第1回 「持続可能」ってどういう意味?
「持続可能」って、誰の何がつづくことなの?
学生-最近、SDGs、「持続可能な開発目標」という言葉をよく耳にするけれど、「持続可能」は「誰の・何がつづく」ことなの?
先生-「持続可能な開発目標」は、どこの誰が定めたものかを知っていますか?
学生-国連で全ての国が合意してできたものだということは知っているよ。
先生-そうだね。2015年9月25日の第70回国連総会で、全193か国が、“Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development”という開発計画を採択しました。
外務省が作成した日本語訳がウェブページに載っています(※下記参照)。邦題は「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」となっていますね。
この文書に、“Sustainable Development Goals”と記されていて、その日本語訳として「持続可能な開発目標」の語が当てられています。
学生-だからSDGsを「持続可能な開発目標」と言うのだね。「開発」という言葉は、先進国向けというよりも開発途上国向けの言葉のように感じるのだけど…
先生-そうかもしれない。でも、2030アジェンダには、開発途上国も先進国も共に取り組む、と書いてあります。私は、“Development”の日本語訳としては「発展」のほうがわかりやすいかなと思っているよ。
学生-最初の質問に戻って、今、2030アジェンダを読んでみたら、この中に、“Sustainable”=「持続可能」が具体的にどういう意味かは書いてなかったな。
今だけでなく将来も、自分だけでなくみんなも
先生-一人ひとりが考える「持続可能」の意味が異なっていたら、持続可能な社会の実現は難しいですね。
例えば、私の考える持続可能性が、君の考える持続可能性を損なうものだったら、この世界は君にとって持続可能なものでなくなってしまいます。
そこで、「持続可能な開発」の意味ですが、 “Sustainable Development”という言葉が世界で認知されるようになったのは、1987年に国連の「環境と開発に関する世界委員会」がまとめた“Our Common Future”(私たちの共通の未来)からかな。委員長の名前を採ってブルントラント報告書と言われています。
“Sustainable Development”はこの報告書の中で定義されていて、「将来世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、現在のニーズを満たす開発」とされています。
学生-「ニーズ」って何?
先生-日本語の意味は「欲求」だけど、「生きていくのに必要なもの」という理解でどうかな?
それで、この報告書の定義によると、「将来世代のニーズを奪う開発は『持続可能』でない」と理解することになります。
つまり、現在を生きる私たちが「今の自分たちさえよければそれでよい」と今の自分の利益だけを求めるのでなく、「私たちはどんな世界を将来世代に引き継いでいくのか、そのために何をすべきか」を考えながら行動することが大事だということですね。
学生-確かに、将来を生きる人たちが、今を生きる人たちから「つけ」を回されても困るよね。世代間公平の問題を含むということかな?
先生-そうですね。同時に、現役世代について、自分だけでなく、周りのみんなのニーズを満たしていくことも大事です。
学生-「今だけでなく将来も、自分だけでなくみんなも」ということだね。
持続可能な社会を実現するためには、将来のこと、自分以外の人たちのことをよく考えながら行動することが大事だと理解できたよ。
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