令和6(2024)年度予算編成方針説明会(令和5年10月11日)

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ページ番号1023549  更新日 令和5年11月10日

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令和6(2024)年度予算編成方針

それでは2024年度の予算編成方針について、お話をいたします。
今日はまず「岐阜市の現状」、「予算編成の考え方」、そして「政策のベクトル」という3つの柱でお話をしたいと思います。

岐阜市の現状

まず「岐阜市の現状」です。
岐阜を動かすというのは、私たちの大きな使命でありますが、2023年、「柳ケ瀬グラッスル35」や「セントラルパーク金公園」の再整備が行われ、柳ケ瀬あるいは金公園の周辺に新たな人流ができ、滞在者も増えました。
特に年代で見ると30代以下の若い人たちが大勢、街の中に足を運んでくれるようになりました。
新たに未来への投資をし、まちづくりを行うことで、人の流れが変わるということが数字でも分かるわけです。
今後、岐阜を動かし続けていこうということで、すでに各担当部局において、それぞれの事業を動かしていただいていますが、「岐阜駅北中央東・中央西第一種市街地再開発事業」はまさに岐阜の玄関口が大きく動き出していますし、「名鉄名古屋本線鉄道高架化事業」によって踏切の事故や渋滞の解消を、さらには境川の治水事業も行われる。
そして関連してJR長森駅周辺のまちづくりも進むということで、非常に広域にわたる岐阜市のまちづくりが、この鉄道高架化事業の延伸によって進んでいくわけです。
「スマートシティぎふ推進事業」では、令和5年の11月から5年間継続して自動運転の実証実験を行います。
さらに道路空間の利活用でも、同じく11月には金華橋通りで社会実験を行います。
これらのさまざまなまちづくりをさらに大きく動かしていく観点から、道路空間の利活用を通じて、エリア全体の価値を高めていきたい、回遊性を高めていきたい、そしてまちの中に多くの市民の皆さんに滞在していただける、そんなまちをつくっていきたいと考えています。
先日も、国土交通省に道路予算の要望に行きましたが、東海環状自動車道が県内は2024年度、三重県境も含めると2026年度に全線が開通をします。
こういった新たな社会資本が、私たちのまちにようやく全線開通という形ででき上がるわけでありますので、すでに開通をしている岐阜三輪スマートインターチェンジ周辺においては、農業6次拠点化を通じた企業の立地、そして(仮称)岐阜インター周辺においては、薬科大学のキャンパス統合からライフサイエンス拠点という形で事業が進んでいくわけですし、ものづくり産業等集積地計画の中でも、新たに三輪地域ではなく、柳津地域において、企業の立地を本格的に進めていく事業を行っていきます。
これらの一つひとつ、すでに発表し、進んでいる事業ではありますが、1年1年これらが着実に進んでいくことによって、市民の皆さんに岐阜が動いていると実感していただく大切な事業であります。
ぜひ、2024年度も関連する予算を計上し、事業を前に進めていただきたいと思います。
こうしたさまざまな取り組みをしておりますと、今、まちの価値が向上してきています。
バブルの頃の地価は、もう例外中の例外でありますが、再開発、イノベーション、いろんな事業を進めることによって、地価が反転をしてきます。
さらには、まだ減少は続いておりますが、緩やかになってくるということで、下げ止まりの兆しが見えてきていると思います。
こういった地価というのは非常に正直なものでありますから、私たちの事業がきちんと前に進んで未来に投資することによって、地価にその結果があらわれてくるということです。
また柳ケ瀬エリアの周辺では、大変嬉しいことですが、近年は特にこの2年で100店舗、新規に出店が見られたということで、これまでもリノベーションまちづくり等をやることによって、若い方がお店を出すということがありましたが、それが今、非常に速いスピードで加速をしてきているということでありますので、これもこれまで職員一同取り組んできてくれた大きな成果だと感じております。
