岐阜市版レッドリスト・ブルーリストQ&A
市では、「岐阜市版レッドリスト・ブルーリスト2015」を作成しました。リスト作成によって、市の自然環境の現状を市民の皆さんに十分理解していただき、市内の貴重な動植物を守っていく機運を高めたいと考えています。
Q1 レッドリスト、ブルーリストとは何ですか
レッドリストとは、その地域に生育・生息する野生の動植物のうち、絶滅が危惧される動植物をカテゴリー別に選定したリストのことです。国(環境省)と、すべての都道府県で作成されており、近年、市町でも作成されています。
ブルーリストは、外来生物(本来市内に自然分布していなかったが、人為的影響で侵入した生物)を侵入の程度に分けたリストのことです。ブルーリストという名称は一般的に定められたものではありませんが、「レッド」に対する言葉として「ブルー」を使用しました。
Q2 なぜ岐阜市版レッドリスト・ブルーリスト2015を作成したのですか
市内に生育・生息する動植物の現状についてまとめることで、岐阜市固有の課題を見出すために作成しました。また、市民の皆さんが身の回りの動植物に目を向け、市の自然環境を再認識するきっかけになることも目指しています。
作成にあたっては、市が平成21年度から25年度にかけて行った「岐阜市自然環境基礎調査」の結果などをもとに、市内において生育・生息が確認された動植物5,381種の中から、レッドリストで465種、ブルーリストで285種を選定しました。
Q3 国や県のレッドリストとはどこが違うのですか
岐阜市版レッドリストは、市の動植物の生育・生息状況に特化して作成しました。
例えば、ギフチョウは、今回、岐阜市版レッドリストには選定していませんが、環境省レッドリストでは「絶滅危惧2類」、岐阜県レッドリストでは「準絶滅危惧」に選定されています。
Q4 リストはどのような基準で選定したのですか
レッドリスト
カテゴリーは、以下のとおりです。
区分 | 基本的な考え方 | 定性的要件 |
---|---|---|
絶滅 | 市内では、すでに絶滅したと考えられる種。 | 過去に市内に生育・生息したことが確認されており、飼育・栽培下を含め、市内ではすでに絶滅したと考えられる種。 |
野生絶滅 | 市内において、飼育・栽培下でのみ存続している種。 | 過去に市内に生育・生息したことが確認されており、飼育・栽培下、あるいは自然分布域の明らかに外側で野生化した状態では存続しているが、市内において本来の自然の生育・生息地ではすでに絶滅したと考えられる種。 |
絶滅危惧1類 | 市内において、絶滅の危機に瀕している種。 現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、野生での存続が困難なもの。 |
市内において次のいずれかに該当する種。
|
絶滅危惧2類 | 市内において、絶滅の危険が増大している種。 現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来「絶滅危惧1類」のランクに移行することが確実と考えられるもの。 |
市内において次のいずれかに該当する種。
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準絶滅危惧 | 市内において、存続基盤が脆弱な種。 現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位ランクに移行する要素を有するもの。 |
市内において次のいずれかに該当する種。 生息状況の推移からみて、種の存続への圧迫が強まっていると判断されているもの。具体的には分布域の一部において、次のいずれかの傾向が顕著であり、今後さらに進行するおそれがあるもの。
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情報不足 | 市内において、評価するだけの情報が不足している種。 | ランクを判定するに足る情報はないが、次のいずれかに該当する種。
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選定理由は以下のとおりです。
項目 | 選定理由 |
---|---|
分布限界 | 北限や南限など、生育・生息地が分布の限界になっている。 |
希少 | 個体数が極めて少ない。 |
