地下水について
地下水は地殻内部に存在する水を指す言葉です。雨水が地下に浸透し地下水となり、砂礫層を中心とする帯水層(砂や砂利のような浸透性の物質や、地中の岩の間の空間で構成される地層)に蓄えられていきます。
帯水層は以下の不圧帯水層と被圧帯水層とに区別されます。
不圧帯水層
透過性の地質と不透過性の地質(不透水層)に挟まれている帯水層を言います。
地表からの降雨や河川等からの浸水によって水が補給されています。
被圧帯水層
不透過性の地質(不透水層)に挟まれている帯水層を言います。
不圧帯水層にくらべて、水の出入りが少なく、また水圧が高くなります。
地下水は水量・水質・水温が比較的安定した水資源であり、よく「夏冷たく冬温かい」といわれます。地中の温度は深さ10mを越える部分では気温の影響を受けず年間を通してほぼ一定の温度となっており、これを「恒温層」と呼んでいます。恒温層より深いところから汲み上げる地下水は温度が一定しています。工業用水の用途が、冷却用であることが多いことからも、地下水が尊重される理由に水温があげられています。また、地下水が土壌中を通過する時間は長く、地下に浸透するにしたがって、その土地の地質にあった水質に変化しながら、途中で接触する岩石を溶解し、その水質を決定します。
地下水には地層の浅い所にあるものと、深い所にあって圧力を受けているものがあり、浅い地下水を掘った井戸を「浅井戸」、深い地下水を掘った井戸を「深井戸」といいます。一般的に深井戸の水の方が、外界から隔離されているので安全性が高く、溶け込んでいるミネラル量も多いといわれています。
浅井戸水
自由地下水とも呼ばれます。第1不透水層より浅い帯水層から取水する井戸水です。
深井戸水
被圧地下水とも呼ばれます。第1不透水層より深い帯水層から取水する井戸水です。
伏流水
河川の底部や側部の砂利層に河川水が浸透し、流れている地下水です。
湧水
台地の崖下や丘陵の谷間などから自然に湧き出ている地下水です。
地下水は主に降雨によって涵養(かんよう:ゆっくり自然に養い育てること)されています。地下に浸透した雨水は、河川に流れ出るもの、蒸発するものなどを除いて地下水となります。そしてその大きな貯留量とゆるやかな移動(1日に数cm~数十m移動するといわれています。)によって水循環を安定させ、河川や湖沼に水を補給したり、河川等の氾濫を防ぐ役割を果たしています。また、水田、畑地、草地、林地、水域など、地下水を染み込ませ蓄えておける場所を涵養域といい、水田は、かんがい用水や雨水を地下に浸透させ、水田に貯留された水のうち8割近くが地下水として涵養されているともいわれています。
地下水は生活用水(飲料用、調理用、浴用等)、工業用水(飲食品製造業、原料用、洗浄用、冷却用等)、農業用水等、各種の用途に利用されています。
市街化の進行に伴って、涵養能の高い農地・空地・林などが宅地や舗装道路に変わり、雨水などによる地下水涵養が阻害されつつあります。地下水は地盤を構成する要素の一つであり、これが少なくなると地盤沈下が起きます。また、トンネルや大きなビルなどの地下構築物が地下水の流れを遮断し、付近の井戸を枯渇させることも多くなってきました。
おいしい水の基準(旧厚生省「おいしい水研究会」)
水質項目 | おいしい水の要件 (注1) |
備考 |
---|---|---|
蒸発残留物(mg/L) |
30~200 |
主にミネラルの含有量を示し、量が多いと苦味、渋味等が増し、適度に含まれるとコクのあるまろやかな味がします。 |
硬度(mg/L) |
10~100 |
ミネラルのなかで量的に多いカルシウム、マグネシウムの含有量を示し、硬度の低い水はくせがなく、高いと好き嫌いがでます。カルシウムに比べてマグネシウムの多い水は苦みを増します。 |
遊離炭酸(mg/L) |
3~30 |
水にさわやかな味を与えますが、多いと刺激が強くなります。 |
過マンガン酸カリウム消費量 (mg/L) |
3以下(注2) |
有機物量を示し、多いと渋味をつけ、多量に含むと塩素の消費量に影響して水の味を損ないます。 |
臭気度 |
3以下(注3) |
水源の状況により、さまざまな臭いがつくと不快な味がします。 |
残留塩素(mg/L) |
0.4以下(注4) |
水にカルキ臭を与え、濃度が高いと水の味をまずくします。 |
水温 |
20℃以下 |
夏に水温が高くなると、あまりおいしくないと感じられます。冷やすことによりおいしく飲めます。 |
- (注1)1985年4月25日厚生省「おいしい水研究会」発表
- (注2)過マンガン酸カリウム消費量の値は水質汚濁に伴って水道水中に含まれる有機物質量を表す指標とした。
- (注3)通常の人が異臭味を感じない水準である。
- (注4)通常の人が塩素臭を気にならない濃度である。
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