令和5(2023)年度予算編成方針説明会(令和4年10月12日)

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ページ番号1018823  更新日 令和4年10月25日

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令和5(2023)年度予算編成方針

ただいまから、令和5年度の予算編成に向けてその考え方についてお話いたします。
まず、岐阜市の現状ですが、ご案内のとおり、人口減少・少子高齢化が進んでおります。
2005年から現在までに、すでに現役世代だけでも5万人の人口減になっており、この流れが加速しております。
そのため、この少子化・高齢化の時代をいかに持続可能な社会にしていけるのかが、施策の立案においてプライオリティが高まっており、これまで社会動態に注目をしてきました。
特に、コロナ禍前と比べて20代・30代の転出超過は改善してきています。
40代はコンスタントに転入超過が継続し、社会動態はプラスということですので、これからもこの20代・30代の若い世代、子育て世代がより改善をしていくように岐阜市の魅力を向上していくことを考えていただきたいと思います。
この3年近くコロナ禍が続いてきました。
皆さまの協力をいただいて、2020年の当初から第7波まで一つひとつ乗り越えてきました。現在、第7波は終息に向かっておりますが、第8波という声もあります。
これからも岐阜県としっかりと連携をして、市民の皆さまの生命・健康を守るとともに、社会経済活動をしっかりと行って生活を支えていきたいと思っています。
その中で特に2つのリスクがあり、ひとつは物価高で、もうひとつは自然災害です。
これまでも物価高騰については国の交付金を活かしながら、例えば現在行っているキャッシュレス決済を活用したポイント還元や、先般の9月議会でもお認めいただきました子育て生活応援事業など、必要な施策をこれからもしっかりと実行していきます。
もうひとつの自然災害は、いまや気候変動の影響をどの地域に住んでいても受ける時代となり、令和4年9月には台風14号により4年ぶりに災害対策本部を立ち上げました。
これからもいつ何時大きな水害に見舞われるとも限らないという前提のもと、日ごろから取り組む必要があると思います。
こういったことも念頭に、各部関係の予算をしっかりとあげていただきたいと思います。
令和4年度市民意識調査によると、「あなたは幸せだと感じますか」という問いに対し、「思う」という方と「どちらかといえば思う」という方で、あわせて81.4%という結果でした。
市民の皆さまの8割強の方が幸せを実感いただけていますが、今はウェルビーイングという時代であり、市民の皆さまが継続して幸せだと感じていただけることを大事にしたいと思います。
それから、ひとつ注目をいただきたいのが、「岐阜市のことが好きですか」という問いです。「幸せだと感じますか」との問いよりもやや低い79.7%の方が、「思う」または、「どちらかといえば思う」という回答でした。一方で、「どちらともいえない」という方が17.3%いらっしゃいます。
「幸せだと感じますか」という方は88.7%ですから、どちらともいえないという方にやっぱり岐阜のことが好きだと感じていただきたいなと思っております。
現在、シビックプライド、岐阜市民であることに誇りを感じますかということを私は大事にしておりますが、その手前の段階である岐阜市のことが好きであるかということはとても大事ではないかと考えています。
そのため、岐阜市が好きであるという市民の方がどんどん増えて、さらに幸せだと感じる方も増えていくことで、この地域に対する愛着や誇りも深まっていくのではないかと思っています。
このように数値・データをしっかりと定点観測しながら、いろいろな施策を講じていったときに市民の皆さまの意識調査の結果がどのように変化していくのかをよく見ていきたいと思います。