特殊環境 | 湿地や湧水地など限られた面積しかない環境や、小規模の開発によっても影響を受けやすい環境にのみ生育・生息している。 |
特異生態 | 寄生や腐生、共生など特異な生態のため、環境変化の影響を受け易い。 |
環境改変 | 各種開発行為あるいは放置により、生育・生息環境が減少・消失している。また、これにより個体数が減少している。 |
営利目的 | 採集・捕獲などにより個体数が減少している。 |
外来種の影響 | 外来種による捕食や生育・生息環境の競合により、個体数が減少している。 |
ブルーリスト
基本定義は、「本来市内に自然分布していなかったが、人為的影響で侵入した生物」としました。
カテゴリーは、以下のとおりです。
区分 | 内容 |
---|---|
侵入ランクA | 市内に広範囲に分布・定着しているもの |
侵入ランクB | 市内への分布は局所的であるもの |
侵入ランクC | 市内への侵入は初期段階もしくは未定着のもの |
Q5 レッドリストの種に「アユ(天然遡上)」とありますが、どのようなアユですか
レッドリストは、野生の動植物を学術的な視点から評価しており、今回対象となったアユ(天然遡上)については、「降海した後に遡上するもの」を指しています。
Q6 レッドリストで「アユ(天然遡上)」を準絶滅危惧に選定したのはなぜですか
今回選定したアユ(天然遡上)については、1990年代半ば以降、個体数が減少していること、生息条件が悪化していると考えられることなどから、準絶滅危惧に選定しました。
Q7 アユをレッドリストに選定している自治体は他にありますか
岐阜市以外にも、アユをレッドリスト(またはそれに相当するもの)に選定している自治体はあります。
例えば、以下の自治体で、アユが登録されています。(平成27年3月現在)
- 長野県 絶滅危惧1A類
- 奈良県 河川遡上個体が絶滅寸前種
- 名古屋市 絶滅危惧2類
- 北海道 希少種
- 大阪府、福岡県、長崎市 準絶滅危惧
- 神戸市、堺市 Cランク
Q8 なぜ、ギフチョウやメダカをレッドリストに選定していないのですか
ギフチョウは、環境省レッドリストにおいて絶滅危惧2類、岐阜県レッドリストでは、準絶滅危惧に選定されています。また、メダカ(ミナミメダカ)は環境省のレッドリストで絶滅危惧2類に選定されておりますが、どちらの種も市内の広い範囲にわたって生息が確認されていますので、今回は選定しませんでした。
Q9 「アユ(天然遡上)」を準絶滅危惧に選定したことで、伝統の鵜飼やアユ漁を続けてよいのですか
長良川のアユは、岐阜市の重要な水産・観光資源であり、現在長良川においては稚魚の放流や卵のふ化事業などさまざまな取り組みにより守られています。このため、鵜飼やアユ漁を控える必要はありません。
Q10 レッドリストにおいて、絶滅危惧1類には、何を選定しましたか
「岐阜市自然環境の保全に関する条例」で「貴重野生動植物種」に指定しているヒメコウホネやヤマトサンショウウオなどを選定しています。
Q11 レッドリスト・ブルーリストの作成により、今後はどのようなことを進めていくのですか
現在、市が行っている貴重な動植物の保全をよりいっそう進めるとともに、今年度策定予定の生物多様性地域戦略にも反映させたいと考えています。
Q12 リストの内容について学習したいのですが、出前講座などはありますか
リストの内容にとどまらず、岐阜市の自然環境に関する出前講座を実施しております。まずは、環境保全課(214-2151)までお問い合わせください。
Q13 レッドリスト・ブルーリストの冊子があるとのことですが、どこで見ることができますか。
以下の場所で閲覧できます。
- 市図書館分館、図書室(長良、東部、西部、長森、柳津)
- 各コミュニティセンター
- 市政情報コーナー
- 市科学館
- 環境保全課(新庁舎14階)
また、市ホームページでもPDF版がご覧いただけます。
※絶滅危惧1類、絶滅危惧2類の「1」「2」は、このウェブサイト上でローマ数字が使用ができないため、アラビア数字を使用しています。
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このページに関するお問い合わせ
環境保全課
〒500-8701 岐阜市司町40番地1 市庁舎14階
- 電話番号
- 自然係:058-214-2151
- 大気・騒音係:058-214-2152
- 水・土壌係:058-214-2153
- ファクス番号
- 058-264-7119