内外情勢調査会11月例会 市長講演(令和3年11月16日)

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ページ番号1018867  更新日 令和4年11月1日

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【市長】

皆さまこんばんは。
本日は令和3年度内外情勢調査会の岐阜支部11月例会ということですが、講演をさせていただく機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、「こどもファーストから始まる未来への挑戦」というテーマですが、「こどもファースト」というテーマのみならず、最近の岐阜市政の様々な取り組みや課題について、皆さま方に幅広く情報提供させていただければと思っていますので、最後までよろしくお願いします。
では、スライドにしたがって順次お話をしていきます。

まず、「こどもファースト」ですが、2018年の2月に岐阜市長に就任させていただきまして、市政運営の基本方針というものを掲げました。その中で、この「こどもファースト」というものを第一に掲げ、それから2019年度・20年度・21年度と、予算編成を重ねてまいりましたが、そのいずれの時にも、この「こどもファースト」というのは不変の政策ということで、政策のベクトルにも掲げながら取組んできました。
今日は最初にこの「こどもファースト」について、もう少し具体的な取組みも含め、どのような思いで「こどもファースト」というのを掲げているのかということを皆さまにお話をしたいと思います。
よく、どうして「こどもファースト」が大事なのか、大切なのかということをお話するときに、例えば、今、高齢社会でございますので、ご高齢の方とか、あるいははお子さまがいらっしゃらない世帯の方からは「こどもファースト」と言われても直接的に自分たちとはあまり関係ないのではないかというようなご質問をいただいたりします。「こどもファースト」は、まさに子どもを取巻く様々な私たちの社会の課題があります。この社会課題を解決していくことが、すべての世代の皆さまにとって、市民の皆さまにとって大切で、まさに社会課題の突破口のところに、子どもを取巻く問題の解決になっていくということをお話しております。今日最初にお話をする「こどもファースト」については、そういう幅広い視点で、ぜひお聞きいただければありがたいと思っています。
まず、最近大きな課題というのは不登校の問題ではないかと思います。様々な地域の首長の皆さまと意見交換しますが、コロナ禍においてやはり不登校の生徒が増えているといったことを率直にお話いただける首長の方もいらっしゃいます。岐阜市の最近の状況はどうかということで、ここにグラフを載せました。中学生ですが、不登校の生徒の出現率は4.72%ということで、今は増えている状況でございます。この赤と青は、青が国、赤が県ということで、国や岐阜県の数字よりも岐阜市の出現率が高いということが言えます。こういった不登校の問題についてしっかりと取組む必要があるということです。すでに報道等で皆さまにご案内のとおり、岐阜市が4月に不登校特例校である草潤中学校を開校しました。
ありがたいことに、8割以上の生徒が出席をしているということです。青いところは実際に草潤中学校に登校している、赤いところはオンラインで学びに参加している数字です。実際、こういう形で平均すると、4月の開校以来、85.1%の出席率です。草潤中学校に通ってきている生徒の場合、それぞれの学校ではなかなか出席ができなかった生徒が多いわけですが、85%の出席ができているというのは、子どもたちを取巻く環境が変わり安心して学びができる環境になることによって、子どもたちは学びに繋がっていることがここでわかっております。
ちなみに、来年度に向けてすでに説明会をこの秋に開催しましたが、来年度は13人程度、この草潤中学校の生徒募集をしますが、説明会にいらっしゃった児童では市内が85人、市外が32人で、117人の児童とさらに保護者もご出席いただきました。市内85人という数字もさることながら、市外の方は32人が説明会に参加されました。この草潤中学校という不登校特例校は公立では東海地方では岐阜市が初でありますので、やはりこの不登校の生徒が学校で学びたい、そういうニーズが内外に一定数あるということがこの数字からもわかります。
では、この草潤中学校での不登校の問題に光をあてるということで、社会課題の解決の突破口になっているのかということですが、これは岐阜県のひきこもり等に関する状況調査ということで2019年に行われたものですけれども、10代から20代のひきこもりの方の経緯が調査されています。不登校が経緯、きっかけとなったという10代から20代が35.4%います。40代・50代が全体のひきこもりの方の半数以上を占めており、入口のところで不登校、それがひきこもりになり、さらに40代・50代、まさに8050問題という社会で大きな課題になっていきます。地域包括の皆さまと意見交換しても、なかなか解決が難しいという困難事例として、8050の問題ということを多くの地域包括の皆さまがおっしゃいましたので、これからますます80代の方が特に認知症というのが、日常で抱える方が増えてきておりますから、こういった問題と、いわゆる40代・50代のお子さまの世代がご自宅におられるというのが、なかなか解決しづらい困難事例になってきています。社会の中で、最初の入り口、不登校との方としっかりと光をあてるのが非常に大事ではないかと思っております。
最近、東海地方の若手市長の総会が岐阜でありまして、草潤中学校を案内させていただきましたし、中核市の市長会でもこの草潤中学校のことを紹介しましたけれども、全国ではまだまだ不登校特例校が広がっていなく、報道では見ていたけれども実際に一度見学したい、詳しい話を聞きたいと言ってくださる首長の方もお見えになり、岐阜市の取組みがまさに全国に広がっていくことを心から願っています。
もうひとつ、岐阜市では2019年にはいじめ重大事態ということがありましたので、このいじめの問題にも2019年の発生以来取組んでいますが、いじめはこの子どもの社会のまさに人間関係のトラブルでありますので、いじめ対策監の先生を各学校で配置していじめということについて早期に発見をして、そのことでいじめをしてはいけないということを学んでいきます。あるいは人間関係で、どのようにコミュニケーションを円滑にするかということを学んでいってもらいますが、私たちの大人の社会にも数々のハラスメントがあり、いじめというものは存在します。したがって、こうしたいじめの問題を子どものときからしっかりと学んでいくことによって、大人の社会に入っていくときに、大人同士のいじめやハラスメントというのは良くないということを子どものうちから学んでいくことがとても大事ではないかと思っています。不登校やいじめなど、本市の教育の中で大きな問題としてとらえて取組むことによって、私たちの社会全体の課題にもアプローチをしていく、そんな思いを持っています。
ここからは、他にどんな「こどもファースト」の取組みをしているかということを、お話しします。例えば学校教育の現場ですと、先生方の働き方改革です。民間企業でも過重労働の問題があります、学校の先生で例えれば、スクールロイヤーを配置させていただいて、いじめの問題や虐待など、様々な問題が学校に持込まれ、そういった場合に法律の専門家から助言をいただきながら問題解決をしていく制度を導入しています。子どもたちだけじゃなく、先生方にもタブレットをお配りしています。例えば子どもたちに、かつては様々な通信を紙で配付していましたが、こういったものをタブレットで一斉に配信することによって、ペーパーレスで瞬時に配ることができます。先生方の研修も、オンラインで研修を受けていただくことによって、かつては研修する場所まで片道20分、30分かけて行っていたのを、学校でオンライン研修ができるということで移動時間がゼロというような様々な創意工夫をこの働き方改革の中で取組んでいるところです。そういったこともこれは民間企業と全く同じだと思いますが、私たちの大事な取組みだと思っています。
