平成31年度 新規採用職員研修 市長講話(平成31年4月2日)

ツイッターでツイート
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1006464  更新日 令和3年8月31日

印刷大きな文字で印刷

おはようございます。
研修2日目ということでお疲れ様でございます。
新入職員の皆様に、まとまった時間お話をするというのは非常に貴重な機会だと思っています。
様々な機会に市長として職員に話をする機会がありますが、昨年度は職員の中で不祥事が相次ぎましたので、全12回にわたって、全職員に、この大会議室を中心にお話をさせていただく機会がありました。
ただ、通常は頻繁にお話しする機会があるわけではありませんので、今日は皆様にお伝えしたいところを余すところなくお話をさせていただきたいと思っています。
まず、私が市政運営の基本方針として、常に職員にお話をしているのは、1つ目は「オール岐阜のまちづくり」、2つ目が「対話による合意形成」、3つ目が「一年勝負」、4つ目が「こどもファースト」、5つ目が「働き甲斐のある職場づくり」。この5つです。
この「オール岐阜のまちづくり」というのは、地方自治はこの岐阜市役所が中心になって行うわけですけれども、行政の側だけが肩ひじを張って行ってもまちづくりは実現しません。
やはり主役は市民の皆様であるし、二元代表制である市議会もありますし、また地域の企業や団体といった様々なプレイヤーがこのまちの中には存在しているわけであって、こういったすべてのオール岐阜でまちづくりをするということです。
ですから私たち行政というのは、自分たちももちろん主体的にやるけれども、市民や地域の企業の皆様が自由に働きやすく、暮らしやすく活動していただけることを精一杯お支えする、プラットフォームのような形になっていくというのが理想であります。
市民の皆様が中心になって主体的に物事を考え、地域でどんなまちを作りたいかということで活動されることを私たち行政が応援する、アシストするというのが「オール岐阜のまちづくり」ということでありまして、常にそのことを意識しております。
2つ目は「対話による合意形成」ですが、これは例えば市長である私と各部の部長や課長といった職員、あるいは職員と市民、来庁者の方と接する中で、常に対話ということを心がけてほしいということです。
やはりお互いにきちっと自らの考えを持ち、それをテーブルの上に乗せて、対話をすることによってそこから最適な答えを導き出すことが必要だと思っています。
ですから私は市長として職員の様々な意見には耳を傾けるというスタンスですし、市民の皆様に対しても私たち行政に関わるものはしっかりと聞く耳を持って、その上で正しい情報をお伝えしなければいけないことはしっかりお伝えする。
そのように対話によって合意形成や理解というのを作り出していくというのがこの2つ目であります。
3つ目の「一年勝負」。
これは一年一年を大事にしようということです。
難しい問題や課題があると、先送りにするということが起こりがちですけれども、そうではなくて自分たちが抱えている課題と、それに対する解決策が明らかである場合には、思いきってその解決策に向けて一歩踏み出していくというスタンスで、2019年度もやっていこうと思っています。
これは市役所全体でもそうですが、皆様方がそれぞれ持っている仕事、目の前にあること、そういった中においても課題を先送りしたりすることなく、しっかりと解決策を見いだして前に進めるということをそれぞれの持ち分の中でも進めていただきたいと思っています。
4つ目の「こどもファースト」。
人口減少、少子高齢化社会でありますから、このまちがこれからも県庁所在地として持続可能なまちづくりをしていくためには、次世代に対する投資というのは何をおいても優先するべきことだと私は考えております。
そういった意味で「こどもファースト」ということを掲げて取り組みをしているわけで、少し政策的なことになりますが、私なりに大事にしていることというところで掲げさせていただいております。
5つ目、「働き甲斐のある職場づくり」。
市役所においても自死という道も選ばれた方が過去いらっしゃいました。
あるいはメンタルに病を持たれて休職している方もいらっしゃいます。
そういった中で働き甲斐のある職場を作ろうというのが私の就任以来の思いでございまして、それはもちろん幹部一同共有しているところであります。
3月末に退職された方の中には「私は入庁して40年頑張ってきました」という方もたくさんいらして、人生の長い期間をこの市役所で働いて送るわけであります。
同じ働くなら、同じ人生という大事な命を使うなら、皆様が人生をしっかりと幸せに生きられる、働き甲斐のある職場であってほしいと願うわけでありまして、もちろんセクハラやパワハラやモラハラ、こういうものは根絶ということを考えていますし、また昨年は若手職員のプロジェクトチームを作りまして、若い職員の発想や意見を政策の中で活かそうということで、プロジェクトチームに出していただいた政策のいくつかは、新年度予算に各部と話し合って出されておりますので、しかもこの政策は若手の職員が提案したものということを明示して出させていただきましたから、そういったことも含めて若い職員の思いが市政にも届くようにということも考えているところであります。