一方で人口であります。
私たちは、人口減少そして超高齢社会、そのど真ん中にすでに入ってきていると、これはしばらく続くのだということを、私たちも前提にとらえていかなければいけません。
特に財政部と日頃、税収の話をよくいたしますが、人が減れば納税者が減るわけであり、私たちの税収が減るということ、一方で超高齢社会ということは、必然的に社会保障費が増えるということですから、私たちが政策的に投資できる余力はどんどん少なくなってきます。
この点をとらえつつ、どう削減をしていくのかということですが、一つ私たちとしては少し明るい兆しということで、出生数の対前年度比率を見ていただくと、全国、岐阜県そして岐阜市を比べたものですが、全国や県では、今、非常に少子化というのが進んできていますが、岐阜市においては、まだ100%は超えておりませんが、出生数の対前年度比率が全国や県よりも、減少率が小さくなっています。
これも皆さんのいろんな取り組みのおかげです。
社会動態ですが、これは1年ごとに見たものでちょっと細かいですけども、全体で言うと20代は引き続き転出超過です。
これは大きな課題です。
一方で、30代40代の子育て世代は転入超過です。
この点については、私たちは自信を持って、子育て世帯の皆さんが、しっかりと私たちのまちを選んでくださるというまちづくりをこれからも続けていく必要があります。
さらに、5年ごとに刻んで企画部に社会動態の数字を出してもらったのですが、平成10年から平成14年は、私が、岐阜を離れた時代です。多くの同級生が岐阜を離れました。
しかし時代が変わってきて、直近の5年(平成30年から令和4年)では、社会動態は全体でプラスでとなっており、この点からも岐阜市が選ばれるまちになってきていると分かります。
コロナ禍を通じても、マイナスの時代からプラスになってきているという点は、皆さんに自信を持っていただいて、私たちがいろいろ取り組んでいることは決して間違っていないのだということも、社会動態のグラフを心に置きながら、施策に取り組んでいただきたいと思います。
これまで社会課題のさまざまな解決ということで、ハード系のまちづくりのみならず、いわゆるソフト事業にも積極的に取り組んできました。
市民の皆さんが多様に課題を抱えておられる中で、「不登校」、「ひきこもり」、「8050問題」を一連のものとしてとらえながら、「寄り添う福祉」の施策を打とうということでやってきました。
例えば不登校の問題であれば、コロナ禍でさらに今、増えていますが、東海地方初の不登校特例校草潤中学校を開校したことを皮切りに、さらに令和5年度は、校内フリースペースを中学校の5つの学校に設け、こういった場所に子供たちが来て学びに繋がっているということです。
さらに、義務教育学校を2025年度2026年度に、順次開校することによって多様な学校形態を通じて、子供たちの学びを支援していく。
不登校やいじめの問題にしっかりと取り組んでいくうえで、この問題をまず解決するためにはどうしていったらいいのかということで、施策の深掘りをしてきたわけです。
ひきこもりはどうか。
すでに就職氷河期世代の時代も含めて、一定のひきこもりの方がいらっしゃいます。
これまでは保健所に対応してもらいましたが、2023年度に福祉政策課にひきこもり相談室を作って、相談しやすい環境も整備をしました。
それにより相談者の数が大きく増えているということですから、手を打てば支援にさらに繋がる。ひきこもり対策の一つの拠点ができ、施策を深掘りしていくスタートを切ることができました。
これまでワークダイバーシティは、経済部と福祉部に頑張っていただいていますが、就労という、まずやはり働くということが幸せにつながるのではないかということで、「ワークダイバーシティ推進事業」や「超短時間雇用創出事業」というものを、この複数年度に渡ってこれまで続けてきたわけですが、ここに至る前の段階の方の支援も含めて、懐深く支援をしていくという体制を作ってきたわけです。
8050問題ですが、超高齢社会ですから、一定のひきこもりの方がいらっしゃるとすると、続々と8050問題に移行してくることが考えられます。