それから、幼児教育ということも2019年度に幼児教育課の設置を教育委員会の皆さまと行いまして、子どもたちの学びは、義務教育で小学校・中学校ということで基礎自治体はやってきたわけですが、幼児期からまさに三つ子の魂百までというように人格形成はなされています。ところが、幼児期の子どもたちを取巻く環境の中には、子育てについて、1人目のお子さまで、どう子どもと接してよいのか、どうやって子どもと関わり合ってよいのだろうかと、いろんな子育てをしながら悩む保護者の方も大勢お見えです。幼児教育課を設置して、幼児教育セミナーなどいろいろな形で情報提供させていただくことで、子どもを育てやすい、特にその家庭、保護者の皆さまの支援をしていくことができます。ここにもありますように、幼児教育と小学校、まさに幼・保・小の連携ということで、この幼児期から義務教育に入っていくところを円滑に繋いでいくことができると思います。このような取組みも幼児教育課の大事なテーマということで、私は「こどもファースト」という観点から教育ということについても幼児教育までぐっとリンクを広げて取組んでいきます。特に、ご家庭の支援というものは大変大事です。いじめという問題が起きたときの教育大綱においても、学校・家庭・地域ということをあえて基本方針の中に入れました。ですから、学校と子どもたち、学校と地域ということはなくて、その家庭というものが第一義的には子どもに対しての責任者でありますので、この家庭というものをどう支援していくか、それは小学校に上がってからではなく幼児期から支援をしていくということが大事だというような考え方であります。
そして、子どもがだんだん大きくなっていきますと、次にやってくるのが、中1ギャップです。特に中学校での不登校が多いわけです。ですから、先ほど最初にお見せしたグラフでも中学校のグラフをお見せしましたが、この中1ギャップというその子どもにとって大きなコミュニティの変化に対して、今、岐阜市で取組み始めているのが、この小中一貫校の取組みです。この写真にありますように、中学2年生の職場体験として小学校での教育実習を行いました。小中一貫の取組みの良い部分というのは、異年齢の学び、異年齢のコミュニケーションだと思っています。私たちの社会は、今日もご出席いただいた皆さま方は、年齢も、出身も、職業も、それぞれが個性を持って人生を歩んでいます。学校というのは、特に公立の学校ですと特定の地域の同級生で、学級というコミュニティが構成されます。これは子どものときしかないコミュニティです。大人になりますとそのようなコミュニティがないです。ですから、年齢のコミュニケーションで特に小中ということは、小学1年生から中学3年生、通算で言えば9年生までということで、縦のコミュニケーションや学びということができます。特に、中学生は思春期ですのでいろんなことを感じて、例えばすべての子どもたちが自己肯定感を育んで、自分は人生の目的や目標に向かって一直線に学んでいこう、成長していこうということだけではなくて、いろんなことに悩みながらぶつかりながら、自分という存在を探し求めたりするわけです。こういったときに、ここでいうと中学2年生のお兄さん・お姉さんが、小学校の後輩たち、まさに弟や妹たちとともに、教育実習ということですけれども、まさにともにコミュニケーションし学ぶということです。こういった異年齢の学び方によって特に中学2年生のいろんな形で悩んでいる子どもたちも下の学年から慕われたり、ありがとうとお礼を言われたり、教えることによって、それがきちっと伝わって、喜びとして感じられているといういろんな経験を、この学びの中でできるというのがこの小中一貫の良さではないかと思っています。現在、藍川小・藍川北中の小中一貫と、厚見小・厚見中の小中一貫、芥見東小・藍川東中の小中一貫の3つをモデル的に取組んでいますが、ここでのいろんな知見を活かしながら、異年齢の学びやコミュニケーションという小中一貫というものを、岐阜市としては大事に取組んでいきたいと思っています。
次に、通学路にも様々な危険層が潜んでおりまして、千葉県八街市の事件は皆さまも記憶に新しいところでございます。このことを受けて、当然岐阜市でも合同点検というものを行いました。34校で127か所のリストアップをして、対策を検討しております。ガードパイプをつける、カラー舗装を行う、看板を設置する等の取組みをやっています。こういったことも常に子どもたちの観点で注目が集まりますが、社会の交通事故は高齢の方が非常に多いわけで、子どもたちにとって安心・安全な道路・歩行空間というのは、当然高齢者の方にとっても、ドライバーにとっても安心・安全であるということです。今、こういった道路に関する予算も子どもたちの通学の安心・安全を守るという観点で、いくつかのメニューをまとめさせていただきまして、円滑に予算を執行できるようにさせていただいております。まさにこれを「こどもファースト」という入口から、社会全体の安心・安全、特に高齢者の方の命を守るという方向に繋がっていくというような事例であります。
今度は働くということですけども、今、共働きの家庭が大変多いです。ところが、仕事と子育ての両立に課題を抱え、女性が社会に進出する、復帰をするなど、企業側からすれば、なかなかこの人口減少の中で人材や労働力を確保することが難しくなってきているという様々な問題があります。これについて、岐阜市としてどんなアプローチをしているのかといいますと、いくつかの事例を紹介したいと思います。ひとつは、これは午睡ベッドというものですが、お昼寝用のベッドを市立のすべての保育所に導入をしました。担当に聞きますと、このベッドの導入はやりたかったけれども進まなかったのですが、コロナ禍ということで感染症対策のためにこの午睡ベッドを導入しました。写真が見にくいかもしれませんが、床からベッドですから当然空間があって高くなっています。子どもたちというのはいろいろな感染やウイルスとか、私も子育てしながらですので経験がありますが、そういうことのリスクがあります。当然お昼寝もしますので、このベッドがなければ、タオルケットとか敷いてじかに寝ているわけですから、感染リスクがあります。この午睡ベッドを導入することによって感染リスク、床に直接触れることがないということで導入しました。いろいろなウイルスに感染しますと親御さんも大変ご苦労されるので、こういった対策をしています。あとは、使用済みの紙おむつの回収ということをやっています。これまでは保育士が、例えば太郎君、花子さんと全部おむつを替えたものを1つずつ入れて、子どもたちが帰るときに今日のおむつですと渡していましたが一括回収にしました。これは保育士も助かりますし、何といっても親御さんがお迎えに来られたときに、仕事帰りにおむつ入りの袋をもらって帰りますが、帰りにいろいろなところに行ったりするわけですから、軽減してほしいというお声をいただきましたので、さっそくやりましょうということで、些細なことですがすぐに対応させていただきました。放課後児童クラブも今は6年生まで拡大をしましたので、働いておられる世代にとって放課後児童クラブはなくてはならないものだということです。それから病児・病後児保育ですが、今は市内で7施設ございますが、就任してから2施設の拡充をさせていただきました。特に岐阜市は南部で若い子育て世代が増えていますので、南部の地域でこの病児・病後児保育を拡充させていただきました。さらに、送迎サービスを追加して、急にお子さまが熱を出したりすると、この病児・病後児保育がないと今日仕事を休まなければならないということになったり、さらには、急に体調を崩して子どもが熱を出したりなど、そうすると電話がかかってきて迎えに来てくださいと言われるわけです。これから商談が始まるのに迎えに来てくれといわれると大変ですので、送迎サービスを有料ですが使っていただいて、仕事がひと段落してから迎えに行くというような新たなサービスを導入させていただきました。とにかく今、核家族の家庭も増えていますので、共に仕事をしている、そしてお子さんを育てる、こういったことがちゃんと両立できるような社会にしていかなければいけないです。