そういった市政運営の基本方針というのをはじめから明確にしておき、いつもこの原点にしっかりと立って市政というものが行われていくということを常々幹部職員にも伝えますし、職員の皆様とも共有していきたいと思います。
それでは2つ目に、2019年度の岐阜市としての予算の編成方針であります。
これには政策のベクトルというものを掲げまして、5つのベクトルを持っております。
1つ目は「こどもファースト」。
これは先ほど市政運営の基本方針にも入れておりますが、予算においてもこれを第一に掲げております。
2つ目は「観光振興」。
ご案内のとおり定住人口は減っていきますので、交流人口を増やすということと、それから2020年には大河ドラマの舞台にもなりますので、観光ということを通じて多くの方が岐阜に来ていただき、内外から評価をしていただくことによって市民の地域に対する深い愛着、シビックプライドを高めていこうという思いです。
3つ目は「中心市街地活性化と都市基盤の整備」。
中核市である岐阜市は、まだまだいろいろなことに投資できるだけの力があります。
ですから、今のうちにしっかりとまちの価値を高めるための投資を行っていきます。
柳ケ瀬の高島屋南の再開発もいよいよ始まり、この目途がつくとJR岐阜駅の再開発にもう一回戻っていきます。
さらにリノベーションまちづくりということもやっております。
社会インフラで言えば、国道156号岐阜東バイパスの中心くい打ち式が先日行われ、いよいよ岐阜市の岩田と関市の山田の間にバイパスが通っていく準備が進んでいますし、名鉄高架事業というものも、いよいよ今年度前に進むように岐阜県との調整をしていますし、県庁前の国道21号南部横断ハイウェイですけれども、これもいよいよどういう道路構造にするかということで前に進んでいます。
このように、岐阜のまちの価値を高めるというための様々な事業に積極的に取り組むことで、人口減少の時代の中でいかにまちとしての力や価値を高めておくかということが、これからの市政運営の中で重要だということを意識して積極的な投資をやっていくということです。
4つ目は「広域連携」。
近隣市町といかに連携しながらまちづくりを行うか、また、岐阜県と岐阜市との連携を通じて岐阜市政の前進を岐阜県政にも応援していただく、こういったことを意識しております。
5つ目、「シティプロモーション」。
岐阜市から愛知県に転出した方にアンケートを取っていまして、その結果が非常に衝撃的だったのでシティプロモーションということを大きな柱にしております。
岐阜市の様々な施策、例えば教育立市で英語教育を行っていること、中学生まで医療費は無料であること、まちなか居住に対して助成金を出しているということ等、岐阜市として力を入れてきた事業に対して、愛知県に転出した方の51.8%の人が全部知らないといって転出しているわけです。
ですから、いかに市民、さらには市外の方にこの岐阜の魅力や施策を伝えていくかということが課題だと思っています。
今まで私たちは様々な事業に予算をつけて実施するということには力を注いできたけれども、行政サービスは地域の皆様にしっかりとサービスを届けることが第一なので、どうしても伝える・伝わるということが二の次になっていたということで、思い切って力を入れようと新年度は大幅に予算を増額し、市内外に向けてのプロモーションを行うことで岐阜市の魅力をとことん伝えていこうということであります。
皆様方はそれぞれ各部に配属をされるわけですけれども、初めての試みとして、すべての部長に部内の職員にプレゼンをしてもらいます。
なぜかというと、部長と直接話をする機会がそれほどなく、部長がどんなことを考えているのかあまり聞いたことがないという声があります。
部長というのは民間企業でいえばそれぞれのカンパニーの長であり社長でありますので、部長における決裁というのはかなり大きなものがあるわけです。
ですから部長が1年間、部としてどんな課題を持っていて、どんな事業を行っていくのかを伝えていただきます。
それは予算に関わること、行政サービスに関わることだけではなくて、部のマネジメントをどう行うかということも含まれます。
例えば各部の中で今年は若手職員のプロジェクトチームを作りますので、その意見をどう吸い上げていくのかということもあります。
また、今、goodjobカードというのを去年から配っています。
課長が職員の、例えば来庁者に対する心配りや、仲間を手助けするといった、日ごろ光が当たっていないけれども本当は素晴らしいことを評価してカードを配るという制度を昨年度作りましたけれども、こういったことも通じていかに組織の中で職員同士のコミュニケーションをしっかりと取っていくかといったような、トップとしてのマネジメントに対する考え方、このビジョンを皆様にお話をしていただきます。