そのため、重層的支援推進室を作り、横断的に解決の伴走型の支援をするということでやっていますが、担当者はスクランブル発進ということで非常に多忙を極めています。
しかし、そう簡単に8050問題は解決をしていきませんので、これからも寄り添う福祉の中で、一体となって協力をしながら支援をする。
不登校が日本全国どんどん増えていますが、今後ひきこもりが8050問題に移行しないように、部局を超えて、岐阜市全体の問題として取り組んでいくということが大切です。
今、「不登校」、「ひきこもり」、「8050問題」の3つの観点から話をしましたが、もう一つ「生活困窮」という問題があります。
特に離婚を通じてひとり親家庭になるということが、生活の困窮に繋がる大きな原因であります。
これまでも、コロナ禍を通じてあんしんつながりステーションを作り、まずはご相談に駆け込んでいただいて、ご相談にのっていくという支援をしてきました。
そして子ども見守り宅食支援事業というのは、アウトリーチ型でお弁当をお届けすることによって困っておられる方、何か相談を必要とする方、支援が必要なのではないかという家庭との繋がりを持ち、そこから関係機関の支援につなげていくという取り組みもやってきました。
こどもサポート総合センターでは、県警、児童相談所、岐阜市のエールぎふ、そして教育委員会と、児童虐待を見逃さない、しっかりと支援ができる体制を県と協力してやるという形で、実際にさまざまな困難を抱える特にひとり親家庭の皆さんに、支援のいろんなウイングを広げながら漏れなくやってきました。
ただし、この貧困の連鎖を絶っていかないと、次の世代に貧困が受け継がれていってしまいます。
例えば養育費取り決め支援事業を行って、困窮する一番の原因は、離婚をした場合の片方が養育費を払わないという、親の責務を果たしていないことが原因でありますので、この養育費を払うということを取り決める支援をする、あるいはそういうことが必要なのだということを促していくきっかけを作る。
さらに面会交流の支援を通じて、子どもと離婚して親権を持っていない側の親が、子どもと会う機会を作ることを支援することで、こうした養育の支援にもつなげていく。
さらに、児童養護施設の退所者の生活支援も行っています。
これまでもいろんな施策を講じて、生活困窮という問題に取り組んできました。
先ほどお話した「不登校」、「ひきこもり」、「8050問題」という一連で、各部局を越えた取り組みと同じように、市民の生活困窮という問題、特にひとり親家庭が生活困窮するリスクが高いわけですので、この分野についても、現在、さまざまな事業を行っていますが、さらに深掘りをして、どこが足りないのか、どうすればこの生活困窮の、特に貧困の連鎖を断っていくことができるのか、経済的自立ができるのかという施策を深掘りしてほしいと思います。
令和5年度の市民意識調査によりますと、大変うれしいことですが、中心市街地のにぎわいについて「高まっていると思う」、「どちらかといえば思う」という回答が23.1%(令和4年度15.4%)に増えています。
さらに、「思わない」という回答が24.3%(令和4年度46%)と激減しています。
今、岐阜を動かすために取り組んでいるさまざまな施策について、市民意識調査でもその変化が生じてきています。
最終的に、にぎわうだけが目的ではなく、やはり市民の皆さんに「幸せだ」、「岐阜が好きだ」、「住み続けたい」と思っていただけることが、私達の最終の目的ですから、現在約7割の方が、どちらかというと良い答えをしてくれていますけれども、さらにそれを8割9割と増やして、私たちは市民の皆さんのWell-beingに貢献していくということが大切だと思っています。
以上のような現状をしっかりと踏まえていただいた上で、施策を講じ、予算編成に当たっていただきたいと思っております。
皆さん、当たり前に分かっていることですので、岐阜市のみならず、我が国が全体に抱えているさまざまな課題に対してももちろん、適切に対応するために策を講じるわけですが、これまで岐阜市が複数年やってきて良かったと、効果が出ているということもしっかり捉えながら、良いものは伸ばすし、改善が必要なものは施策を変えて新たなチャレンジをしていくという観点で、予算を編成していただきたいと思います。

