主な動物由来感染症

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ページ番号1002885  更新日 令和3年8月31日

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動物由来感染症の感染経路

動物由来感染症における病原体の感染経路は、動物から人間に直接うつる直接感染と感染源である動物と人間との間に何らかの媒介物が存在する間接感染の大きく2つに分けることができます。

感染経路 具体例 動物由来感染症の例
直接感染 咬まれる 狂犬病、カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症、パスツレラ症
ひっかかれる 猫ひっかき病
触れる トキソプラズマ症、回虫症、エキノコックス症、クリプトコッカス症、オウム病、ブルセラ症、皮膚糸状菌症、サルモネラ症、コリネバクテリウム・ウルセランス感染症
間接感染
ベクター媒介
ダニ類 ダニ媒介脳炎、日本紅斑熱、つつが虫病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
日本脳炎、ウエストナイル熱、デング熱、チクングニア熱
ノミ ペスト
ハエ 腸管出血性大腸菌感染症
間接感染
環境媒介
水系汚染 クリプトスポリジウム症、レプトスピラ症
土壌汚染 炭疽、破傷風
間接感染
動物性
食品媒介
腸管出血性大腸菌感染症、E型肝炎、カンピロバクター症、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)
鶏卵 サルモネラ症
乳製品 牛結核、Q熱、ブルセラ症
魚肉 アニサキス症

動物由来感染症の病原体

動物由来感染症の原因となる病原体には、大きいものでは数センチ(時には数メートル)もある寄生虫から電子顕微鏡を用いなければ見ることのできないウイルスまで、様々な病原体があります。また最近では従来の微生物の概念とは異なるプリオンという異常タンパク質までもが動物由来感染症の原因となることが分かっています。

病原体 引き起こされる感染症の例
ウイルス 狂犬病、日本脳炎、ウエストナイル熱、デング熱、チクングニア熱、ダニ媒介脳炎、E型肝炎、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、高病原性鳥インフルエンザなど
リケッチア・クラミジア 日本紅斑熱、つつが虫病、オウム病など
細菌 Q熱、ペスト、サルモネラ症、レプトスピラ症、猫ひっかき病、ブルセラ症、カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症、コリネバクテリウム・ウルセランス感染症、カンピロバクター症、炭疽など
真菌 皮膚糸状菌症、クリプトコッカス症など
寄生虫 トキソプラズマ症、回虫症、エキノコックス症、クリプトスポリジウム症、アニサキス症など
プリオン 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)など

主な動物由来感染症

狂犬病

病気の特徴(症状)

通常1~3か月の潜伏期間の後に発症。初期は風邪に似た症状で、咬まれた部位に知覚異常が見られる。不安感、恐水症、興奮、麻痺、錯乱等の神経症状が現れ、数日後に呼吸麻痺で死亡する。発症してしまうとほぼ100%死亡する。

感染経路・感染状況

感染した犬、猫、アライグマ、キツネ、スカンク、コウモリ等に咬まれる等唾液中のウイルスが体内に侵入することにより感染する。

日本では1957年を最後に国内の動物での発生はないが、2006年、海外で犬に咬まれて感染し、帰国後に発症して死亡した方が2名確認されている。世界のほとんどの地域で発生しており、狂犬病による死者は年間6万人と言われている。特にアジアとアフリカでの発生が多い。

予防

  • 海外ではむやみに動物にさわらない。
  • 渡航先で狂犬病のおそれのある犬等に咬まれたら、すぐに傷口を石けんときれいな水でよく洗い、速やかに医療機関で傷の処置と治療、狂犬病ワクチンの接種等をうける。
  • 狂犬病の流行国で犬に接する機会がある場合、渡航前にワクチンを接種しておく。
  • 犬、猫、アライグマ、キツネ及びスカンクを輸出入する場合は必ず検疫を受けさせる。

エキノコックス症(多包条虫症)

病気の特徴(症状)

エキノコックス条虫の虫卵が口から入ることで感染する。虫卵は腸の中で幼虫になり、その後肝臓に寄生して、包虫となって発育・増殖する。感染後、数年から十数年ほどたって自覚症状が現れる。初期には上腹部の不快感・膨満感の症状で、さらに進行すると肝機能障害を起こす。

