、たくさんの山を登っていくかと思いきやそうではなくて、体力に合わせて地形ならではの高低差を活かし、金華山の一部を歩きながら川原町のほうも回りながら、ウォーキングを楽しんでいただく形であります。
もう一つ、百々ヶ峰もコースに認定されました。
こちらも「ながら川ふれあいの森」という非常に素敵な森がございますし、すぐそばには神仏温泉がございまして、条件としてはそろっております。
緑の中でウォーキングを楽しんでいただくということで、この2つのコースを設置いたしまして、今後コースを増やすことや、認定の指導者の育成をしながら多くの方に楽しんでいただこうと考えております。
次に、ぎふ長良川鵜飼でございます。
長良川鵜飼は様々な課題を抱えておりまして、「国盗り物語」放送時は33万人ものお客様に来ていただいておりましたが、年々少なくなり近年は平均10万人程度を推移しておりました。
ところが、昨年は7月豪雨もあり7万6,330人という結果になり、今年は反転攻勢ということで頑張ったわけですが、週末に台風が来たりといったことがありまして10万人に届かないという数字になったわけです。
2年連続10万人を下回ったことは、大きな理由は水害でございますけれども、それ以外にもいろんな課題があるだろうと考えています。
ですからこの課題にしっかり向き合っていくきっかけの時になったと思っております。
例えば、船頭さんの高齢化も進んでおりまして、募集をしたり、ポスターを作ったり、船頭体験を行ったりしておりますが、一朝一夕に増えるわけではありませんので、こういった船頭さんの問題も今後の検討課題であるということがございますし、そもそも船が流されてしまったりドックが決壊したりということもあり、安全に運航するということ、船を守るということもございます。
これだけ毎年水害がやってくるということを考えると、全国の鵜飼開催地でも同じような課題を抱えておられて、全国共通の課題なのかなと思っております。
しっかりと安全に運航できる環境ということで、またこのオフシーズンに準備したいと考えております。
そうはいっても、悪い話ばかりではなく、平成30年の7月豪雨のときにはホテルパークさんの前の河川敷で鵜飼を見ていただくということを行いました。
無料で見ていただいたのですが、これが結構ご好評だったということで、今までの船に乗って鵜飼を楽しむという長良川鵜飼から、先ほどの船頭さんの問題もあるという中で、多様な鵜飼観覧を考えていく必要があるのではないかと思っています。
今年は鵜飼桟敷というものが行われました。
10月の鵜飼じまいのぎりぎりの時に行われ、台風も来たので予定の日数よりも少なめの実施となりましたが、今国交省はミズベリングということを提唱しておりまして、いかに水辺を活用したまちづくりをするかという中で、民間の皆様がいろいろと知恵を絞っていただいて、行政も支援をさせていただきながら今年初めて開催していただいたわけでございます。
私も最終日に伺いましたけれども、船から見る鵜飼も良いですし旅館から見る鵜飼も良いですが、この桟敷から見る鵜飼の距離感もなかなか絶妙でございまして、そこでお食事も楽しめますし、お酒も飲むことができますし、踊りも見ることができますし、いろんな使い方があるというところでございます。
課題は、いかに水位が上がった時に即座に撤去できるかということでしたが、撤去は20分で可能ですということで設置の許可が下りたということでございます。
特にインバウンドのお客様に喜ばれるのではないかということで、お値段もそれなりに取るようでございますが、一つの魅力ということで面白い取り組みが始まったなと思っております。
では、3つ目のテーマ、中心市街地の問題に行きたいと思います。
再開発など様々な取り組みを行っていくわけでございますが、やはり中心市街地の様々な取り組みを行うことは、都市としてしっかりとした土台を作るということの意味も、活性化と合わせてあろうかと私は思っております。
まちなか居住ということは一つの大きなポイントですし、納税してくださる方が増えれば我々としても自主財源が増え、様々な市民の皆様のニーズに応えていけるということで、中心市街地には並々ならぬ意欲を持って取り組んでいるということでございます。
大変ありがたいことに、これまで大岐阜ビルを皮切りに再開発を進めていただいております。
直近では、今年「岐阜イーストライジング24」が竣工いたしまして、岐阜市として新たな取り組みをいよいよこの場所で始めていこうと思っております。
それはリモートオフィス設置の実証実験で、私は駅前というのは働く場にもしたいと思っています。
