マダニが媒介する感染症に注意

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ページ番号1004473  更新日 令和3年9月27日

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ダニ媒介感染症とは、病原体を保有するマダニに咬まれることによって起こる感染症のことです。人が野外作業や農作業、レジャー等で、これらのマダニの生息場所に立ち入ると、マダニに咬まれることがあります。マダニがウイルスや細菌などを保有している場合、咬まれた人が病気を発症することがあります。

マダニは、春から秋(3月~11月)にかけて活動が活発になりますので、ご注意ください。また、マダニのなかには冬季も活動する種類もいます。気温が下がってくる時期も注意が必要です。
マダニ(フタトゲチマダニ等)が媒介する感染症「ダニ媒介脳炎」や「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の発生が報告されています。

ダニ媒介脳炎とは

ダニ媒介性脳炎は、ウイルスを保有するマダニに咬まれることにより、感染する疾病です。また、感染した山羊や羊等の未殺菌の乳を飲んで感染することもあるとされています。通常、人から人に直接感染することはありません。
なお、一般的に、マダニは、沢に沿った斜面や森林の笹原、牧草地などに生息し、家の中や人の管理の行き届いた場所にはほとんど生息していません。
主なものとして、ロシア春夏脳炎、中央ヨーロッパ型ダニ脳炎があります。日本国内では、北海道において平成5年(1993年)に1例、平成28年(2016年)に1例、平成29年(2017年)に2例及び平成30年(2018年)に1例、発生が報告されています。北海道の一部地域ににおいてダニ媒介脳炎ウイルスが分布していることが明らかにされています。

潜伏期間:7~14日

主な症状:

  • 中央ヨーロッパ型脳炎では、発熱、筋肉痛などのインフルエンザ様症状が出現し、2~4日間続きます。そのうちの約3分の1は、髄膜脳炎に進展し、痙攣(けいれん)、眩暈(めまい)、知覚異常などがみられます。
  • ロシア春夏脳炎では、高度の頭痛、発熱、悪心などの後、髄膜脳炎に進展します。発症した場合の致死率は、中央ヨーロッパ型脳炎では1~2%、ロシア春夏脳炎は20%といわれており、回復しても数割の方で神経学的後遺症がみられます。

治療:特異的な治療方法はなく、対症療法となります。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome:SFTS)は、SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染する病気です。

潜伏期間:マダニに咬まれてから6日~2週間
主な症状:発熱、消化器症状(食欲低下、嘔吐、下痢など)
重症化し、死亡することもあります。

予防対策

マダニに咬まれないことが重要です。

春から秋(3月~11月)はマダニの活動が活発なので、特に注意が必要です。
※マダニと室内のダニは違います(室内のダニは眼に見えるサイズではありませんが、マダニ類は3~8mmあるため眼で見えます。吸血すれば1cm以上になります。)。

草むらや藪などに入る場合には・・・

  • 服装は、肌の露出が少なくなるようにする。
    • 長袖、長ズボンを着用する。
      (シャツの裾はズボンの中に、ズボンのすそは靴下や長靴の中に入れる等する)
    • 帽子、手袋を着用する。
    • サンダル等は避け、足を完全に覆う靴などを着用する。
    • 首にタオルを巻く。
  • 服は明るい色のものがお勧め(マダニが付着していないか目視で確認しやすいため)
  • 虫よけ剤(ディート)も補助的な効果があります(虫よけ剤の使用にあたっては説明書の注意書に沿って使用してください)。

草むらや藪などに入った後は・・・

  • 衣服や体の表面にマダニがついていないかよく確認する。特に、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などがポイントです。
  • 咬まれる前にシャワーなどで洗い流す。
  • 野外で着用した服は、放置しないですぐに洗濯したり、日光にあてて乾燥させる。

マダニに咬まれた場合

マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長期間(数日から長いもので10日間)吸血します。
無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚内に残り、化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまうことがあるので、吸血中のマダニに気が付いた場合は、医療機関(皮膚科・外科など)で処置(マダニの除去、洗浄など)してもらってください。
また、マダニに咬まれた後に、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱、食欲低下、嘔吐などの症状があった場合には、早めに医療機関を受診してください。

一般の方向け

医療関係者向け

関連ホームページ

ダニが媒介する感染症

ダニ媒介脳炎やSFTSのほかにも、ダニに刺されて感染する病気があります。

日本紅斑熱

マダニに刺されてから、2~8日後に、高熱、発疹、刺し口(ダニに刺された部分が赤くなり、中心部がかさぶたになる)が特徴的な症状です。発疹は手足などの末梢部から中心にむかって拡がっていくと言われています。かゆくなったり痛くなったりすることはありません。

ライム病

マダニに刺されてから、1~3週間後に、刺された部分を中心に特徴的な遊走性の紅斑がみられます。筋肉痛、頭痛、発熱などインフルエンザのような症状を伴うこともあります。

つつが虫病

ダニの一種であるつつが虫に刺されてから、5~14日後に、高熱、発疹、刺し口(ダニに刺された部分が赤くなり、中心部がかさぶたになる)が特徴的な症状です。発疹は体幹部を中心にみられると言われています。リンパ節が腫れることもあります。
治療が遅れると重症化したり死亡する場合もありますので、早めに医療機関を受診してください(上記「マダニに咬まれた場合」参照)。

クリミア・コンゴ出血熱ウイルスについて

クリミア・コンゴ出血熱ウイルスによる出血熱を特徴とする感染症です。このウイルスは、哺乳動物とマダニの間で維持されていますが、ヒトはウイルスを有するマダニに咬まれたり、ヒツジなどの家畜を解体する作業中に血液に触れたりした場合に感染します。患者体液との直接的接触でも感染することがあります。特異的な治療法はなく、死亡率の高い感染症で、特に、中央アジアや中東では毎年患者が発生しています。最近ではインドやパキスタンでも患者が報告されており、2016年にはスペインにおいて初めて患者が報告されました。
草の茂ったマダニの生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボンを着用し、サンダルのような肌を露出するようなものは履かないことなど、マダニに咬まれない予防措置を講じると共に、もし発症した場合には、早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
特に流行地へ渡航する際は注意してください。

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感染症・医務薬務課
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