予算編成の考え方

では、予算編成の考え方です。
まず、キーワードとして「EBPM」、「オープンイノベーション」、そして「適正な事務執行」の3つを掲げました。
その土台には、堅実な財政運営というのはもちろんですし、令和6年度も5つの政策ベクトルを掲げて、予算編成に当たっていただきたいと思います。
まず、EBPMです。
令和5年度もEBPMを大事な柱に、皆さんにお話をしてきました。
先ほどからお話をしているように、すでに人口が減るという時代です。
社会保障をはじめ、さまざまなニーズも増えるという時代ですから、財政は楽になることはありません。
そのため、私たちが施策に取り組むにあたっては、しっかりとしたエビデンスに基づく施策立案し、さらにその目標の設定も、効果の検証も、エビデンスをしっかりと捕まえて判断をしていく。
さらには、あまり評価が高く上がっていない、効果が出ていないという事業については、思い切って事業を見直すことを、令和6年度の予算編成でも徹底してやっていただきたいと思います。
私たちは、限られた税を市民の皆さんからいただいて、限られた財源の中で施策を講じ、使わせていただいている立場でありますから、「ワイズスペンディング」という考え方を常に持って、予算編成に取り組んでいただきたいと思います。
2つ目のキーワードはオープンイノベーションです。
やはり私たちは、財源も人的資源も限りがあります。
各部局から人を増やしてほしいとの話もありますが、ご案内のとおり、人件費はどんどん上がっていきます。
このように、固定費が上がるということは、その分未来への投資ができなくなるということなので、当然、人的資源にも限りはあるということを前提に、特に官民連携という民間の皆さんのノウハウや、資本、さまざまな支援をいただけるものについては、民間の皆さんとしっかり連携をして、有効な施策に取り組むということを考えてもらいたいと思います。
代表的な例で言いますと、令和5年度には、岐阜公園のPark-PFIの募集をしていますが、このPark-PFI方式の非常に優れているところは、私たちが通常市民の皆さんの税をいただいて、あるいは国の支援をいただいて、施設を作り、その施設の運営を委託するなりしてというように、すべて市民の皆さんの税金が出ていく話が圧倒的に多いわけです。
しかし、Park-PFIの場合は、事業者を募集して、事業者が自分たちのお金で建物を作り、自分たちで運営し、さらに集客を高めるために自分たちで投資もしてくれるという、私たちの街に市民の皆さんの利便性や観光の振興のために、民間がその資本を投じてくれるというのが、このPark-PFIの素晴らしいところであります。
そのため、そういう発想を持って、すべて私たちが市民の皆さんの税金を何でも使うということではなく、民間の資本とか人的資源やノウハウというものを、私たちのまちづくりにどんどんと取り入れていき活かしていく。
それは、民間の皆さんにとってはビジネスチャンスであり、実績を作ることになり、地域に対して貢献できる貴重な機会になりますので、民間と市、市民を含めれば「三方よし」のみんながWin-Winになれる仕組みになります。
そういう発想を持って施策を立案していただきたいと思っています。
次に、庁内連携していくことは当然であり、庁内でしっかりと部局を越えて連携しようということであり、広域連携についても近隣自治体、あるいはさらに地域を越えて、これからも取り組んでいきますが、これまでも行ってきたことをしっかりと進めていただきたいと思います。
3つ目のキーワードは、適正な事務執行です。
先日も課長級の皆さんは、適正な事務執行についての研修を受けていただきましたが、今回のことを私たちはしっかりと教訓にし、適正な事務執行を確保するということも、令和6年度の予算編成の大事なテーマとしてとらえていただきたいと思います。
そこで、4つ取り組んでいきたいと思います。
1つ目は、契約・予算執行制度を見直すこと。
2つ目は、システムによってリスクを排除すること。
3つ目は、職員の負担軽減を図ること。
4つ目は、職場環境の改善などを図ること。
そのために、事務手続きのDXを一層加速していただきたいと思います。
それは、職員の負担軽減にもなるし、システムによってリスクを排除するということでもあります。
つまりは、人が手入力をやれば、そこに入力ミスというリスクが必ず存在をします。
そのリスクを何人もの職員で確認をするという対策が不祥事の際に出てきます。
しかし、そのようなことは極めて人的資源の損失であり、システムによって初めから自動的に正確なデータが入るようにすれば、リスクは排除でき、確認も不要になります。
RPAやAI-OCRの活用などを例にあげますが、人の手を介さずに、システムを通じて自動的に仕事が行える仕組みをどう作るかということを、関係部局それぞれの現場の仕事を見直してやってもらいたいと思います。
そして、内部統制の強化では、まず事務手続きマニュアルの管理の徹底を図りたいと思います。
これまでも各部局でマニュアルを整備してもらっていますが、それぞれによって書式などがバラバラだったりしますので、マニュアルを徹底して、統一的に管理ができる内部統制の仕組みにしていきます。
さらに、分からないことは問い合わせてヘルプをしてくれる体制を、機構改革を通じて作ることをやりたいと思っています。
そういう形にしていくことで、とにかく無駄なリスクがわざわざ生じるような仕事の仕方をやめ、効率よく、限られた人的資源で仕事をしていく。
マニュアルはしっかりと管理をして、アップデートをして、正しい情報を職員に伝えるという体制をしっかり作ることで、私たちは不適正事務執行とは全く関係ないとなるように、今回の教訓を生かしていきたいと思っています。
全体のマニュアルの管理徹底は、特定の部局の方が取り組むことですが、事務手続きのDXを図ることによって、リスクを排除する。
そして効率的な仕事をするということを、全部局それぞれに確認をし、令和6年度の予算編成で徹底をしていただきたいと思います。
マニュアルについては、私のところにまだすべてを持ってきてもらっていませんが、マニュアルを見れば、一目瞭然です。
仕事の仕方が全部出てきますので、人の手を介在して、無駄なことをやっていると、すぐにわかります。
そういうものを、いかに排除するかということをやってもらいたいと思います。