今どうしても再開発の上にマンションを作られて住むということが出てくるわけでございますけれども、やはりリニアの時代を見据えた時に非常に利便性の高い一等地ということで、ここには住むというだけではなくて働くということの切り口も重要ではないかと考えています。
今フリーランスで仕事をする方も増えておりますので、そういった皆さん、あるいは創業したい方とか、いろんな方にリモートオフィスを使っていただこうと思っています。
例えば、シェアオフィスということで、複数の仕事をしている方がシェアをしていただくとか、コワーキングスペースは自由に活用し、商談していただいたり、コミュニケーションを交わしていただいたり、意見交換をしたりという場を設けることができ、小さな区画のオフィスをここに構えていただいて、ビジネスをしていただくという取り組みをスタートしていこうと思っております。
doda(デューダ)という転職サービスのサイトが昨年調査をしておりまして、東海4県の中で女性が働きたい駅ランキングで岐阜市がなんと第4位にランクインしております。
名古屋駅はちょっとぶっちぎりですが、それ以外を見ると決して政令市に引けを取っておりませんし、この岐阜駅を中心に働く魅力というものはあるのだろうと思っています。
しかも女性に支持を得たというのは非常に嬉しく、自然がいい、街並みがきれいだ等、いくつか理由を言っていただいているのですが、評価をいただいているというのは我々としては少し背中を押していただいているということかなと思っております。
そんな中、今年は駅前広場10周年に合わせまして丸窓電車を駅前に移設したいということで今準備を進めております。
かつて電車が現役だったころの敷石というものを先般ご寄附いただきまして、本物を設置させていただいて、雰囲気作りをしたいと考えております。
これも駅前という空間の価値を高めていくということの一つの私なりの思いでございますので、リニアが開通する予定の2027年を見たときに、駅前の価値がぐんと高まるということは、それを一つのきっかけとして中心市街地の価値も高まってくるということで、それは地価にも表れてきます。
駅はやはり地価が上がっておりまして、再開発は今後も考えておりますので、また上がってくると予想しており、リニアのことも考えれば上がることは間違いない、そうあってほしいと思います。
ぎふメディアコスモスも、実は地価が上がってきておりまして、多くの方がいらっしゃる、市役所も2021年春に開庁するということで上がっております。
一方で柳ケ瀬については下落傾向が続いているということで、私どもとして今後柳ケ瀬の地価が下げ止まり、反転に転じるということを期待するわけですし、様々な政策を講じていきたいと思っております。
その中で、例えばリノベーションのまちづくりに今力を入れております。
遊休不動産、空き店舗になってしまったものを非常におしゃれに活かすという取り組みであり、今、第3日曜日にサンデービルヂングマーケットを盛んに行っていただいておりますし、昨年はリノベーションまちづくりの専門家に来ていただいてシンポジウムを開催し、250人の方が会場いっぱいに来ていただいて、しかも市内や柳ケ瀬のオーナーの方などもいらっしゃったということで、関心の広さが非常によくわかるわけでございます。
一つ今年嬉しいニュースがありまして、モスバーガーの近くにサロン・ド・マルイチが、8月18日に正式にオープンしていただきました。
十六銀行さんとMINTO機構さんが共同出資をしたファンドがこの出資をしていただけたということで、このファンドの第1号案件ということで、民間資金もこの柳ケ瀬のビジネスや取り組みに活用していただくということで、大変いい循環がリノベーションまちづくりによってできてきていると思います。
その中で8月30日から9月1日には、「リノベーションスクール@岐阜」というものを、岐阜で初めて開催をいたしました。
たくさんの若い方々が集まられて、いろんな知恵を出し、まちづくりに関わるということで、私も出席しましたが、大変意欲的な会になりました。
どんなことをしたかといいますと、柳ケ瀬の中の4つの物件を題材といたしまして、これをリノベーションしたらどんなものができるのだろうかということを徹底的に議論して発表するというようなことでありまして、4つの物件についてそれぞれ若い皆様が発表されました。
私としては今後、この中で実際にリノベーションが行われて事業化していくことを求めているところでございますし、そういうことが起きてきますと、ますます柳ケ瀬に灯がともってくるということであります。