まさに今、いろいろ走りながら話をしましたけれども、この「こどもファースト」にかかる様々な取組みをすることによって、私たちの社会の課題が解決していくという好循環につながっているというのは、私の「こどもファースト」、いう考え方でありますので、また皆さま方にもご理解をいただきながら、環境を整えていきたいと思っています。

では、2つ目のテーマです。
まずは、岐阜市の社会動態を皆さまにご紹介をしたいと思います。
人口減少社会ですが、人の出入りということです。自然増・自然減とは別に人の転出・転入という観点で大変重要だと思っています。大変ありがたいことに、2017年はマイナス1,596人だったのですが、そこから順々と改善をしていまして、今はマイナス352人ということになりました。では、何がここで落ちてきているかということですが、まずこれは子育て世代、先ほども「こどもファースト」の話しをしましたので、子育て世代の30代は赤のグラフです。これもありがたいことに、2017年度にはマイナス197人ということで、30代の子育て世代が流出していたわけです。2019年は191人、2020年度はプラス89人ということで、30代の子育て世代が岐阜市に入ってくる人が多くなりました。それについて、この青は子どもたちの世代で、やはり同じようにプラスということで、小さいお子さまの岐阜育ちの子どもたちが増えています。これはとても良いことだと思います。全体を見ると、やはり20代が大きなネックになっています。20代も実はありがたいことに、緑は令和2年度、2020年度ですが、マイナス705人ということで大幅に改善をしてきました。何が起きているのかということを見ていただきたいですが、このグラフを見ていただくと、20代の転入が毎年、右肩上がりで増えています。とても良いことです。どこから来ているのかということですが、一番上、岐阜県内の20代が岐阜市に入ってきてくれるということです。愛知県ですけども、愛知県も右肩上がりとは言いにくいですけども微増ということですが、しかし着実に愛知県からも岐阜市に20代が入ってきてくれているということがありまして、この流れをぜひ継続していきたいと思っています。これまでも岐阜市はシティプロモーション戦略を作って、特に20代にターゲットを置いて名古屋都市圏に向けてインターネット、デジタルサイネージ、テレビ、ラジオ、タウン誌など、あらゆる媒体を通じて岐阜市をPRしています。ありがたいことにこうして愛知県からも微増し、岐阜県内からは岐阜市を選んでいただけるということです。理由を見ると、圧倒的に職業上の理由ということで、まさに企業の皆さまに大変ご尽力いただいているおかげだということで、働くということを理由に岐阜市内に20代が入ってきているということが言えます。これからも様々な企業の皆さまに努力いただき、環境を整備していただきながら積極的に雇用を作り出していただきたいと思いますし、子ども・子育ての環境は岐阜市としても「こどもファースト」を軸に整備をさせていただきます。また、岐阜市の魅力もこれからも宣伝していきたいと思います。
今、市民の皆さまに調査をしておりまして、市民意識調査を行っていますが、現在の生活に満足していますかという問合わせに対して、ありがたいことですが、2016年と比べ7.8%ポイントアップしました。また、幸せだと感じますかということでも、2016年に比べて1.6ポイントアップをして、今は83%の方が幸せだと感じていただけています。一方、市民であることに誇りを感じますかというところでは、5.3ポイントアップしているのですけれども53.2%ということで、まだ約半数の方が岐阜市民であることに誇りを感じますかということに対して、誇りを感じると答えていただけていないということでありますので、私はシビックプライドということで地域に対する愛着や誇りということをひとつのテーマとしていますが、こうして8割強の方が幸せだと感じていただけています。一方で、誇りを感じるかというと半数の方にとどまっているギャップがあります。生活の満足や幸せだけれども、そこが誇りというところまでまだ繋がっていないです。これから岐阜市のまちづくりについてもこれからお話しますけども、多くの皆さまに岐阜市のまちがどう変わっていくのか、このまちで人生のライフステージとして誇りを感じていただけるようにしていくのがこれからの重要なポイントです。ですから、シビックプライドということを言っているわけです。ちなみに、東海三県「借りて住みたい街(駅)」ランキングがありますが、ありがたいことに、3年連続1位をいただきまして、そういう意味でいうと、「選ばれるまち岐阜市」というのがひとつの指標であり、進んできているなということです。「買って住みたい街」ランキングも6位から4位にランクアップしましたので、借りてでも買ってでも、とにかく岐阜に住みたい、市民の皆さまには岐阜に住み続けたいと感じていただけるようにまちづくりを私たちとしてもチャレンジし続けたいと思います。
そんな岐阜市のまちづくりでありますが、持続可能で選ばれるまちの実現に向けてということで、ここからは、まちづくりについてお話をしたいと思います。今、いろいろな機会に岐阜市センターゾーンということで、このセンターゾーンという言葉を皆さまにお伝えをしています。何かといいますと、ここJR岐阜駅と名鉄岐阜駅のある駅周辺エリア、それから柳ケ瀬のある柳ケ瀬エリア、ぎふメディアコスモスと市役所のあるつかさのまちエリア、そして岐阜城・金華山・長良川のある岐阜公園エリアということで、4つのエリアを中心にこのエリア全体をセンターゾーンと位置づけをさせていただいております。
これまでも岐阜駅北口の駅前広場の整備を行ってきました。これからは、岐阜駅北中央東・中央西の再開発事業がありますし、今は金公園の再整備も行っています。柳ケ瀬では再開発やリノベーションまちづくりにも取組んでいます。また、旧庁舎跡地の活用もあります。
そして、岐阜城・岐阜公園の整備といったような、様々な事業があり、このセンターゾーンというものを本市の玄関口とともに岐阜都市圏全体としても岐阜市センターゾーンが重要だという位置づけをさせていただいて、様々な事業に取り組んでいるところです。これから順次お話をさせていただきたいと思います。その前に、ちょっと思い出していただきたいのですが、今年オリンピックの聖火リレーを春に開催させていただきました。その時の聖火リレーのコースは、JR岐阜駅から名鉄岐阜駅前を通り、旧メルサの交差点、徹明町を西へ曲がり、柳ケ瀬グラッスル35の再開発と金公園の再整備の間を通って、金華橋通りを北上して、今の新庁舎・メディアコスモスの前を通ってメモリアルセンターに行くコースでした。
