令和4(2022)年度 新規採用職員辞令交付式(令和4年4月1日)
【市長】
皆さま、おはようございます。
また、ご入庁、誠におめでとうございます。
今回は新たに152人の職員の皆さまを岐阜市役所にお迎えすることができました。
皆さまと今日から一緒に仕事ができることを大変うれしく思っています。
私も、20年前になりますが2002年(平成14年)に、皆さまと同じように大学を卒業して社会人となり、この4月1日は人生の中でも特別な日だと思います。
今日はこうして皆さま同期が一同に会しています。
今回は違いますけれども、実はこのコロナ禍の当初において、こうした大きな一斉に集まる機会も非常に限られてしまい、同期の皆さまが共に最初は研修をしっかりと重ねて現場を経験していくわけですが、現場での研修という形になり、大変な時代の中を岐阜市役所の職員としてスタートした先輩もいます。
ぜひ、皆さまはこうして一堂に会することができ、共に研修を重ねながら現場に入っていきますので、同期というものをぜひ大事にしていただき、生涯の友として共に助け合いながら成長していただければ大変ありがたいと思います。
私は市政運営の基本方針というものを4年前に就任して以来、一貫して掲げています。
これは管理職の皆さまもよく知っていることですので、皆さまに改めて岐阜市の市政運営についてお話したいと思います。
まず1つ目は、「オール岐阜のまちづくり」です。
これは私たち岐阜市役所だけがまちづくりをしているわけではなく、官民の連携しかり、岐阜県との連携しかり、近隣自治体との連携しかり、ありとあらゆるまちづくりにかかわる皆さまとしっかりと連携するということ。
また、市民の皆さまとは協働というキーワードを通じて、共にまちづくりを行っていくこと。この「オール岐阜のまちづくり」というものを一番に掲げています。
2つ目が「対話による合意形成」です。
何事も私たちは行政という「行政サービス」を提供するとともに、権力というものを持っています、また、決定権も持っています。
こういったものを行使するにあたっては対話を通じて住民の皆さまと、地域の皆さまと、また関係各所の団体や企業の皆さまと、庁内も含めしっかりと対話を行ったうえで物事の合意形成を図っていくこと。常にコミュニケーションを大事にしてほしいと思います。
3つ目は、「一年勝負」です。
皆さまのこれから配属される所属長、特に部長と呼ばれる各部の責任者の皆さまには今日の午前中に私が直接指示書をお渡しいたしました。
そこには各部の取り組むべき課題が明記してあり、この課題に対して各部が問題を先送りすることなく、「一年勝負」というのは慌ててだだくさにやるということではなく、課題があれば課題を見定め、解決策を導き出し、果敢に解決に向けて挑戦していこうと、そういう意味の「一年勝負」です。
各部長の皆さまとは、各議会の前に必ずPDCAサイクルを回すように進捗を確認しながら対話を重ねて岐阜市の政策を実行に導いています。
4つ目は、「こどもファースト」です。
これは、岐阜市の政策のベクトルという新年度の5つのベクトルがあり、その中にも位置付けられていて、子どもたちを取り巻く様々な課題を解決することが、すなわちあらゆる社会課題の解決の突破口になるのだということです。
そして、子どもたちが暮らしやすい、生きやすいまちづくりを行うことが高齢者の方や、障がい者の方や、外国人の方や、あらゆる方にとって生きやすい社会になるのだと考えています。そのため、子どもを取り巻く課題についてはしっかりと解決していこうと、そこから突破していこうということがこの「こどもファースト」という方針です。
皆さまにも理解していただきたいと思います。
最後に、「働きがいのある職場づくり」です。
私は職員の皆さまは家族であり、市民の皆さまの幸せに貢献するパートナーですと伝えています。
皆さまはこうして今日から家族の一員になりましたので、特に管理職の皆さまはじめ先輩方にも様々な課題があれば相談をしていただきたいし、コミュニケーションを深めていただきたいと思います。
岐阜市ではワークライフバランスシートというものを作っていまして、皆さまの職員としてキャリア形成の希望のみならず、プライベートにおいても様々な節目で大事なことがあると思います。
そういったことをあらかじめ上司とお話していただいたうえで、仕事の配分などのいろいろなことを共有していただくことがそれぞれにとって大事だと思っていますので、職員は家族であり働き甲斐のある職場を作るということも岐阜市の大事な方針として受け止めていただきたいと思います。
さて、皆さまは今日から地方公務員になりました。
少し心得をお話したいと思います。
皆さまの使命は、まさに地方公務員として市民の皆さまの負託に応えることです。
これは市長である私と全く同じ立場であります。
そして全体の奉仕者であり、もちろん法令遵守等しっかりとルールを守りながら市民の皆さまに貢献していく大事な仕事です。
ぜひ、そのことを大前提としてしっかりと受け止めながら、今日からは公務員であるという重責を担っているという、そういう気持ちで皆さまのプライベートを含め、まい進していただきたいと思います。
その中で3点お話したいと思います。
まず1点目は、思いっきり勉強してくださいということです。
私は金融機関の出身ですけれども、1年目・2年目はとにかく勉強をしました。
勉強をしなければ仕事にならないからです。
このように叩き込まれました。
事務は100点満点で当たり前だと。
これは何を言っているかというと、人には必ずミスはあります。
それをとがめているということではなく、いわば実務とか事務ということは失敗すると市民の皆さまに大きな損失なり不利益を与えるわけです。