また私がもう一つ大きな可能性として思っておりますのは、私も出席させていただきましたが、9月に開催された柳ケ瀬の若手大会議ということで、柳ケ瀬で商売をやっておられる方を中心に、またそれを支援されている方、関連の方が集まられて、会議を催されました。
ターゲットは45歳以下の店主や商店街の関係者ということで、年齢を絞って取り組まれたわけでありますが、その中で意見もどんどん出して最終的に提言していきたいということで、例えば柳ケ瀬商店街に若手の新規創業者を増やすにはどうしたらいいのか、解決策はなんだろうかということを柳ケ瀬の若手の皆さまが自ら考えて、アクションに移していこうという、こういう取り組みです。
このように、柳ケ瀬において今主体的に民間志向で取り組みが行われているということは大変勇気づけられる話ですので、皆様方に温かくこの柳ケ瀬の若手のチャレンジを見守っていただきたいし、応援もお願いしたいと思います。
それからもう一つの軸は、高島屋南地区の市街地再開発です。
これもちょうど10月10日に起工式典が行われまして、30年越しの事業ですけれどもいよいよスタートしたということであります。
岐阜市といたしましては、この3階・4階を公共床として取得しており、今設計を進めているところでございます。
具体的には、3階には健康・運動施設をということで、これは私の着任前に決まっておりましたので、一定の制約の中でしっかりと関係各所と議論しながら知恵を絞ってまいりましたが、ここに中市民健康センターを移設させます。
それからクアオルト健康ウオーキングの拠点をこの健康・運動施設の中に置こうということで、これも活性化していこうと考えたりしております。
4階は子ども・子育ての施設ということで、中市民健康センターも大勢親子連れの方が来られるところなので、若い方に柳ケ瀬を中心に中心市街地に足を運んでいただける流れを作っていこうと考えております。
今、近隣ではマンション建設話が続々と進んでおり、まちなか居住が進むということは、まちの中にも若い世帯が住み始めるということが予想されるわけですので、そういった流れに対しても大きな投資になるだろうと思っております。
私は様々な機会に金華橋通りに注目をしていただきたいとお話ししてまいりましたけれども、今回この秋に、金華橋通りでトランジットモールを開催します。
連節バスなどが走る公共交通の専用レーンを作りますが、道路空間をどう活かすかという取り組みの中で、一日だけのトランジットモールでありますが、「yanagase PARK LINE」という形で、いろいろな体験エリアを道路の上でやっていただくというようなことで、例えばストリートスケボーパークなどいろんなことを考えております。
それから、公共交通フェスタということで、金公園において自動運転の実証実験を実施しようと考えております。
岐阜市としてこれらのことにどう取り組んでいくかということを念頭に置きながら事業を進めていくわけでございますけれども、この金公園が非常に大事だと思っております。
駅前はこれから再開発が行われ、働く場としても力をつけていきたいと思っています。
まちなかでも居住が進み、玉宮も元気ですという中で、柳ケ瀬においても再開発やまちなか居住、そしてリノベーションまちづくりが進んでくる中で、ちょうど駅と柳ケ瀬の間に金公園がございます。
まさに中心市街地と人の交流といいますか、多くの方が交わる、滞留していただく、そのような上質な空間として、この金公園をリニューアルする必要があるのではないかと思っております。
大変参考になりますのは、南池袋公園という東京都豊島区にある公園でありまして、公園内は芝生が整備されており、たくさんの方が訪れています。
大変いい空間だと思いますし、まちなかに人が集まり、居住も進み、さらにこういった空間ができてくると中心市街地の空間としての価値が上がりますので、さらにまちなか居住が進むことが期待できます。
こういう好循環を作っていけるのではないかということで、いろいろと検討を重ねているというところでございます。
さて、もう少し岐阜市を広く見ますと、これからリニアの時代が訪れますし、2024年には岐阜インターもいよいよ開通しますし、今年度末には(仮称)岐阜三輪スマートインターチェンジが開通いたします。
岐阜三輪スマートインターチェンジの近くには岐阜ファミリーパークがございますので、ファミリーパークを総合スポーツ公園にしようというビジョンを持って進めております。
また、岐阜インターについては、すでに岐阜薬科大学のキャンパス整備ということで岐阜大学の隣接地にすべて整備統合するという方針を掲げておりますので、こういった取り組みによって学術研究拠点を整備していくというような考えを持っております。