あとは特殊コースとして伊藤英明さんにも走っていただきましたが、金華山のふもとから全国唯一、ロープウェイに聖火が乗るというコースであり、山上は登山道を通って天守閣まで聖火が移動するという、このような聖火リレーをさせていただきました。そして、つい先月ですが、自動運転の実証実験を行い、かわいらしい電気自動車の小型車両を走らせました。コースは市役所から金華橋通りを南へ行き、JR岐阜駅を回って、名鉄岐阜駅から長良橋通りを北上して、市役所に戻るというコースを実証実験させていただきました。これを見ていただきますと、いずれもセンターゾーンに関わるところをコースとして走っていただきました。まさにこのオリンピックの聖火リレーのルートにしても、自動運転の実証実験のルートにしても、岐阜都市圏の様々なまちづくりが進んでいきます。そういったところをルートとして通っていただいたわけですが、では、具体的に今どのような事業が進んでいるかというところで、まずはJR岐阜駅の真正面はご案内のとおりですが、ここで今、中央東・中央西の市街地再開発事業を進めようということで、すでに3月には都市計画決定を行っておりまして、今は事業者を、一緒に地権者の皆さまがどの事業者と組んで再開発をするかということで、事業者をどのようにするかを決めていきます。これはあくまでイメージ図でございますので、このとおりということではありませんが、この東と西を一体で、同時に再開発するという方針で都市計画決定も、これを一体で決定をさせていただきましたので、まさに岐阜駅から見たときに、この真正面のところの事業がいよいよ進んでいくというところです。ちなみに、先ほどから玄関口ということをお話していますけれども、例えば地方都市というと姫路市は、姫路駅のメインロードがあり、姫路城があるのですが、姫路市は姫路駅を降りてから姫路城がしっかりと見えるように、この基幹道路の街路樹の剪定や道路幅が大変広い姫路市の道路です。道路の車道も歩道空間を広げるということも行い、まさに玄関としてふさわしい再開発事業も進めて、きちっとまちづくりを行っています。
これは先般、中核市市長会が松山市でございまして、松山市でも駅のところを見ましたが、やはり駅からの基幹的な道路、そして道路幅員も車道ではなく歩道空間を広げて、そして正面に松山城があるというような、まちの玄関口についてはしっかりと投資をしてまちづくりを進めておられました。ですから、私がこのJR岐阜駅の北側の中央東・中央西の再開発にこだわっておりますけども、やはりこの我々地方都市の玄関としては非常に大事だと思います。まだ今は都市計画決定で、どの事業者と地権者が組んで事業がされるかという、段階ですが、何としてもここですね、地権者の皆さまと協力して再開発を行い、岐阜の玄関口を整えていきたいです。それは岐阜市だけではなく、岐阜の都市圏全体にとっても大事な事業になるかということで、これはあくまでイメージ図ですが、しっかりまちづくりをやりたいです。
もうひとつ、JR岐阜駅のお隣には名鉄岐阜駅があります。駅周辺エリアということで、同じエリアになりますが、この名鉄においても、今、名鉄高架化事業をすでに都市計画決定も行われました。岐阜県と岐阜市と名古屋鉄道で覚書も2019年に交わさせていただいて、今年度末までに大臣の認可をいただいて、来年度からいよいよ名鉄高架化事業を進めます。現場にも現場事務所を作り、来年度からは県職員と私どもの職員が常駐して現場事務所で業務にあたっていくところまで準備を進めています。この地図を見ていただいたときに、まずはここに名鉄岐阜駅があり、神田町、長住町、清住町があります。なぜこの地図を出しているかと申し上げますと、これは名古屋鉄道のホームページから引用していますので、今、名古屋鉄道が何を考えておられるかということですが、ホームページでは都市の玄関口にふさわしい商業施設や住宅等の複合的な開発を検討しますということをおっしゃっています。名鉄高架化事業というのは、後ほど述べますけれども、踏切除却や治水関係、駅を統合するなど、様々な事業がございますが、一番大きなことは、この名鉄岐阜駅が今、仮駅舎になっていることです。この名鉄高架化事業を行うことによって、名鉄岐阜駅をまさにこのホームページでありますように、都市の玄関口にふさわしい商業施設・住宅等の複合的な開発を検討することになっています。ですから、名鉄高架化事業を動かすということは、JR岐阜駅の真正面の再開発はこちらで起きますけれども、同時に名鉄岐阜駅のリニューアルの再整備及び周辺の開発というものが起きるということです。すでに6月には中日新聞、岐阜新聞で名鉄の新社長のインタビューでも報じられていますが、例えば中日新聞では「われわれが重点的に考えているのは沿線開発である」。これは名鉄名古屋駅が一番大事だといって、リニアの関係で名鉄が投資をされるわけですが、沿線開発が大事なのです。それはどこですかと申し上げますと、名鉄岐阜と東岡崎と2つ具体的に明示をされております。東岡崎駅を利用された方は岡崎城のすぐそばの駅ですが、まだ再開発が行われていなくて、非常に古い駅舎です。岡崎市としても悲願ということですが、我々岐阜市にとりましても、名鉄岐阜駅と言っていただきましたので、この駅がリニューアルされます。まさに本格的な駅として最重点ということで開発を行うということは、歓迎するべきことです。また、歴史的・文化的資源をうまく取り入れたデザインや業態を企画し、商業・住宅・オフィスなど、拠点となる駅ごとに複合的に開発したいということをおっしゃっていますし、個性あるまちの玄関口としての表情を豊かなものにしていこうという、そういう構想を持っていると発表されています。
そして、岐阜新聞では「岐阜市の神田町・長住町、清住町の3つのエリアにまたがった商業や住宅を含めた複合開発を構想したい。2030年ぐらいまでの時間軸でやり遂げたい」とおっしゃっています。このJR岐阜駅のこの真正面の再開発もまさに2020年代でやっていこうということです。JR、そして名鉄も、2030年代ぐらいまでには、大きくまちの姿が変わっているということが言えるわけです。先ほどお話をしましたが、名鉄も踏切を除却して加納駅と茶所駅を統合した新しい統合駅を作って、それに関する土地区画整理事業や、都市計画道路の整備を行って、さらにちょうどここに境川と新荒田川があり、この橋脚を高架化事業に合わせて取組むことで、境川と新荒田川の治水事業も行われるということです。境川については平成4年と9年に浸水しておりますので、特に厚見や長森の地域で境川の河川改修が名鉄高架化事業とともに進みますと、地域にとっても安心して暮らせるわけです。さらに長森駅に注目をしています。岐阜駅の一つ隣の西岐阜駅は大変乗降客数が多くて、市橋地区は人口も増えてきたわけでありますが、同じ一駅でも長森駅は残念ながら、今、一日1,500人ぐらいしか乗降客数がいない駅となっております。周辺は調整区域ということで田んぼが広がっているということですけれども、このあたりは境川の遊水地機能ということもございましたので、まさにこの境川が河川改修されて治水力が高まると、この長森駅も注目されます。今の長森駅はコミュニティバスも北側から入ってこられませんので、北側にロータリーを作ってコミュニティバスが入れるようにしたいと思います。自転車も高校に通う生徒もたくさん利用しますので、自転車の駐輪場も整備をしようということで、長森駅周辺のまちづくりに着手していきます。そういう形でこの名鉄高架化事業は別にここだけの話ではなくて、駅も、その周辺の不動産開発も、そしてこういった治水の安全性という、さらに長森駅周辺まで影響のある大きな事業だったということも、皆さまにぜひ知っておいていただきたいと思います。
