正法寺大仏殿及び大仏の概要
正法寺大仏殿及び大仏の概要

金鳳山正法寺(きんぽうざんしょうぼうじ)は、江戸時代初期に中国から伝わった黄檗宗(おうばくしゅう)の寺院で、黄檗山萬福寺(京都府宇治市)の末寺です。
正法寺の大釈迦如来像(通称、岐阜大仏)は、第11代惟中和尚(いちゅうおしょう)が、度重なる大地震や飢饉の犠牲者の冥福を祈るため、天明7年(1787)に造立を図り、天保3年(1832)に完成し、開眼法会が行われました。
大仏殿の建築年代はこれまで詳しく分かっていませんでしたが、屋根瓦に「文化元」(1804)のヘラ書きがあることから、大仏と並行して建てられたことが考えられます。
大仏の像内には「真木(しんぼく)」と呼ばれる太いイチョウの木の柱が立てられ、天井内に達しています。この真木が大仏殿の小屋組を直接支持していることから、構造的に一体のものとしてみることができます。
大仏殿の特徴は、像高が10mを超える本尊の大仏を安置するために、巨大な空間を持つことです。過去に増改築を繰り返しており、参拝者が階段で二重(二層目)に登り、大仏正面から参拝できるようにしていたこと、螺旋状の巡拝経路を有していたことも、他には見られない大きな特徴です(現在は二重以上へ登ることはできません)。
また大仏は、木材で軸組(じくぐみ)を構成し、軸組の周辺に竹木舞(たけこまい)を組んで土壁下地で大まかな形を作り、その上に反故紙(ほごし、版本経典などを解体した和紙)を貼り付け、漆を塗り金箔を施すという作り方でできています。竹で籠(かご)を編むように下地を編んでいることから、「籠大仏(かごだいぶつ)」とも呼ばれています。この作り方では日本一大きい仏像です。
なお、大仏は「籠大仏」の名称で岐阜県重要文化財に指定され、大仏殿は岐阜市重要文化財に指定されています。また、大仏殿と庫裏(くり)、敷地は国の重要文化的景観「長良川中流域における岐阜の文化的景観」の重要な構成要素になっています。その他、大仏の胎内仏(たいないぶつ)である薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)及びお前立ち像として大仏前に安置されている阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)が岐阜県重要文化財に指定されています(共に平安時代の作)。
正法寺の文化財指定等一覧
文化財名称 |
指定等 |
種別 |
指定・選定年月日 |
---|---|---|---|
正法寺大仏殿 | 市重要文化財 | 建造物 | 平成27年4月7日 |
「長良川中流域における岐阜の文化的景観」の 重要な構成要素(種別:D・F 建築物・敷地) |
国選定 | 重要文化的景観 | 平成26年3月18日 |
籠大仏附木造薬師如来坐像 | 県重要文化財 | 彫刻 | 昭和49年3月6日 |
木造阿弥陀如来坐像 | 県重要文化財 | 彫刻 | 昭和49年6月18日 |
関連リンク
正法寺大仏殿及び大仏に関する刊行物
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