予算編成の考え方 3つのキーワード

EBPM 証拠に基づく政策立案

次に、令和5年度の予算編成の考え方に対して3つのキーワードで5つの政策ベクトルを進化させていきたいと思っています。
まずひとつめのキーワードは、エビデンスを大事にする「Evidence-based Policy Making (EBPM)」です。
少子化・高齢化の時代の中、大変限られた厳しい財政状況の中で、いろいろな施策を講じていく必要があります。
市民の皆さまの貴重な税金を使って私たちは施策を実行していきますが、効率性・効果性に重きを置くというワイズスペンディングという考え方をしっかりと持って、その実現のために正しくデータを収集・分析してエビデンスを作っていくことが重要です。
そして、それらのデータやエビデンスに基づいて施策を立案していただくことが大事になります。
また、このEBPMの考え方で施策を立案していく一方で、エビデンスを見た結果、施策を柔軟かつ迅速に見直すことも重要になります。
そのため、今回の予算編成ではしっかりとエビデンスを見てもらったうえで施策を作ることと、施策を見直すことをあわせて行っていただきたいと思います。
もちろんデータに反映されてこない様々な市民の皆さまの声もありますので、こういったことにもしっかりと意を用いていただいて施策を作っていただきたいと思います。

行政手続DX デジタル・トランスフォーメーション

2つ目のキーワードは「デジタルトランスフォーメーション(DX)」です。
これまでも行政経営会議等でDXの推進について市民の皆さまの利便性の向上や行政の効率性を高めていこうと「Gifu DX-P(プロモーション)」の実践を行っております。
特に、行政手続きについては令和4年度・令和5年度に原則オンラインでできる形を目指していくため、先行して粗大ごみの受付についてはオンライン化をこの10月1日からやっていただいておりますが、このような行政手続きをどんどんDX化をしていく方向性で予算をあげていただきたいと思います。
また、大事なことは行政だけではなく、地域の民間企業の皆さまと、地域コミュニティにおいてもこのDX化によって様々な恩恵を得られる、あるいは成果をあげていけるのではないかという点です。あわせて、デジタル・デバイドの解消に取り組むことも当然必要なこととして考えていただきたいと思います。

GX グリーントランスフォーメーション

3つ目のキーワードは「グリーントランスフォーメーション(GX)」であり、環境についてです。
先ほどから話しているとおり、気候変動によって大きな被害が出ておりますが、地球の温暖化・脱炭素化ということは地球全体の課題であり、私たち基礎自治体にとっても重要なテーマです。
ごみ減量・資源化指針や、地球温暖化対策実行計画、また気候変動適応計画といった計画に基づいて、中小企業の皆さまの取り組みを支援するということ、市民の皆さまにもライフスタイルを転換していただいて、この地球温暖化対策を私たちの日ごろの生活の中でも実践していくことを施策の中に盛り込んでいただきたいと思います。
以上、3つのキーワードを縦軸としながら、令和5年度は令和4年度と同様に「こどもファースト」「ワークダイバーシティ」「中心市街地活性化&社会基盤整備」「共助・共生社会&環境」「寄り添う福祉&健幸」の5つの政策ベクトルを横軸とする予算編成をお願いします。
そして、これらの施策をしっかりと裏付けるものは「堅実な財政運営」であり、それも踏まえた考え方で予算編成を行っていただきたいと思います。

5つの政策ベクトル

こどもファースト

ここからは政策のベクトルについてお話します。
ひとつめは「こどもファースト」です。
市民意識調査では、「子どもたちにとって教育環境の充実したまち」や「子育てのしやすいまち」について、それぞれ平均を上回る3以上であり成果をあげてきているといえると思います。
一方で、「大学や専門学校などの高等教育環境の充実したまち」については、3を下回っています。
我々の地方創生にとって人材育成は不可欠でありますので、高等教育の充実から地域を支える担い手づくりにも力を注いでいかなければならないと考えています。
再三いろいろな機会にお話ししておりますが、あらゆる社会課題の突破口となるのが「こどもファースト」です。そのことを念頭に、教育においては、まずいじめ重大事態から改定した教育大綱の具現化を毎年度進めておりますが、そのことを令和5年度にも取り組んでいただき、個別最適な学びですとか、多様な学校形態、教育のDXなど「教育を土台とするまちづくり」を進めていただきたいと思います。
それらに加え、人材育成のための高等教育という部分にもしっかりと光を当てていただきたいと思います。
また、通学路等の安全対策はもちろんですし、子育て世代の仕事と家庭の両立支援など、様々なライフステージに応じた総合的な取り組みを子育て支援を中心に行っていただきたいと思います。