次に、これは高島屋南第一種市街地再開発事業ということで、柳ケ瀬グラッスル35ですが、これは本年度末までに、建屋としては完成します。来年度中に竣工をするということで、着々と工事が進んでいます。「広報ぎふ」で“セントラルパーク”金公園を再整備のイメージ図をご覧になっていただいておりますでしょうか。金公園も今、同じく22年度中に再整備が完了するように公園の周りをフェンスで囲いまして工事をしています。
なぜ、この公園はセントラルパークかというと、これまであまりこういう形はなかったかもしれませんが、私は金公園をセントラルパークとして位置付けて、まさに公共公園を価値ある空間にしていきたいと思っておりますが、なぜ公園なのかということです。昨年、こういう実証実験をさせていただきました。オープンスペースラボIN金公園という事業ですけれども、ここには人工芝ですが緑の空間を作り、ハンモックを並べたり、座るスペースを作ってキッチンカーに来てもらって、さらに憩いの場、ここにはメディアコスモスと連携して本を並べたりして、とにかく市民の皆さまが多様な目的で公園に遊びに来ていただき、憩いの場として活用していただくという実験もさせていただきました。この際、サンデービルヂングマーケットいう柳ケ瀬商店街のイベントも、この金公園にもスペースを設けていただいて、最初はそこにあてがわれた方はお客さんが来てくれるだろうかという大変心配の声があったようですが、実際には完売続出ということで、大変多くの方に利用していただきました。ですから、今までの金公園ではなかなかこういう公園の活用ということになってなかったわけです。金公園をリニューアルすることによって、あくまでも北側だけです、南側はまだですが、多くの皆さまに多様な世代でご利用いただけました。しかも、この公園に来られた方は柳ケ瀬商店街も回遊されたということが調査の結果わかっておりますので、まさに金公園を緑豊かな公園にし、さらにこの芝生広場から様々なイベントやマルシェを行ってもらい、普段はお子さま連れの方に、この柳ケ瀬グラッスル35は中保健センターも移設をすることにしておりますので、お子さま連れの方に大勢来ていただいて、憩いの場にしていただきたいです。金公園をセントラルパークとして、人が集う空間にしていこうというのが目的であります。ちなみに、東京都豊島区に南池袋公園という同じようなサイズの公園がありますけれども、この南池袋公園はまさにこういった芝生の空間があって、そこはカフェというものもありますけども、ベビーカーで、小さなお子さまたちを連れた若い世代の皆さまが大勢この場所に来ていますし、同じように、IKEBUKURO LIVING LOOPがサンデービルヂングマーケットを参考にしております。今、一生懸命若い皆さまが頑張っておられますが、そういったイベントも池袋でいうと南池袋公園とグリーン大通りという道路空間を使ってイベントが行われています。実はこの金公園のイベントは、昨年は、ちょっとスライドがございませんけども、yanagase PARK LINEというイベントをさせていただきまして、池袋では南池袋公園と、グリーン大通り、岐阜市では金公園とサンデービルヂングマーケットは商店街の中ですが、金華橋通りということで、金華橋通りの車道も使わせていただいてパークラインということで、様々な活用イベントも行いました。大勢の皆さまにお出かけをいただきました。これからの私たちのまちというのは公共空間というものを時代に合わせて活用して、要は使い方が変わってくるのだということです。今、先行して、先ほどご紹介した姫路市、松山市、豊島区が取組んでいますし、岐阜市も実験という形で、こういうような近未来な岐阜市のまちはどうでしょうかということで市民の皆さまに体感をしていただいたところです。こういったまちづくりを多くの皆さまに喜んでいただいておりますので、この実験を契機に、まずこの金公園の再整備ということで事業に着手させていただいたところですので、完成についてはこうご期待というところでございます。
今、近隣では中心市街地はマンション建設ラッシュでございます。皆さまお気づきのとおりでございますが、すでに青については2017年以前に建ったものですし、緑の星は18年から21年の4年で、岐阜イーストライジング24もそうですし、ザ・パークハウス岐阜もそうですし、こういったものが続々と建設され、さらに22年度以降もこの赤い星がいっぱいございますけれども、岐阜市内では中心部にマンションが供給されます。
この金公園がセントラルパークになるということは、例えばレ・ジェイド岐阜金公園というのが38戸ございますけれども、まさにこの新しくリニューアルされた公園のすぐそばということで、そういった公園という魅力ある空間によみがえってくることによって、こういったマンションもどんどん出てくるわけで、非常に公共空間というものは、私は大事だと思います。マンションはどうだというと数字で見ると、2022年は分譲134戸、賃貸は123戸。そして23年は、分譲で448戸ということでございますので、どんどん供給されております。
そうすると、中心市街地における、先ほど社会動態の岐阜市全体のグラフをお見せしましたが、中心市街地の社会動態は2018年がマイナス71ということで、また空洞化もありましたが、19年度は53、20年度44ということでプラスになって、さらに、先ほどお見せしましたようにこういう感じでございますので、中心市街地の社会動態はどんどんプラスになっていくだろうということが予想されます。こういった動きの中で、新たに積年の課題ということで、旧長崎屋跡地でございますが、柳ケ瀬広場ということで、岐阜都市計画広場という柳ケ瀬広場をやっていきたいと考えています。都市計画決定というものを行いまして、旧長崎屋について私どもで支度をさせていただく、広場の整備をしていくということになりますので、いわば高島屋南再開発事業は30年度越しの課題でした。これを2018年からスタートしました。こういった取組みをさらに価値あるものにするべく、セントラルパークとしての金公園の再整備を始めて、22年度完成と同時に両方ともがスタートします。さらに、閉店後20年間動かなかった旧長崎屋について動かすということで、柳ケ瀬を取巻く様々な課題も今は同時並行的に進めておりますので、柳ケ瀬についても、今は若い方からどんどん柳ケ瀬でお店を出したいといろいろなお問い合わせがあるそうで、人も社会動態プラスに転じてまいりましたので、この柳ケ瀬についても皆さまにこうご期待と思っています。
先ほど自動運転は少しお話ししましたが、まさに変化していく、動いていく。中心市街地を、ぐるぐる走るのが今回の自動運転でしたが、昨年度と違って今回の自動運転は一段レベルが上がっています。例えば、写真で見づらいかもしれませんが、車両はどこにもハンドルがありませんし、ブレーキもアクセルもありません。そういった車両を今回導入させていただき、また信号機とこの車両は通信をして、信号機が青になるとか赤になるということを通信によって判別をして、速度の調整ができます。さらに、横断者がいると自動で検知をして、ブレーキがかかります。将来は乗務員がいないことが想定されますので、メディアコスモスの中に遠隔で監視する場所を作り、実際に安全に運行できるかということを遠隔監視するということも行いました。また、キャッシュレス決済の時代になってきますけども、これも顔認証で決済ができるという実験も合わせて取組ませていただいて、市民の方には300名の方に抽選で実際に乗っていただきましたけれども、そういった市民の皆さま、さらには一般車両もございますので、ドライバーの皆さまにも近未来に自動運転の公共交通が岐阜市に導入されたらどんな環境になってくるかということを体験していただいて、それは社会受容性を高めるといわれますが、そんなことを取組み続けたいなと思います。