それぞれの部長がどんな思いを持っておられるかということをぜひ聞いていただきたいと思います。
この大きな意味は、私たち岐阜市というのがいったいどういう方向に進もうとしているのか、どんなビジョンを持っているかということを、幹部だけではなくて全庁、全職員が共有するということを大事にしていきたいということです。
それぞれ皆様が配属された先での仕事がこの岐阜市の中で大きな方向性を持っているわけですが、どのミッションでどの役割なのかということを一人一人に実感をしてもらいながら仕事をしてほしいということなんです。
今回初めての配属ですので、それぞれに思うことがあると思います。
若い時には様々な経験をして、その中で自分が最終的にはこの道だ、この分野で自分がリーダーになっていこうということをぜひ経験の中で見いだしてもらいたいと思っています。
適正はいろいろあると思いますので、自分はいったいその中でこの入庁した最初の配属で何をやるのがミッションなのかということを自分なりにしっかりと受け止め、奮闘していただきたいと思います。
3つ目、公務員としての心構えと期待することということであります。
まず地方公務員法より少し引用させていただきますが、第30条の服務の根本基準というところに「すべての職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」と書いてあります。
奉仕者ということですから、「市民のために」ということをいつも行動の原理においていただければ、これは自然と達成されるわけでありまして、いつも相手が何について困っているのかということを考えながら、さらには同じ職場の仲間同士でも、お互いに関心を払いながら仕事をしていただければと思います。
全体の奉仕者ということですので、皆様方には特に公平・中立・公正ということが求められます。
ですから、一党一派に偏することなくということを常に意識しながら、公正・中立な立場ということもぜひ気を付けていただきたいと思います。
第33条には、信用失墜行為の禁止ということで、「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」ということが書いてあります。
先ほど冒頭に触れましたけれども、2018年度は残念ながら職員の不祥事ということがありました。
一例を申し上げますと公金詐取ということがありました。
公金というのはまさに市民の皆様からお預かりをしている大事なお金でありますけれども、この岐阜市のお金に手を付けたということです。
当然逮捕されますし、報道にも出ます。
幹部も謝罪をするということで、非常に残念な事件で、私も市議会で冒頭に謝罪をするということになって新聞にも大きく出ました。
それから覚せい剤に手を出した、これは消防の職員ですけれども、そういう事件がありました。
これも当然逮捕されますし、新聞にも大きく取り上げられますし、消防長は非常にまじめな方でありまして、この年度末に退職されましたけれども本当に責任を感じられて、一切のお祝い事や会合をお休みになられて、最後までそのことを貫き通されていました。
そういったことは、普通の常識的判断であれば絶対にやってはいけないことで、周りに迷惑がかかる、自分の人生にも大きな損害を被る、何もいいことはありません。
でも人の弱さというのはそういうところに出てしまうということで、なぜ問題行動が起きるかというと、不満足な人間関係、これが大きな要因だと思っています。
ストレスもそうです。
何か自分自身にストレスがかかったり人とのコミュニケーションがうまくいかなかったり、職場の中で意思疎通が上手にいかなかったり辛いことがあったり、そういった時には周りの人と相談するなど、それを自分の中でぐっとため込むということではなく、助け合い、この不満足な人間関係にどう干渉するかということを是非意識してほしいと思います。
それから仕事の中で、これくらいでいいだろう、これくらいやっておけば大丈夫だろうと思うと、そこで大きな隙を突かれて落とし穴になるというようなことがあります。
公務というのは市民や関係団体、様々なところと関わっていますので、ちょっと手を抜いたり隙を見せると、結果的にそれが非常に大きな問題となって顕在化してくるということはあるわけです。
ですから、公務を担っているということはどれだけ大きな責任かということを日ごろ感じながら、常に最善を尽くしてほしいと思います。
そのためには日ごろの体調管理やメンタルの管理も大事でありますので、今は働き方改革という時代ですから、リフレッシュするときにはしっかりリフレッシュしてもらって、常に万全の体制で仕事に打ち込めるということを意識してもらいたいと思います。
第34条は守秘義務、「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」、これは当たり前です。