感染経路・感染状況

日本では、北海道のキタキツネが主な感染源で、フン中にエキノコックスの虫卵を排出する。北海道で放し飼いをして感染した犬もキタキツネ同様に感染源となる。本州でも、2005年に埼玉県で、2014年、2018年に愛知県で犬の感染例が確認されている。

人はエキノコックスの虫卵が手指、食物や水等を介して口から入ることで感染する。人は血清等で検査可能であるが、治療は外科手術が必要となる。犬は糞便で虫卵検査が可能。

【参考】厚生労働省ホームページ

予防

  • キタキツネ等との接触をできるだけ避け、外出後は手をよく洗う。
  • キツネを人家に近づけないよう、生ごみ等を放置せず、エサを与えたりしない。
  • 山菜や野菜、果物等もよく洗ってから食べる。
  • 犬も感染した野ネズミを食べて感染するため、放し飼いをしない。

レプトスピラ症

病気の特徴(症状)

5~14日の潜伏期の後に、38~40℃の発熱、悪寒、頭痛、筋肉通、結膜充血等の初期症状で発症する。重症の場合は、発症後5~8日目に黄疸、出血、腎機能障害等の症状が現れる。

感染経路・感染状況

保菌動物(犬、ネズミ等)の尿中に菌が排出される。感染動物の尿に触れたり、尿に汚染された水や土等から皮フや口を介して感染する。全国で散発的に発生しているが、地域によっては集団発生も報告されている。

予防

  • ネズミに駆除等のレプトスピラ保菌動物への対策や衛生環境を改善する。
  • 感染の可能性のある動物と接触する場合は手袋やゴーグル等を着用する。

オウム病

病気の特徴(症状)

突然の発熱(38℃以上)で発症。咳が必ず出て、痰を伴う。全身倦怠感・食欲不振・筋肉痛・関節痛・頭痛等のインフルエンザのような症状。重症になると呼吸困難・意識障害を起こし、診断が遅れると死亡する場合もある。

感染経路・感染状況

インコ、オウム、ハト等のフンに含まれる菌を吸い込んだり、口移しでエサを与えることによって感染する。2005年、国内の動物展示施設で従業員や来場者の間の集団感染があった。

予防

  • 鳥を飼う時は、鳥かごないに羽やフンが残らないよう常に清潔を心がける。
  • 鳥の世話をした後は、手洗い、うがいをする。
  • 病気の鳥から大量の菌が排せつされるので、鳥の健康管理に注意する。
  • 口移しでエサを与えない等、節度のある接し方が大切。
  • 鳥を飼っている人が治りにくい咳や息苦しさ等の症状を感じたらオウム病を疑って受診し、鳥を飼っていることを医師に伝える。

サルモネラ症

病気の特徴(症状)

感染した人の多くが胃腸炎症状を呈するが、無症状のこともある。まれに菌血症、敗血症、髄膜炎等の重症となり、ひどい場合には死亡することもある。

感染経路・感染状況

通常サルモネラ症は汚染された食品を介して感染するが、爬虫類等の動物との接触を通じて感染することもある。国内外の文献によると、カメ等の爬虫類の50~90%がサルモネラ菌を保有している。日本でも子どもがペットのミドリガメから感染し、重症となった事例がある。

予防

  • ペットの飼育環境を清潔に保ち、特に下痢をしている動物や爬虫類の世話をした後には石けん等を使って十分に手を洗う。
  • カメなどの飼育水はこまめに交換する。水を交換するときは排水ににより周囲が汚染されないように注意する。

カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症

病気の特徴(症状)

主な症状は、発熱倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛等。まれに重症化して、敗血症や髄膜炎を起こし、播種性血管内凝固症候群(DIC)や敗血症性ショック、多臓器不全に進行して死に至ることもある。患者の大半が40歳代以上で、男性が70%近くを占める。

感染経路・感染状況

犬や猫等の動物の口の中に普通に見られる細菌で、主に咬傷・掻傷から感染する。

予防

動物との節度ある触れ合いを心がけ、咬まれたり、引っ掻かれたりしないよう気をつける。

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