ちなみに、市役所とメディコスのところで自動運転のバスは乗降させていただいたわけですが、今、この市役所とメディアコスモスの間の広場が、今日も非常に気候がよかったので、とても素敵な広場空間となっております。例えば今日は、小学校の子どもたちがやってまいりまして、広場を通って、みどりの丘と呼ばれる4階のところに子どもたちが大勢来てもらって、ご家族連れの方やベビーカーにお乗りの小さなお子さまや、会議を終わって通りましたら2人男の子が元気に走っている姿を見ましたが、メディアコスモスには多くの市民の方がご利用いただきますので、メディアコスモスと市役所の利用が増えていますから、この2つの施設がつかさのまちエリアとして一体的な運用として、そして広場空間が市民の皆さまの憩いの場として活用されております。また、今日私ものぞかせていただきましたけれども、1階のミンナトという空間があるのですが、グランドピアノを寄贈していただいて、市民の方に弾いていただくということで、今日はお二人の方が演奏を披露されて、市民の方が自由にここに座ってお昼休みのランチタイムに演奏を聞かせていただくという空間もできております。私は市役所というのは市民の皆さまに開かれたシティホールだという環境にしたいということでミンナトという空間を作っています。今、緊急事態宣言も解除され、市民の皆さまが多様な目的でこの場所に集まってきて使っていただいているのが大きな喜びです。ぜひ一度、そういう観点で見ていただきますと、この辺にベンチがあったりしますけれども、楽しそうにご家族連れで座ってお話をされているような良い空間が広がっておりますので、ぜひ皆さまに見ていただきたいと思います。
次に、岐阜公園と長良川の空間ですが、この場所はちょうどここに旅館街がある地域ですし、川原町、金華山、岐阜公園もあり、今、国土交通省に「ぎふ長良川鵜飼かわまちづくり計画」をお認めいただきまして、長良川の水辺空間を積極的に活用していこうということを取組んでおります。例えば、右岸ですと、水上座敷というものを昨年、今年と取組ませていただいて、実際に利用していただいた方からご好評でした、鵜飼の観覧船を水上の座敷にして、そこに皆さまに楽しんでいただくなど、昨年は、鵜飼桟敷ということをやらせていただきまして実験的にやりました。さらに、商工会議所さまには「かわべの宵(ゆうべ)」ということを行っていただきましたが、両岸の渡し船ということを行うなど、長良川右岸プロムナードのところでこの間の週末も夜市をやっていただきました。この水辺空間で夜市という楽しくお買い物をする空間がここにできると、ぶらぶら歩きながら楽しめるというのをやっていただくことによって、今、鵜飼観覧は私どもコロナもあり水害もあり苦労しておりまして、多様な鵜飼観覧とか、水辺空間を鵜飼以外のことでも多くの皆さまに足を運んでいただける空間にしたいということで、このような計画を立てて、今、かわまちづくりに取組んでおります。川原町についても、ご寄付いただいた、旧いとう旅館がいよいよプロポーザルをやって、これから手を挙げていただける民間事業者の方のご提案を受けていきたいと思います。そして、旧いとう旅館を活用したいということで、かわまちづくりを行っていますので、こういったところもぜひ行いたいです。
駅の真正面、そして駅周辺エリア、柳ケ瀬エリア、つかさのまちエリア、そしてこの岐阜公園エリアということで、本当にセンターゾーンは様々動いていくことになります。
それから、私は歴史が大好きで、この岐阜城ということですけれども、皆さま方には岐阜城というと金華山の山頂にある天守閣をもって岐阜城はあれですとつい言いがちですが、実は岐阜城というのはここにありますように全部岐阜城です。金華山全体が岐阜城ですし、山麓も岐阜城です。さらに申し上げると総構えですので、城下町も広い意味では岐阜城のひとつです。国の史跡というとそういうことですので、金華山全部が山城としての岐阜城で非常に広大なお城だということを皆さまにイメージしていただきたいと思います。お客さまに岐阜城をご案内しましょうというときには山頂の天守閣だけをもって岐阜城をご案内しますということではなくて、これを全部もって岐阜城ですよということを皆さまには伝えていただきたいと思います。そして、現在、史跡岐阜城跡整備基本計画というのを作らせていただいておりまして、先月はパブリックコメントをいただきました。パブリックコメントを受けて、12月には文化庁に提出したいと思っておりますが、国の史跡ですから、この岐阜城は様々な再整備をしていきたいときには文化庁に計画を提出しなければならないということで、ようやく計画がまとまりました。ひとつは、2018年に就任してから、山上部の発掘を初めて着手をしておりました。様々な成果が出ておりまして、例えばこの岐阜城の天守でございますけれども、この天守の天守台のところ、一番下のところは、信長期の可能性のある石垣が出てまいりました。さらに、ここには伝一ノ門というのがありますけれども、この一ノ門が土岐氏の居城であった山県市にある大桑城の岩門と類似をしている、同じ構造だということもわかってきました。今年、さらに追加の発掘調査をやっておりますが、門の構造を含めて、この調査を通じて明らかにしていきたいです。大桑城自体は、山県市ですので、山県市長から頼まれ、人材を派遣してほしいということで、岐阜市のエキスパートを一人派遣し大桑城の調査を進めています。伝一ノ門と岩門が類似だということがどんどんわかってきておりますので、調査をすればするほど岐阜城の価値というものがわかってきます。この山上部の発掘調査を続けていくということにとどまらず、山上部の城郭景観の復元ということをやっていきたいというのが史跡岐阜城跡整備基本計画のひとつの大きな柱です。山上部の城郭景観復元というのは、まさにこのイメージ図でありまして、皆さまは天空の城・竹田城が一番有名ですけれども、あそこを見るといかにも山城だというのがわかると思います。石垣、郭があります。岐阜城の場合は、金華山がありまして、例えば石垣は今、分布調査をやってきて、たくさん残っていることがわかっていますが、現在は山の上は木々や土に覆われています。土を取り除くことによって石垣が露出すると、木に覆われてしまっているところは、林野庁の管理ですが、林野庁と交渉して木を切らせていただいて、石垣や郭が見えるようにしていこうということをやっております。例えば、ここに松田尾エリアがあるのですが、今はこの通路はありません。しかし、こういったところに遺構があるということで、ここに石垣も残っておりまして、こういうものが大事な防衛拠点なので、山城というのがこういう造りなのだとみていただけるような通路を整備して皆さまに見ていただくというような様々な事業をやっていきたいと思っています。この山上部の城郭景観復元というのは、ここの山上に登ってみていただくこともさることながら、信長公の城づくりというのは見せる城でありますので、自分だけで楽しんでおられたわけではなくて、広く美濃、尾張の国に、信長公の城というものを見せて、当然石垣も見せていたわけですが、この景観を復元することによって、城下町である、まさに私たちの岐阜市の中からもこの岐阜城が山城だったのだということを見ることができるという計画です。山麓も発掘調査をすでに終わっており、今は滝を再現するということで、信長公の居館跡は滝を流して実験をしていますが、庭園の復元整備もやっていきたいと思っています。これだけの岐阜城の価値がわかってきましたけれども、この価値をしっかりと市民の皆さま、お客さまにお伝えするガイダンス施設も整備していきたいということで、整備基本計画に入れていますので、この岐阜城・岐阜公園が大きく新しい時代に向けて変わっていくということも皆さまに知っていただきたいと思います。何よりも、こういったことを通じて岐阜城の価値が非常に高いということを市民の皆さまに感じ取っていただくことによって、先ほどお話しましたように、市民であることに誇りをもっと感じていただきたいというのが私の思いであります。