しかし、職務上知り得る情報を得て、良からぬことをした職員が去年はいました。
この地方公務員法には当たり前のことが書いてあるんですけれども、人生の本当に大事な期間を公務員として過ごす中にあって、当たり前のことを当たり前に守っていただいて、しっかりと幸せに人生を送ってもらいたいと願いますので、そういったことを意識していただきたいと思います。
最後に危機管理ということをお話します。
昨年は7月豪雨、それから台風21号等、災害についての危機管理が問われる1年でありました。
この大会議室は実は災害時には災害対策本部になります。
ですから台風のときなどもここに幹部をはじめ職員が集まって、全市的に情報収集をして様々なことを決めています。
この災害時における職員の行動ですけれども、各地域の自主防災組織というものが自治会連合会を中心に組織され、地域の公民館に避難所が設置されるわけですが、皆様はおそらくこの避難所の派遣職員に当たる方が多いのではないかと思います。
この派遣職員について、2019年度からは辞令を交付して職務命令として行っていただくことといたしました。
なぜかというと、皆様はそれぞれの担当課で仕事を持っています。
ただ緊急時には何をおいてもこの災害時における対応をしなければいけないわけで、そのことを職務として行動していただきたいと思います。
最後に皆様にお伝えしたいことがございます。
皆様は一度きりの人生の中で、これからの人生の貴重な時間を公務員として過ごすわけであります。
私は様々な機会、特に若い方に、人生とはというお話をする中で、人生というのはこういう方程式で成り立っているという話をします。
まず「先天的特性」。
それは皆様方が親から受け継いだもの、いろいろとあると思います。
これは先天的特性ですから自分ではアンコントロールです。
その次に「先天的特性×環境的側面」。
どんな家庭環境、社会環境で育ったか、これも皆様にとってはアンコントロールです。どの家庭に産まれ育つか自分では決められません。
そこに加えて「自己の選択」。
皆様は岐阜市役所に入るということをまさに自分で選択されたわけで、自らの意思でこの世界に入ってきたわけです。
これからも皆様の人生はすべて自己の選択によって物事が行われるわけです。
その選択をする時には当然それぞれの価値判断というのはあるわけで、先日上質世界ということを言いましたけれども、まさに皆様が常日頃いったい何を思考しているのか、これがとても大事だということです。
常に考えていること、思考していることが価値判断になり、その価値判断が自己の選択を見いだします。
ですから覚せい剤に手を出してしまうというようなことも、これを別に無理やりやらされたわけではなくて自己の選択をその人はしたということなんです。
私はいつも、一年間よりもっと先はこうあるべき、一年間、一か月単位、一週間、一日、一時間といった、期間ごとにこれをやるということを決めています。
市長の仕事は、分単位でスケジュールが入っています。
常にその限られた中で最大限のパフォーマンスを発揮して、目的を達成することが私にとって人生の幸せであり原動力であり、それがいつも価値判断で思考に入っています。
ですから皆様もこれから公務員として仕事をしていかれる中で、本当に一日一日、一時間一時間、今日は何をやるんだ、そこにはどんな目的があって、自分は何を考えているのか、そのことを本当に考えてもらいたいし、しかも常に思考と行動というのは一致させることが大事です。
どれほど計画し、これをやろうと思っても、自分の行動がてんでばらばらだったらまったく意味がありませんので、いかに自分の価値判断と思考と日ごろの自分の行動を一致させられるかということを考えていただけると、人生の目的、目標の中で描いてもらえるものには確実に近づいていくのではないかと思います。
それくらい本当に毎日毎日を大事にして、せっかく岐阜市役所で一緒に仕事をするわけですから、この市役所で退職する時に良かったなと思っていただきたい。
自分の人生を、自分の思いを描けて人生は充実してきたなということを考えられるように、これからの歩みをしっかりしていただきたいと思います。
いつも職員は家族だということを言っておりますので、とにかく素晴らしい公務員生活を送っていただきたいと心から願って、皆様へのエールとさせていただきたいと思います。
精一杯頑張ってください。これからよろしくお願いします。

より良いホームページにするために、ページのご感想をお聞かせください。

このページの情報は役に立ちましたか?

このページに関するお問い合わせ

広報広聴課
〒500-8701 岐阜市司町40番地1 市庁舎5階

電話番号
  • 広報ぎふ:058-214-2387
  • テレビ・ラジオ:058-214-2710
  • ホームページ、報道:058-214-2061
ファクス番号
058-262-6061

広報広聴課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。