政策のベクトル

では、3つ目、「政策のベクトル」です。
「政策のベクトル」については、皆さんにはすでに7月の行政経営会議を通じて発表していますが、一部、付け加えているところもありますので、改めてお話をしたいと思います。

こどもファースト

まず「こどもファースト」です。
岐阜市政の不変の方針、あらゆる社会課題の突破口として、こどもファーストを掲げ続けています。
「子どもを育てる第一義的責任は保護者にある」という点は非常に大事です。
今、私たちの社会の中では、すべての家庭の中に、第一義的責任があるじゃないかと言った時に、しかし、例えば核家族化やひとり親家庭が増加することで孤独になったり、孤立をしたりという社会の課題があります。
そのために、寄り添う福祉ということでいろんな施策を講じてきています。
ただし、あくまでも第一義的責任は保護者だということを、私たちは絶対に忘れてはいけないと考えています。
では、どうしていくのか。
子どもを育てるのは保護者であるため、保護者がしっかりと仕事をし、世帯として所得を上げ、経済的自立を図り、子どもをしっかりと保護して育てるというその責任が保護者にはあります。
いま、仕事と家庭の両立を図ることが非常に大事で、物価も上がってきている、働いて収入を上げていかなければいけない、国の税制社会保障は抜本的な改革になっていませんが、これからはそういうことも含めて社会全体の構造を変えない限り、物価高を乗り越えていけないでしょう。
現在、岐阜市では保育所の待機児童はゼロです。
放課後児童クラブは、お子さんが小学生だというご家庭の仕事と家庭の両立を図るというところにおいてとても重要であり、放課後児童クラブをしっかりと充実強化をして、子どもたちが放課後児童クラブに入れる環境を作るということは、喫緊の課題です。
そのため、担当する教育委員会には、よろしくお願いしたいと思います。
児童館は、子ども未来部の所管ですが、子どもの居場所の環境改善は非常に大事だと思います。
放課後児童クラブや児童館など、子どもたちが一定の時間を過ごす場所、もちろん教育の学校施設もそうですが、やはり子供たちがいる場所がぼろぼろで、非常に環境が劣悪であるという状態は、これは避けなければいけません。
しかし、一気に建て直すことは財政上、無理なので、そういう状況の中でどう子たちの居場所の環境改善に取り組むかということを考えていただきたいと思っています。
国は異次元の少子化対策を行うとのことですが、まだ年末にさまざまな議論があると思いますので、そういった国のいろんな議論を踏まえた中で、私たち基礎自治体が取り組むべきことは何かということを考える必要があります。
ただし、子どもを育てる第一義的責任は保護者であるという点は、絶対に忘れてはいけないことです。
しかし、保護者が子供たちを育てるにあたって、必要な支援があるとしたときに、どう支援をしていけるのかということですので、そういった観点で検討してもらいたいと思います。
次に、未来の学校を見据え教育大綱の具現化を進めるということですが、あえて「未来の学校を見据える」という点を今回、追加しました。
先ほど触れたように多様な学校形態ということで、義務教育学校をこれから2つ作っていくわけですが、さらに教育大綱を具現化していくにあたっては、学校教育施設はどうあるべきなのかを私たちは考えていかなければいけません。
しっかりと将来を見据えて、まさにこういうことこそ未来への投資であると、真のこどもファーストであると考えています。
最後に、高等教育改革についてです。
薬科大学のキャンパス統合、法人化、そして今、議論をしていますが、女子短期大学のあり方など、義務教育ではありませんが、高等教育として岐阜市が担っているところについても、引き続き取り組んでいただきたいと思います。