ワークダイバーシティ

2つ目は「ワークダイバーシティ」です。
「ワークダイバーシティ」の分野では、特に働くに関する項目のすべてで、実は平均の3を下回ってロースコアであり、私は、この分野が岐阜市の弱点だと考えています。
しかし、逆にいうと、この弱点分野をしっかりと伸ばしていくことが、魅力ある岐阜市を作る方策だと思っています。
すべての人に働くという居場所と出番を作ることが人々の幸せになるのだという考え方で、この「ワークダイバーシティ」を進めています。
働きづらさや生きづらさを感じている方々が働くことを通じて居場所と出番を作り、幸せを実感できる施策を令和5年度も継続して取り組んでいただきたいと思います。
また、デジタル技術を積極的に活用して、柔軟で多様な働き方を市民の皆さまが選択をしていただける、それぞれのライフスタイルや特性を踏まえて多様な働き方ができることによって幸せを感じられる、そんなまちを作っていきたいと思います。
また、DXというキーワードのもと、民間企業のDXを実現していくことや、スタートアップ支援、また地域での働く場の創出など、地域経済をしっかりと成長させていきたいとも考えております。

中心市街地活性化&社会基盤整備

3つ目は「中心市街地活性化&社会基盤整備」です。この分野では、「中心市街地のにぎわいが高まっている」という項目について注目し、年代別の回答の状況を分析すると、若い世代の数字が高く、人生の先輩方は非常に数字が低いという結果となり、年代によって顕著な差があります。
これは、例えばサンデービルヂングマーケットや、先般のジュラシックアーケードもそうですが、岐阜のいろいろな中心市街地に来ていただく機会が多い方々は再開発が進んできていることを実感していただいているものの、そういう機会がなかなかない方はまだまだこの中心市街地が、今、動き出していることを実感されていないと考えられますので、引き続き再開発やリノベーションまちづくりなどをしっかりと進めていく必要があると思います。
すでに金公園のセントラルパーク化など、公共空間の活用を進めておりますが、今後の柳ケ瀬広場整備や、道路空間の利活用など、公共空間の積極的活用をしていき、あらゆる世代の皆さまに中心市街地に足を運んでいただいて、岐阜が動いていると、まさにこの数字が高く伸びてくるように取り組んでいただきたいと思います。
積年の課題である再開発事業や、名鉄名古屋本線鉄道高架化事業などを進めるということと、この公共空間活用は官民連携がキーワードでありますので、公共空間を形成するのは我々公共セクターだけではなく民間の皆さまや市民の皆さまにいかに公共空間を活用していただいて、それが地域の活力につながっていくのかを念頭に置いてほしいと思います。
また、DXの考え方のもとデータやデジタル技術等を積極的に活用していただき、DX活用が例えば交通の分野だったり、観光の分野だったり、様々な分野の課題解決につながってくるというふうに考えています。

