令和6年度 第2回生物多様性シンポジウムを開催しました

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ページ番号1030854  更新日 令和7年2月13日

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イベントカテゴリ: 講座・講演・教室 生活・環境

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1月25日(土曜日)、みんなの森 ぎふメディアコスモスで、令和6年度第2回岐阜市生物多様性シンポジウムを開催しました。

本シンポジウムは、生物多様性の保全などについて市民の皆さんと一緒に考えるイベントとして開催しています。今回は、53名が参加され、「木曽三川の生物環境と水族館の保全活動」と題し、木曽三川に生息する水生生物についてや水族館での保全活動について、世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふで、展示飼育を担当する波多野氏に講演していただきました。

開催日

令和7年1月25日(土曜日)

開催時間

午後2時 から 午後4時 まで

開催場所

かんがえるスタジオ

対象

市民

内容

講演「木曽三川の生物環境と水族館の保全活動」
 世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふ 波多野 順 氏

 

トークセッション

 世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふ 波多野 順 氏

 NPO法人森と水辺の技術研究会 水﨑 貴久彦 氏

講演

講演「木曽三川の生物環境と水族館の保全活動」
世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふ 波多野 順 氏

木曽三川に生息する生きものについてや、岐阜市を含む中部地方は他の地域に比べて、淡水魚の種類が多いなどの特徴について教えていただきました。海と違って川は生息範囲が狭いことから、その中で生きものたちが生き残るために適応してきた結果、多様な淡水魚が生息する環境となったそうです。

その他にも、淡水魚が水生昆虫ではなく、陸上の昆虫を多く食べており、その原因が、ハリガネムシに寄生された昆虫が川に飛び込んでいるからということが調査から明らかになったという話もしていただきました。

参加者の方々からは、「ハリガネムシが生態系で役割があることを初めて知りました。」「生息域の保全が大切なことを学びました。」「人間の生活が生態系に与える影響が多いことを再確認しました。」などのご意見をいただきました。

波多野氏の講義の写真です。

波多野氏の講演の様子

トークセッション
世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふ 波多野 順 氏
NPO法人森と水辺の技術研究会 水﨑 喜久彦 氏

トークセッションでは、講師の波多野さんに、参加者の方々からいただいた質問にお答えいただきました。
 

<トークセッションの質問内容>

Q1 イワナがハリガネムシに寄生された昆虫を食べているという話がありましたが、ハリガネムシ以外に原因はあるのでしょうか。

A1 カマドウマなどの陸生昆虫が水の中へ入る原因は、今のところ、ハリガネムシ以外に考えられないです。

Q2 タナゴの産卵について、貝の中に産卵すると出水管から卵が出てしまわないのでしょうか。

A2 産卵された卵は貝のエラのスリット状になった部分に入り込んで、排出されないようになっています。ただ、排出されてしまうこともあるようです。

Q3 アユの放流は国内移入種として良くないことではないでしょうか。

A3 アユの放流は、産業の面からすると仕方のないことだとは思いますし、最近は地元のアユを放流する所もあります。自然界に放流するのであれば、遺伝的な影響も考えてもらいたいです。

Q4 木曽川のオイカワが東日本系統に分類されているのは、どうしてでしょうか。

A4 遺伝子系統によって分けられています。関東地方から東海地方までが東日本系統に分類されています。

Q5 川の氾濫によって多様性は守られているのでしょうか。

A5 川が氾濫することで、新たな生息地ができて、生物の移動が起こります。新たな生息地での交流が多様性を生むのだと思います。

Q6 河川の水害を防ぐための改修が、生物の環境を悪くしていると思います。両立させるために必要なことは何でしょうか。

A6 生活も大切ですので、すべて改修するのではなく河川敷に一部氾濫する場所を残すことも必要だと思います。生活が便利になる裏には、生きものが犠牲になっていることを理解することも大切だと思います。

Q7 ブラックバスが河川で見られていますが、オオクチバスはどの程度上流まで上ることができるのでしょうか。

A7 郡上の方までいるという情報は聞いていないので、中流域までではないかと思います。

Q8 池の水を抜いて外来種を駆除する活動は、一般人でも参加できますか。参加できるのであれば方法を教えてほしいです。

A8 一般に募集されているものもありますが、自治体や研究会主催で開催されることが多いので、そういった情報が入るように、研究会に所属するのも良いと思います。

Q9 水族館職員になるためには日々どのようなことを学べばいいのでしょうか。どのような知識が必要なのか知りたいです。

A9 生きものに関する知識も必要ですが、語学が堪能だったり、文章を書く能力があると強みになります。生物系の大学に入るほうが良いと思います。水族館職員になるのは狭き門になるので、どんな仕事をしたいかといった目標を持つことが大切だと思います。

Q10 アクア・トトさんと連携して活動をしたいと思っている場合は、どのようにアプローチしたらいいでしょうか。

A10 私を窓口にしていただいてかまいませんので、是非お声がけしてください。

Q11 メコン川やコンゴ川、タンガニーカ湖の魚たちはどのように保全しているのでしょうか。

A11 海外での保全活動は、できていないのが現状です。メコンオオナマズは絶滅危惧種で、アクア・トトでも研究を進めており、野生下では分からなかった生態などもわかってきています。

Q12 イチモンジタナゴとシロヒレタビラはどのように保全されているのでしょうか。

A12 イチモンジタナゴはこの辺りでは琵琶湖での交雑種ばかりで、アクア・トトで飼育しているのは三重県で見つかった在来種のみとなります。シロヒレタビラについても同様に、この辺りでは交雑種ばかりでしたが、アクア・トトで昔寄贈されて飼育している個体が濃尾平野の在来種ではないかと分かってきました。このように、アクア・トトでは在来種の系統保全として飼育を行っています。

 

トークセッション(全体)

 

質問カードにつきましては、お時間の都合により、一部の質問のみの回答となっています。

アンケート

当日、参加者の方々には、アンケートを記入していただきました。今後のシンポジウムの内容について大変参考になるご意見を多数いただきました。アンケートにご協力いただき、ありがとうございました。

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