経済の活性化

次に、「経済の活性化」です。
これまでは、「ワークダイバーシティ」と言っていましたが、特にワークダイバーシティは、働きづらさや生きづらさを抱えている方々に働ける環境を作るということに意味がありました。
ただし、企業立地なども進んできましたので、少し広くとらえて、岐阜市の「経済の活性化」というベクトルに致しました。
企業立地については、これまで岐阜市のウィークポイントでありましたので、今、順次進んできておりますけども、これを着実に進めて欲しいと思います。
そして、ワークダイバーシティの施策も引き続き取り組んで、幸せを感じられる方が増える施策をやっていただきたいと思います。
今回、岐阜市版スタートアップエコシステムを構築するということとしました。
先般、GIFU IGNITEでも議論がありましたが、今、事業所数もどんどん減ってきていて、非常に産業の変化が激しい時代です。
岐阜市版スタートアップエコシステムをしっかりと構築して、これは人を繋げるという意味でも、あるいは新しい技術や研究の成果を繋げるという意味でも、あるいは大手の企業と繋げるという意味でも、こういったスタートアップの人材が私たちの街において、軌道に乗っていけるように、粘り強く支援をしていかなければいけないと思います。
そのために、あえて挙げさせていただきましたので、スタートアップの支援を本市において、より強化をしていっていただきたいと思います。
一方でスタートアップではありませんが、岐阜市は中小企業が圧倒的多数であり、その中小企業にとって今、乗り越えなければいけないことは、人材の確保です。
そのためには、採用力を向上させる必要があります。
優秀な女性が岐阜の中小企業で働きたいと言っていただくためには、ジェンダーギャップの解消を図らない限り、優秀な女性は来てくれないわけですので、中小企業においてもジェンダーギャップの解消ということを取り組まなければいけません。
さらに若い世代にとっても、DXは当たり前ですので、いつまでも紙で伝票を書いている、市役所に書類を持ち込んでくる、こういうことは無駄でしかないわけであって、中小企業も、もっとしっかりDXを図って生産性を高めて、優秀な岐阜市の地元の人材が地元の企業で働きたいと感じられる中小企業の支援をしていかないと、これからはもっともっと人を採用できなくなります。
これは、岐阜市役所も一緒です。
民間との取り合い、他の自治体との人材の確保競争ですので、DXをいかに進めて、働きやすい環境を作り、生産性を高めるかということに取り組んでいただきたいと思います。
続いて、観光の観点です。
新型コロナが5類になり、インバウンドが回復してきている。
さらには、「地域DMO」というものによって、「まず、観光もEBPMです。きちんと観光マーケティングに基づいて、観光の誘客の施策を打ってください」ということです。そのため、観光のアップデートを令和6年度は改めて取り組んでいただきたいと思っております。