共助・共生社会&環境

4つ目ですが、「共助・共生社会&環境」です。
この分野では、自治会の地域活動等、一定の評価をいただいておりますが、先ほどお話したように気候変動の時代ですから、防災の観点からも地域コミュニティはこれまで以上に重要な役割を果たすと考えています。
そのため、DXを活用して地域のつながりを高めたり、地域コミュニティの様々な活動を活発にしたりすることが大事ではないかと考えています。
もうひとつの注目項目として、男女が平等に生活や活動のできるまちが平均以上の調査結果となっており、さらに活動しやすいまちを目指して、ジェンダーギャップの問題などに取り組み、岐阜市においてはすべてのひとに居場所と出番があるということは、性別など関係なく活躍ができる、活動できるまちにしていく、そういった施策も考えていただきたいと思います。
特にこの2年半から3年弱の間、コロナ禍でいろいろな地域コミュニティの活動が制約されてきました。
私も先般、地域の市民運動会にも参加しましたが、コロナ禍でもいろいろな創意工夫をして、例えば小学校の運動会を防災訓練と一緒に開催するなど地域の創意工夫によって、コロナ禍でも地域コミュニティを守る活動ができている一方で、いろいろな声があって市民運動会が中止になっている地域もたくさんあります。
そのため、地域コミュニティに対して地域活動や災害時におけるデジタル技術の活用を図って、地域のDXを推進しながら、住民自治という力を地域の皆さまにしっかりと養っていただきたいと思います。
現在、まちづくり協議会において各地域のビジョンを作っていただいておりますが、自分たちの地域の課題が一体何なのか、どういったことをしなければいけないのかなど、しっかりと将来像を作り上げていただき、またDX化などを通じてそういった活動を我々が後押しをしていくことをやっていきたいと思います。
先ほど触れましたが、我が国の大きな問題はジェンダーギャップの解消です。
男性も女性もともに助け合い活躍できる社会を作っていくために、様々な分野においてジェンダーギャップの問題を解消していかなければならないことを念頭に施策を講じていただきたいと思います。
また、脱炭素化の取り組みも循環型社会のためには必要であり、私たちの社会が抱えている様々な社会課題を解決するということがこの「共助・共生社会&環境」の重要な切り口であると思っています。

寄り添う福祉&健幸

5つ目は、「寄り添う福祉&健幸」です。
この分野では、高齢者や障がいのある方にとって暮らしやすいまちや、障がいのある方への理解や配慮のあるまちの2項目は、平均以上の結果が出ておりますが、これはもちろん高齢者や障がいのある方だけが回答しているわけではないので、まだまだ高齢者の方、障がいのある方、様々なハンディキャップのある方にとって暮らしにくさというものが私たちの社会の中にあるのではないかと考えています。
その前提にたち、制度の狭間にある支援のニーズをしっかりと受け止めて取り組むことで「寄り添う福祉」を実現していきたいと思います。
そこで大事にしたいのは、令和4年度からスタートした重層的支援というものをより一層推進し、きめ細やかに、また制度の様々な狭間の中で支援から抜け落ちてしまっているところを支援することです。
また、超高齢化社会という中においては終活支援というニーズも出てきており、それらに対応する施策の立案や、令和4年度からスタートした保健事業と介護予防の一体的実施についても様々なデータをしっかりと分析して、まさにこれこそEBPMの代表選手と言えるわけですが、具体的な施策を講じていく必要があります。
デジタル技術をしっかりと活用して、本当に必要な方に必要な支援や助言が届いていくという健康づくりに取り組んでいきたいと思います。

堅実な財政運営

最後になりますが「堅実な財政運営」に関して、中期財政計画では、大型プロジェクトなどしっかりと「岐阜を動かす」施策を実施するとともに、当然抑えるべき支出は抑えていくこととしています。
また、公共施設等マネジメント条例も議会で議決をいただきましたので、こういった条例に沿って基金も創設しておりますが、大事なポイントは、民間活力を積極的に活用するということを各部の施策の中で考えていただきたいと思います。
つまりは、市民の皆さまの市税という大きな税収があり、さらに国・県からの様々な支援金や負担金がある一方で、いわば公共のこういった税などでは一定の限界があるという中で、いかに民間活力を積極的に活用して、企業版のふるさと納税や、民間が事業に積極的に乗り出してくれるような施策を考えてやっていただきたいと思います。
そのことが限られた財政の中で堅実な財政運営をする大きな力になり、また、そもそも民間活力を活用することによって民間企業の皆さまにも力をつけていただき、我々の公共セクターを支える大きな原動力になっていただきたいと考えております。
市民の幸せのためにというウェルビーイングの時代に、市民の皆さまには究極には幸せだと感じていただけることが一番でありますので、いよいよ令和5年度に向けた当初予算編成が正式に始まっていきます。
各部において、先ほどのキーワードとベクトルをしっかりと意識して予算編成に取り組んでいただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
以上です。

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