そのため、皆さまは1年目だ2年目だといっても市民の皆さまから見れば岐阜市役所の職員であり、信頼して仕事をお任せする、相談を受ける立場です。
これはベテランの職員だろうと皆さまだろうと同じです。
その負託、期待に応えるという意味で、しっかりと勉強して市民の皆さまに100%の行政サービスが提供できる、そのような心構えで頑張っていただきたいということです。
2つ目です。
感性や想像力をぜひ磨いてほしいと思います。
これは皆さまが生まれ持って備わっているものもあるし、様々な経験やトレーニングによって、あるいは日ごろの自分の考え方や思考のあり方によって鍛えられていく部分もあります。
なぜ感性や想像力が大事かというと、私自身も違和感を大事にしています。
皆さまも何か社会の中で生活していく中で、これまでの大学生活、あるいは仕事を民間でして今日岐阜市役所に来ておられる方もいらっしゃると思いますが、人間というのは感性の中で「あれ?」「おや?」「おかしいな」とか、何かあるなという気がつくことや違和感を覚えることがあると思います。
たいていその違和感というのは合っています。
その違和感があっても「まあいいか」といって流すと、あとでやっぱり問題があったということが多々あるわけです。
ですから、皆さまにはそういった感性や想像力をしっかりと日々磨いていただいて、違和感があったときに例えば事務の誤りに気がつく、市民の方がこういうところでつまずいておられるのかなということにピンと気がつく。
そういった様々なことを、皆さまが人間として持っておられるものを、公務員として活かしてほしいです。そういう力を日々身に着けてほしいと思っています。
そして、感性や想像力は、相手に対する思いやりや、仲間がどうも体調がおかしいのではないかということにも気がつく大きな力になります。
3点目です。
岐阜市役所では、この間、私が指示を出しまして、例えばデジタルトランスフォーメーション、働き方を一つずつ変えてきました。
それから、内部統制推進課というものを作り、皆さまが配属される現場でマニュアルを整備し、誰がどの部署で仕事についてもその仕事のやり方がわかるという環境を整備するよう努めてきました。
また、そのことが適正に行われているかを内部統制推進課がいわゆる内部監査を行って現場の指導にもあたるという体制も作りました。
これは、なぜそういう体制を作ったかというと、皆さまを守るためです。
適正な事務が執行されなければ、それが市民の皆さまの生命にかかわることになります。
あるいは、財産にかかわることになります。
それくらい行政サービスというのは非常に重要だということを皆さまにしっかりと認めていただいて、それを支えるのが整備をしてきたマニュアルであり、また内部統制という仕組みですので、こういったことを岐阜市役所も常に成長しながら、アップデートしながら、組織の改編に努めてきましたので、皆さまも現場で気がつくことがあれば、ぜひフィードバックしていただきたいと思います。
最後にクレド・ノートについてお話したいと思います。
岐阜市職員クレド・ノートというものがあります。
これは、民間企業でもこういった類似のものがあるかと思いますが、本市の皆さまの先輩の若手職員が一生懸命に議論をしてこのクレド・ノートを作り上げてくれました。
ここには皆さまの心得だとか法令に関すること、様々な岐阜市のルールが書いてありますけれども、またこれが配られたら見てほしいと思います。
一番大事なことは、26ページのところに、いわゆる通常の企業のこういったものにはあまりない、しかし成長している最先端の企業はこういうページを必ず持っているというページを岐阜市のクレド・ノートにも入れております。
26ページのところに、「ひとりの社会人として、自分を振り返りましょう」ということで、「あなたの人生における理念・ビジョンは何ですか?」というような各コーナーを作っております。
これが皆さまに配られたら、ぜひ自分の人生の理念・ビジョンは何なのか考えて、きっと就職活動のときには自分なりに自己分析をしていろいろなことを考えたと思います。
ここにぜひ書いて明文化してほしいと思います。
私の人生理念は「貢献」、人生ビジョンは「人々の幸せに貢献する」です。
そのために岐阜市長という仕事をさせていただいています。
この人生理念やビジョンは、皆さまが様々な仕事をしながら人生の中で迷うとき、自分は何のために地方公務員になったのか考えるときに必ず立ち戻る原点だと思います。
また、この人生理念・人生ビジョンは皆さまの人生の目的そのものですが、この目的そのものが明確であれば、万が一、人生を誤ることもありませんし、人に迷惑をかけることもありません。
ここの部分の土台をしっかりと作って、まだそこが不明確だという方はこの機会にぜひ自分はいったい何なのだと、何者なのかと、自分の人生の目的は何かということを考えるきっかけにしていただいて、これからの長い岐阜市役所での人生が今日から始まるわけです。
そして、人生100年時代でありますから、退職後も長い人生が待っています。
この人生の旅路を走り切るうえで、この人生の理念・ビジョンが大きな力になると思いますので、ぜひこれを書いていただいて、私はそういうことを大変重視しています。
また、職員とのいろいろな対話の中でもそういった話をしたいと思っております。
そういうお互いの信頼関係の中で、ともに家族としていい仕事ができることを心から願い、皆さまの成長や活躍を応援するひとりとして、激励のあいさつに代えさせていただきます。
では、これから皆さま仕事が始まりますので、一緒に頑張りましょう、よろしくお願いいたします。
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