他にもこのようなイベントも考えています。これは年明けの予定ですが、長良川水運を繋ぐ鵜飼観覧船を活用したイベント・ぎふ灯り物語ですが、今年も和傘やちょうちんを活用してイベントを寒い時期に開催させていただきましたが、年が明けましたら、少しエリアも広げて取組んでまいります。
左岸については戦国・歴史エリアということで岐阜公園。さらに、岐阜大仏のある正法寺をお借りして、和傘の展示をするとか提灯でイルミネーションをするなど、岐阜大仏と伝統工芸品のコラボレーションも初めて取組んでみたいということで、こうご期待です。右岸についても、鵜飼の里エリアということで長良川うかいミュージアムをはじめ、右岸のエリアで傘を並べたりしてフォトスポットを作るなど、鵜飼観覧船を活用したシーバスという取組みをやっていくということで、これはまさに鵜飼のオフシーズンについてどんな魅力を出していこうかということも関係していますので、ぜひ年明けこのイベントにも皆さまご注目していただきたいと思います。
また、今、岐阜市では伝統工芸品である岐阜和傘を一生懸命推しているわけですが、職人の高齢化が進んでおりまして、今、一生懸命若い職人の後継者の育成をしています。ガバメントクラウドファンディングという、ふるさと納税の仕組みを使って支援の受付をさせていただきました。若い職人の皆さまに非常に頑張っていただき、すばらしいデザインの和傘を作っていただいています。ベテランの職人さんから伝統の技を一生懸命に学んで受け継ごうとしておりますので、これは職人さんがいなくなってしまうと岐阜和傘の伝統が途絶えかねないと思っておりますので、非常に大事な取組みだと思っています。

では、広域に視点を移していきます。先ほどまでセンターゾーンということを言ってきましたので、ちょっと誤解があるといけませんから、岐阜市はセンターゾーンだけをやっているわけではなくて、非常に広域にわたって事業をやっております。東海環状自動車道も2024年度には開通しますが、この岐阜インターのところでは24年度に供用開始されますが、薬科大学のキャンパス統合ということで地権者の方と交渉を進めさせていただいておりますし、ファミリーパークのある岐阜三輪スマートインターチェンジについては、ここを総合スポーツ公園化に向けて、今、順次土地の取得をさせていただきましたので、これから総合スポーツ公園化の事業を進めていきます。関市との間では、岐阜東バイパスが着々と国の事業によって進んでいます。各務原市でいえば、金町那加岩地線という都市計画道路を進めています。長森駅についても事業が始まりました。また、南部横断ハイウェイという21号線も都市計画変更がすでに終わっていますので、来年度に国の予算をしっかりとつけていただければ、21号線の岐阜市内の立体化もいよいよ進んでいきます。名鉄高架化事業も、今年度末に大臣認可をいただければ来年度からいよいよ始まります。こういった着々と岐阜市と近隣との広域にまたがる事業が、進んでいますので、センターゾーンのみならず岐阜市全体がダイナミックに動き出しているということもぜひ知っていただきたいと思います。
2020年代に4つのエリアを中心に岐阜が大きく動き出します。そしてシビックプライドの醸成を図って、定住・交流人口の増加を目指していきたいということでございます。

最後に、来年度についても少し触れておきたいと思います。
2022年度の政策の方針でありますけれども、毎年、政策のベクトルというのを掲げておりまして、来年度は「こどもファースト」、「ワークダイバーシティ」、「中心市街地活性化&社会基盤整備」、「共助・共生社会&環境」、「寄り添う福祉&健幸」ということで、特に新しい今後重点的に取り組むテーマとしてワークダイバーシティということを皆さまにお話したいと思います。
これはまさに働くと、ダイバーシティは多様性ということでありますが、今、例えば、岐阜市においては障がいがある方の超短時間雇用の取り組みを進めておりますし、女性が活躍していただくための現状と課題ということでも分析を進めています。コロナ禍で少しストップしておりますが、入国の条件が緩和されてきておりますので、外国人が活躍するために現状と課題ということで、多様な方が岐阜市において働くということを土台に活躍していただける社会を作っていきたい、まちを作っていきたいということで、このワークダイバーシティということを掲げています。例えば、先ほどお話をした、超短時間雇用ということですが、企業の皆さまにとっては人手が欲しいとか、残業が多くなって困っているというニーズがあります。働きたいという方にも、この働くということは別にフルタイムで働くことばかりが働くではなくて、短い時間だったら働けるけれどもという人もお見えです。こういった方々をしっかりとマッチングして、多様な働き方が実現できる、まさにワークダイバーシティを推進したいです。長時間労働が難しい方、例えば精神障がいがある方、難病の方など、そういった方の社会参画・自立を進めていきたいです。そして、超短時間雇用の仕組みを週20時間未満の雇用ということですが岐阜市で実現したいです。今、東京大学の先生と共同研究をやっておりまして、これまで神戸市、川崎市では実現しているわけですが、私たちのような中核市、地方都市において、こういった働き方というのが実現できるのかどうかです。まさに岐阜モデルというのを作りたいです。仮称でございますが、超短時間ワーク応援センターというのを作って、ここに創出コーディネーターという支援員を配置して、関係機関とも連携しながら、超短時間雇用に取組みたいです。企業と働きたいという方をしっかりと結び付けて支援していくというスキームを来年度構築して、社会参加の自立を促していきたいと考えています。このワークダイバーシティに取組んだ神戸市の例ですが、調査が行われていて、企業は、会社や部署の業務が整理できましたという声があります。これは何かというと、超短時間雇用の実現をするためには、自分たちの仕事というのがどうやっているのかということを整理して、そして仕事を切り出していって、障がいのある方にこの部分を短時間雇用として働いてもらいたいということをやらなければいけませんので、業務の整理が不可欠なのです。なかなか仕事が忙しくてできなかったことが、この超短時間雇用を導入することによって整理ができました。あるいは、社員の負担が減りましたというお声があります。あとは、社内の雰囲気が良くなりましたということで、障がいのある方と一緒に仕事をしますので、社員の方も当然、丁寧に受け入れて、親切に対応していかなければいけませんし、いろいろなタイプの方がいらっしゃって、お互いに理解しながら思いやりを持ちながら、一緒に共生して働いているということですから、こういう雰囲気がよくなったという効果もあるわけです。
次に女性でありますが、これは国の白書ですが、働きたいという女性と、現状としては働けている方との間には特に30代ですが、ギャップがあるというのが我が国にとって大きな課題です。今、就業希望者は198万人の方がいらっしゃるということで、この力をどう活かしていくかということです。女性が活躍するための課題ということで、結婚・出産や、ご主人の転勤などで環境が変わったと、ライフイベントによって離職をする女性がこういう不安を抱えています。介護や子育てがあって就業時間が制限されてしまなど、離職や育休などによって離職期間が長くなって、就業の感覚が取り戻せないで、職場復帰への自信が持てないというようなこともあります。こういった問題にどう光を当てていくのかということが、これが女性本人にとっても、そして地域の企業の皆さまにとっても大変重要だということです。具体的なソリューションはこれからですけれども、こういったところにしっかりと光を当てていくのが重要です。