それから岐阜駅は2027年のリニア開通時に最も力を持つ駅でございますが、その両隣には西岐阜駅、長森駅といずれも岐阜市内で、岐阜駅から数分の距離に駅があるわけでございます。
したがって岐阜駅中心に物事を考えるだけではなくて、この西岐阜駅や長森駅にも大いにチャンスがあるという意識を持ちながらまちづくりを進めていきたいと思っております。
例えば長森ですと金町那加岩地線という各務原市とつながる都市計画道路を今年度より事業化しましたけれども、各務原と岐阜という東西の人の往来ということも非常に重要視し、可能性ある地域ということでまちづくりのイメージをしっかりと作りこんでいきたいということを考えております。
今中心市街地についてのまちづくりのビジョンを見える化しようということで準備をしておりますけれども、広く市民の皆様に岐阜市が今後どうなるんだということを知っていただき、共感していただく取り組みがまちづくりを進める主な力となると思っておりますので、様々な機会にどんどんと検討を重ねながら皆様にお伝えをしていきたいと思っております。
ということで、3つのテーマのお話をしましたけれども、ここからは少し大きなテーマとして自治体の取り組みのことに触れたいと思います。
まず、防災ということでございます。
去年も今年も大変風水害に悩まされる年でございました。
あるいは私の子どものころでは考えられなかった暑さということがございます。
したがいまして子どもたちの教育の環境と、災害時における避難所としての体育館ということで、このたび体育館のエアコンの整備ということを決断いたしました。
対象となる体育館は市内72館ございまして、1年2年ではできませんので、2024年度までに工事をして、25年の時点ではすべての体育館でエアコンが稼働しているようなスケジュールでございますけれども、こういったことも子どもの安心・安全と防災という観点で進めていきたいと思っております。
河川改修は水害の備えとしては非常に効果があるとわかっておりまして、昨年の7月豪雨の時に忠節や墨俣や芥見の地点で、それぞれに例えば河道掘削をするとかですね、樹木を切るとか、さらには特に墨俣では長良川河口堰建設と合わせて、マウンドを浚渫した効果が大変大きかったということでありまして、今後とも事前に治水を行っておくと被害を抑え込むことができるということでありますので、国交省にも引き続き岐阜の治水について要望をしっかり行っていこうと思っております。
具体的にどんな堤防の強化を行っていただいているのかお話ししたいと思いますが、ドレーン工というものを実施していただいておりまして、19年度には江崎北から鏡島、それから島校区の側で強化の工事をしております。
というのも昨年の豪雨では、川裏法面の崩れや基盤漏水が起こり、水防団の皆様にご活躍いただくようなことがございまして、越水や氾濫が起こらなかったからいいんだということではなくて、大雨が降って水量が出ますと堤防の弱いところはダメージを受けるということがわかっておりますので、そういったことも国交省にしっかりと要望しながら対応したいということであります。
2つ目、名鉄高架事業の推進ということであります。
すでに一部報道が出ておりますので、皆様方のご案内の通りでありますが、まず治水の面から少し触れたいと思います。
境川という川が流れておりまして、ちょうど名鉄が通っているところがボトルネックとなっておりまして、この名鉄高架事業が実現することによってこの治水に取り掛かれるということであります。
岐阜県も境川の治水については大変課題意識を持っていただいておりして、名鉄高架事業を行うことによって地域のまちづくりが進むということと同時に治水の長年滞っていたものも前に進むという、大きな効果がございます。
今月中に岐阜県と岐阜市と名鉄とで覚書を交わすことになっておりまして、事業の方向性やお互いの役割分担についてサインをして事業を進めていこうということです。
今年度末までに何とか都市計画決定を打っていただいて事業を始めていきたいと、こんなスケジュールでございます。
先般も関東で踏切の事故がございまして、大変痛ましいことですし、この名鉄の沿線にもですねボトルネックとなるような、危ない踏切がいくつもございますので、そういったものも除却が合計13か所でできるということで、大変期待をしているというところでございます。
それから岐阜市民病院でございますが、今年度から地方公営企業法の全部適用ということで、経営形態の見直しをさせていただきました。
