結核について

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ページ番号1004451  更新日 令和6年2月5日

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結核は過去の病気ではありません

かつて結核は、「国民病」「亡国病」と恐れられていました。医療や生活水準の向上により、薬を飲めば治る時代になりましたが、決して過去の病気ではありません。
全国で、令和4年の1年間に新たに結核を発病した人は10,235人、結核で亡くなった人は1,664人でした。結核は、現在でも、日本の重大な感染症です。

岐阜市は結核の患者が多い!

岐阜市では、令和4年の1年間で新たに46人が結核を発病しました。令和4年の結核り患率(人口10万人当たりの結核患者数)は、岐阜市は11.6で、全国8.2より高く、全国に比べ高い値で推移しています。

グラフ:岐阜市と全国の結核のり患率

結核ってどんな病気?

結核の症状:せき・たん・微熱・倦怠感(からだがだるい)・食欲不振・体重減少 など

結核初期の症状は風邪によく似ているので見過ごしがちです。受診や診断が遅れると、重症化したり、周囲の人に感染させる危険が高くなります。おおむね2週間を目安に、せきなどの症状が長引く場合には、早めに医療機関を受診し、胸部エックス線検査を受けましょう。

結核の感染と発病のしくみ

結核の患者さんの中には、「排菌」といって、せきやくしゃみの飛沫(しぶき)に結核菌が混じっている人がいます。結核は、この結核菌を吸い込むことにより感染します。
また、飛沫の周りの水分が乾燥・蒸発した状態(飛沫核)でも、結核菌は生き続け、空気中を漂います。この飛沫核を吸い込むことによっても感染します。

感染とは?

多くの場合は、結核菌が体に入ってきても体の抵抗力により追い出されます。結核菌が追い出されず、体内に残っている状態を「感染」といいます。結核菌に感染しても、人間の体には免疫といわれる抵抗力が備わっているため、菌をおさえこみ、ほとんどの人(10人中8~9人)は、結核を発病しません。しかし、発病しなかった人の10人に1人程が、高齢になって免疫力が下がったときなどに、結核菌が再び活動を開始することがあり、高齢者の結核が増えている一因となっています(既感染発病)。

発病とは?

「発病」とは、結核菌が体内で増殖し、活動することにより、病巣ができ、せきやたん、発熱などの症状が出現した状態で、治療が必要です。感染後、「発病」するのは10人に1~2人程度ですが、その8割の人は数か月後から2年以内に発病しますので、感染の機会があれば、少なくとも2年間は十分な観察が必要となります。

なお、発病していても、”たん”の中に結核菌が混じっていなければ(排菌していなければ)、人にうつすことはありません。

結核の治療方法・医療費

結核は薬をきちんと飲めば治ります

  • 結核の治療は3~4種類の抗結核薬を併用し、6~9か月程服用します。長いと思われるかもしれませんが、きちんと服用すれば治る病気です。
  • 中途半端な治療は、薬に対する抵抗力のある結核菌(耐性菌)をつくってしまいますので、本人ばかりではなく周囲の人にとっても非常に危険です。
  • たんに結核菌が出ていない人は、周囲に感染させる危険性がないので、職場や学校などに行きながら、通院で治療ができます。

治療費の公費負担制度があります

  • 感染症法には、結核で治療を受ける方の医療費負担の軽減と、安心して適切な医療が受けられることを目的として、結核指定医療機関で医療を受けた場合、国や自治体が医療費を負担する制度があります。
  • 負担額は、市町村民税の所得割の額や、入院・外来の違い等によって異なります。

(医療機関の皆様へ)結核指定医療機関について

  • 結核指定医療機関とは、病院、診療所及び薬局のうち、感染症法による結核の公費負担医療を担当する医療機関です。
  • 病院、診療所及び薬局が結核の公費負担医療を行うためには、結核指定医療機関の指定が必要になります。新たに指定を受ける場合は、保健所へ申請してください。また、指定の辞退、変更についても届出が必要になります。
  • 結核指定医療機関でなければ、原則として結核公費負担医療を行うことができません。

結核を予防するために心がけること

早期発見が重要です

自分自身の健康を守るため、また、家族や友人、同僚などへの感染を防ぐためにも、早期発見が重要です。

  • せきやたん、発熱、胸痛などの症状が2週間以上続く場合は、かぜと自己判断せず、医療機関を受診し、胸部エックス線検査を受けましょう。
  • 結核の発病は、胸部エックス線検査で調べられますので、年1回の胸部エックス線検査による健診は早期発見に役立ちます。

岐阜市が実施している結核検診

肺がん・結核検診(対象者:岐阜市に住民登録のある40歳以上の方)
*詳しくは肺がん・結核検診についてをご覧ください。

外国人結核健診(対象者:岐阜市に住民登録のある外国人の方)
胸部エックス線検査を無料で行います。
事前申し込みが必要です。詳しくはお問い合わせください。

受診義務(感染症法第53条の2)

  1. 高等学校以上の学校(専門学校、各種学校を含む)に入学する方は、入学年度に1回胸部エックス線検査を受けてください。
  2. 65歳以上の方は、毎年1回胸部エックス線検査を受けてください。
  3. 学校、医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設で働く方は、毎年1回胸部エックス線検査を受けてください。

なお、学校、医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設の管理者は、対象者への健診の実施と、健診実績の報告が義務付けられています。詳しくは、結核定期健康診断実施のお願いをご覧ください。

BCG予防接種

BCGは結核予防のワクチンで、BCG予防接種をすることによって結核菌に対する抗体(抵抗力)を作ります。乳幼児が結核に感染すると髄膜炎や粟粒結核などの重い結核になることがあるので、生後12月まで(標準接種期間は生後5か月~8か月)にBCG予防接種を受けましょう。詳しくは、定期予防接種をご覧ください。尚、BCGの効果は、生涯ではなく、10年から15年程度の持続と言われています。

結核をよせつけない身体づくり

結核にならないためには、体力(対抗力・免疫力)が大きく関与しています。体力が低下しないよう、1.バランスの良い食生活、2.適度な運動、3.ストレスをためすぎない、4.しっかり睡眠をとるといった、生活を心がけましょう。

せきエチケットと換気

結核に限らず、せきやくしゃみをするときは、ティッシュやマスクを鼻と口にあて、周りの人から顔をそむけて、他人に直接しぶきをかけないようにしましょう。

ポイントは、

  1. 口と鼻をカバー
  2. マスクをする
  3. とっさの時は袖などでカバー
  4. 使用後のティッシュやマスクは、ふたつきのゴミ箱へ捨て、手を洗う

です。また、狭い部屋では、換気に心がけましょう。

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このページに関するお問い合わせ

感染症・医務薬務課
〒500-8309 岐阜市都通2丁目19番地 2階
電話番号:058-252-7187 ファクス番号:058-252-1280

感染症・医務薬務課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。