3つ目です。外国人の雇用でありますが、現在、調査への回答があった中で、外国人を雇用していますという企業は112社、雇用していないという企業が456社ということで、雇用している企業のほうが少ないですけれども、例えば介護施設では雇用しておられるところが圧倒的に大きな、100人以上の従業員がいらっしゃるところが外国人の雇用が進んでいますし、商工業等においても同様で、こうした200人以上や300人以上で進んでいます。
小規模のところではなかなか進んでいないというのが明らかになっています。在留資格でどういう方が働いているかということで、技能実習というところが多いです。それから、特定技能も増えてきています。身分に基づく在留資格は永住権を持っておられる方等でありますが、技能実習や特定技能というところで働いておられる方が多いです。企業からして、雇用してよかったこというのは、真面目で積極的に働いてくれる、人手不足の解消に繋がったなど、職場の刺激になったとか、職場の雰囲気がよくなったというような声が多いです。一方で、課題でありますが、これははっきりしており、日本語の文章力・読解力が不足している、日本人職員とのコミュニケーションやお客さまや取引先とのコミュニケーションに課題を抱えておりますというような声が多いです。職員が困っていることでも、日本人職員とのコミュニケーションなど、介護だと介護の記録を作成するなど、利用者のご家族とのコミュニケーションなど、こういった日本語に関するところでまだまだ苦労が多いということがわかっています。したがって、行政にどんな支援を求めますかということでは、やはり日本語学習の支援、あるいは手続等についても複雑さに関する支援があります。あとは、生活環境の提供という支援についてもお声をいただいています。特に日本語能力においては、働くということ、市民生活を行っていくこと、どうしてもコロナ対策をやる中で外国人市民とのコミュニケーションに非常に苦労しましたので、やはり日本語能力というところは行政として何かしらの支援ができるところではないかなと考えているところです。コロナウイルスの関係でも、新規の予定者が入国できなかった等の影響があるとわかっております。ということで、ワークダイバーシティの推進をすることが、テレワーク、短時間労働など、いろいろな取組みがありますが、年齢や性別や障がいの有無にかかわらず一人ひとりが持てる力を発揮できる多様で柔軟な働き方を作りたいです。さらに、私は働くことというのは居場所や出番なのだと思います。それが幸せに繋がるというような観点で、このワークダイバーシティを進めたいと思います。

最後でございますが、最近話題のDXのことを触れて終わりにしたいと思います。
今、岐阜市でもDXを進めるということで、岐阜市ICT活用推進計画というものを作り、その方針に則って市民の皆さまの利便性向上や行政運営の効率化、働き方改革という観点からも様々な事業の取組みを実施しています。
いくつかご紹介したいと思っておりますが、例えばAIチャットボットを導入しました。これは、税金や子育ての35分野ですけれども、岐阜市のホームページをリニューアルしまして、新しいホームページの左下くらいにうーたんが出てきます。うーたんをクリックしていただきますとAIチャットボットが登場して、要は今までならお電話いただいたりして、わからないことをお問い合わせいただいたのですが、当然、仕事をしている方が多いですし、若い方なら寝る前とか自分の好きな時間に情報を知りたいということで、このAIチャットボットを利用していただくと24時間いつでもどこからでも簡単に相談していただける仕組みを作りました。これは実験を行い67%の方が便利と答えていただきましたし、92%の方からはぜひ継続してくださいと言っていただきましたので、継続してAIチャットボットを使わせていただいています。他にも、AIということで申し上げると、多言語翻訳にも活用していて、外国人市民の方は多国籍いらっしゃいますので、窓口等お越しになられたときにコミュニケーションができるようにします。あと、職員の仕事の中で会議録を作るという、議事録作成が大変だということで、AI会議録作成システムを導入しました。実際に389会議、61部署が使ってくれましたけれども、58%、611時間の削減になりました。アンケートは削減効果が58%ですので、もっと削減できるといいのですが、システムは日進月歩の世界ですから、さらに制度の高いものが出てくるのではないかなと思います。それからRPAという、Robotic Process Automationというソフトウェア型のロボットも今は税の関係を中心に使わせていただいています。このRPAというものは非常に良くて、実際に税の関係で12業務やってみましたけれども、なんと削減時間は630時間、削減率88.9%となっています。どんなことで使ったかというと、例えば、税還付金の対象者を特定して入力する仕事、導入前は310.6時間かかりましたけれども、導入後は50.8時間と短縮できているということです。例えば、所得照会を情報連携によってやらなければならないときに、138時間かかっていたものが2時間になったという成果が上がっています。まさにこういったものはひたすら照会して入力しなければいけないという、ハードパンチャーでひたすらパソコンに向かって入力しなければならない仕事を自動的にRPAというロボットのソフトウェアを使ってやってもらうということで、これは東海若手市長会の中でも首長の方に見ていただきました。皆さま、これは良いと感心をいただいて、まだまだ導入されている自治体ばかりではありませんので、一定の人口規模が必要だということもあると思いますが、こういったものを積極的に行政の現場に導入しながら、仕事の効率化をやっていきたいと思っております。ちなみに、岐阜市としても中小企業の皆さまに景況調査というものをさせていただきまして、今年の7月ですけれども、こういう答えをいただいております。DXについて取組んでいる・取組む予定をしているという企業が21.9%、検討しているという企業が19.5%ですが、取組む予定がないところも58.6%というところで、取組む、取組む予定がある、検討しているところが4割ある一方、残りの6割が取組む予定がないということです。これは社内にそういった人材がいないとか、いろいろな理由があると思うのですが、これからの時代どんどんDXが進んでいく中で、岐阜の企業の皆さまが6割導入する予定がないというと、これからの社会どんどん差が開いていく中で、こういったことにも今後岐阜市として行政もDX化を進めますけれども、岐阜市が丸ごとDXとして進んでいくようにいろいろな支援を考えていかなければいけないと思っています。
以上、「こどもファーストから始まる未来への挑戦」ということで、こどもファーストは様々な社会課題の解決の突破口ですということを、社会の変化の中で未来に向けて岐阜市も果敢に挑戦していますと、まちも変化していきます。その中で、やはり市民の皆さまのご理解とご協力があっての岐阜市政でございますので、これからも一緒に未来に挑戦していただければありがたいと思っています。

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