実は市民病院もなかなか経営が大変でございまして、2014年に大きな赤字になっておりますが、その後なかなか黒字にならないという状況で推移をしております。
様々な経営形態がある中で消費税の増税や診療報酬の改定などを見据えたときに、やはり短時間で組織を変えて経営形態を見直せる方法ということで、全部適用にしたわけでございます。
冨田院長に病院の管理の責任者ということで着任していただいて、経営ということについてより意識を持っていただきながら病院経営を行っていただくということで取り組みをしております。
最近はいろんな意識の変革も出てきたということを聞いておりますけれども、今後大変厳しい環境ですけれども、どう経営が改善してくるかということを私としても見守っていきたいと思っております。
それから、中核市なのでいろいろな基礎自治体としての事業を抱えておりまして、ごみ焼却場を考えていかなければいけないということであります。
岐阜羽島衛生センターが稼働を停止しており、現在岐阜市のごみ焼却所は東部クリーンセンターが稼働22年目、それから掛洞プラントが稼働41年目ということで、2か所でごみの焼却を行っております。
東部クリーンセンターが全体の8割、掛洞プラントが2割ということでやっております。
しかし、いつまでもこの掛洞プラントに頼るわけにはいきませんので、岐阜羽島衛生センターを移転して羽島市さんで次期施設の建設に向けて今準備を進めているところでございます。
ただそうはいっても10年くらいかかりますし、その間には東部クリーンセンターも老朽化が進んでくるということで、常に10年20年先を見ながらごみ焼却場の整備を行っていかなければいけないというところでございます。
実は先般6月議会でお認めいただきまして、新しいごみ焼却場の施設について計画の策定をさせていただけるということで、岐阜市内のどこを候補地にするか、どんなものにするか等、様々な計画について議論をスタートしたというところでございます。
ごみ焼却場は、昨今の災害などを見ても災害廃棄物が出てきたりして、当然災害にも強いものでなければなりませんし、通常時だけではなく災害時にも大きな力を発揮する施設でありますので、これを何としても老朽化が進んでくる前に決めて事業を進めていくということも、大変重い課題でありますけれどもやっていこうと思っております。
それから、上下水道も大きな課題でありまして、下水道の利用コストが実は増えていっております。
それは下水道の普及率が上がってきているということで、今93.7%の普及率となっておりますけれども、下水道の排水量は10年間で5%減少しているという状況であります。
下水の利用の量が減るということは、これは下水道料金に跳ね返ってくる話でありまして、大変厳しい環境でございます。
岐阜市の下水道施設の老朽化がいかに進んでいるかというと、ようやく中部プラントが2007年に改築に着手して、今年の6月に完了いたしました。
ところが南部プラントと北部プラントもございまして、供用開始からそれぞれ53年・46年ということで、大変老朽化をしております。
したがってこうしたものを計画的に更新していくということもございますし、管渠についても2020年以降法定対応年数の50年を経過するものが続々と出てまいりますので、プラントのみならず管渠についても更新をしていかなければならないということに直面しております。
したがって、今年度「上下水道事業経営審議会」におきまして、下水道料金のあり方ということと経営戦略の策定ということをテーマに審議会でご議論いただきました。
その上で答申をいただいておりまして、改定率を11.58%、下水道料金を引き上げようということで答申をいただきましたので、これを議会にお諮りしたいということで、今準備を進めております。
料金の引き上げは大変心苦しいのですが、いかに我々が次の世代に向けて更新、入れ替えをしていくかということも、一定の財源を持たないと安定して行えないというところで苦渋の選択をしているというところであります。
これは全国の自治体はみな同じような課題を抱えており、先般も各務原市さんが料金の引き上げという改定をされておりますので、全国的にも大きな問題であります。
今般の災害では、下水道が合流式か分流式かということで大きな差があるということが報道でも出ていたと思います。
ただ大変ありがたいことに、岐阜市の場合は分流式ということでございまして、雨水と汚水は別でございますので、そういう意味で先人が初めから分流式の下水道にしていただけていたということは大変ありがたいことでございます。
大都市では合流式ということで、雨水も汚水も全部一緒に流れるんですけれども、それを分流式にするのはとてもできないという課題を抱えているそうです。以上代表的なテーマで、要は基礎自治体として避けて通れない、市民の安心・安全を守るという観点で、かつ予算を必要とする事業である公共施設を更新していかなければいけないという時代に入ってきている中で、防災に向けての取り組み。
それから名鉄高架事業は非常に前向きな取り組みですけれども、大きな予算がかかる事業ですし、病院も経営を安定させ、市民の大事な病院としてこれからも守っていかなければいけないというところでございますし、ごみ焼却場や上下水道も、絶対に止めるわけにはいかないという中で、先々を見て、相当お金もかかりますけれどもやっていかなければいけないということでございます。
というようなことを思いながら、2020年度は次のような予算編成の方針を政策のベクトルに掲げまして、予算編成の詰めを行っていきたいと思っております。
「こどもファースト」と「観光振興」、「中心市街地活性化と都市基盤整備」というのは、今年度と全く同じでございます。
毎年毎年これが全部変わってしまうということでは継続性ということにも関わりますので、この3本については私の大事な市政のベクトルだということで新年度も取り組んでいきたいと思います。
今年度はこれ以外に「広域連携」と「シティプロモーション」というものを掲げていたんですけれども、これはもちろん大事なことでございますので、継続して取り組んでいくとした上で、新たに「都市内分権の推進」と「寄り添う福祉&市民の健幸づくり」を掲げ、福祉の分野にもフォーカスをしていこうと今知恵を絞っているところであります。
例えば今、社会の中で生活困窮者の方や、引きこもりの方がいらっしゃるご家庭、ひとり親家庭で経済的にも教育的にも大変苦労しておられる市民の方など、様々な課題を抱えておられる方が岐阜市に大勢いらっしゃるという中ですので、いかにこういった皆様に寄り添いながら市民生活を支えていくかということも、様々なまちづくりの中での一つの大きな柱として重要ではないかという問題意識を持っておりまして、新年度はこういう問題に力を入れていきたいと思っております。
また、都市内分権の推進、これは新たな柱でございますけれども、今すでに各出先の事務所の業務拡大を順番に実施しており、今年は西部事務所で福祉のサービスを受けていただけるように拡充しましたし、昨年度は南部東事務所でそのようにしましたので、より地域の身近なところでサービスを受けていただける環境を作っていくという点もあります。
出先の事務所も老朽化していたり、待合いのスペースが足りないなどの課題があり、本庁だけではなくて地域の事務所にも市民の方がご来場いただいておりますから、そういったところにも目を向けながら、地域コミュニティである自治会やまちづくり協議会の活動も支援していこうといったことなど、岐阜市として行政だけではなくて地域の市民の皆様にいかに寄り添いながら地域の力をつけるということにも意を用いながら、予算編成をしていこうというのが2020年度の方針であります。
先ほど、2020年はいろんなチャンスがありますということでご紹介をさせていただきました。
2020年に集中させたということもあるし、ありがたいことにそういう機会に恵まれたということもありますが、一番の土台にあるものというのは、シビックプライドということを私は言っております。
市民の皆さんの地域に対する愛情や誇りということでありますが、この2020年に来る様々なチャンスというのはシビックプライドを高める絶好の機会なんだと、そういう意味でもこれは数々のチャンスがあるととらえております。
自分たちを語るときに、うちのまちには何もないと語るのか、それとも例えば岐阜城の本物がある、あるいは柳ケ瀬商店街で続々とまちづくりが進んでいると語るのか、これには大変大きな違いがございますし、子育ての環境一つをとっても何もない、支援してもらっていないと語るのか、いや病児・病後児保育送迎サービスが使えるようになった等、様々な面で市民の皆様に知っていただき、共感していただき、そのことを岐阜市民として誇りにしていただくのかでは、大きな都市としての力の差が出てしまうだろうと思いますので、限られた機会ではありますけれども、岐阜市のいろいろなことをこれからもどんどん情報を提供していきますので、皆様方にも様々な機会に岐阜市の魅力をお披露目いただきますことをお願い申し上げまして、私の講演は終わらせていただきたいと思います。
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