岐阜を動かす社会基盤整備

3つ目は、「岐阜を動かす社会基盤整備」です。
もともとは中心市街地ということだけを言っていましたが、今、さまざまな岐阜市内の地域の多様な課題について動かしていますので、中心市街地活性化と多様な地域課題の解決の2つを柱として構えながら、「岐阜を動かす社会基盤整備」に取り組んでいただきたいと思います。
特に、公共空間が非常にエリアの価値を高める意味で、大変重要な位置を占めると思います。
これまでもセントラルパーク金公園の整備などをやってきましたけれども、道路空間、広場、水辺も含めて、公共空間をしっかりと活かしたまちづくりに取り組んでいただきたいと思います。

幸せで豊かな市民生活

4つ目は、「幸せで豊かな市民生活」です。
これまでは、寄り添う福祉というベクトルにしていましたが、もう少し広く福祉的な部分だけではなく、生涯を通して学べる環境という学びや健康づくりもそうです。
そして、さまざまな課題を抱えておられる市民の皆さんに寄り添う福祉の推進ということで、こういった学び、健康、そして寄り添う福祉という観点全体をもって、市民の皆さんの幸せに貢献していく。
そういった施策を関係部局には取り組んでいただきたいと思います。

持続可能な社会づくり

最後5つ目は、「持続可能な社会づくり」です。
人口減少と超高齢社会の進展、気候変動の地球温暖化など、どう考えても私たちの社会の持続可能性が脅かされていると思います。
この認識を持って、持続可能な社会づくりに取り組まなければいけないと思います。
岐阜市は、ゼロカーボンシティを宣言しましたので、地球温暖化対策実行計画を着実に進めるということはもちろんのことです。
コロナも開けて、地域コミュニティもさまざま活動が再開しておりますが、地域コミュニティの活動の支援にも引き続き取り組んでいく。
そして、3つ目が、超高齢社会の進展によって、社会保障の経費はどんどん右肩上がりです。
ただ最近、こういったサービスを提供する事業者で、さまざま指摘される問題が出てきています。
社会保障費は、国費、県費、市費、すべて国民、県民、市民の皆さんの税金が原資ですので、必要とされる社会保障はサービスとして提供しますが、不正を行ってそのサービスの信頼を損ねる、こういうことがあってはならないという考えです。
そのために、適切な指導監査を実施します。
まさに、本市におけるこういった社会保障サービスを提供する事業者に対する、監査体制を強化して、真面目に一生懸命、市民の幸せに貢献してくださっている事業者がしっかりと報われるようにする。
そして、国民、県民、市民の税が適切に本当に必要とされる方に使われる、そういう社会にしなければ、とても持続可能な社会保障制度が成り立ちえないという危機感があります。
この部分をしっかりと体制を強化することによって、良質な社会保障サービスを提供するということに取り組んでいきたいと思っています。

堅実な財政運営

以上、5つのベクトルを申し上げましたが、下支えするのは当然ですが、財政です。
EBPMを着実に実施すること、当然ですが「中期財政計画」、そして「公共施設等マネジメント条例」、こういったものもすでに発表をし、皆さんもよくわかっていることでありますが、この趣旨をしっかりと理解をした予算編成を行う。
そして、官民連携ということも大事にして、効率的に必要な資金は使わせていただくということを心掛けていただきたいと思います。
その上での「未来への投資」です。
この未来への投資を怠ると街は着実に衰退します。
この未来への投資をこれからも継続して行い続けたい。
それが岐阜の価値を高める、市民の幸せに繋がるということを私たちは大きな目標としながら令和6年度の予算編成に当たっていただきたいと思います。
市民の皆さんの笑顔が見たいと、幸せな市民の姿を私たちは見たいということで、令和6年度の予算編成も頑張っていただきたいと思います。
以上、よろしくお願いします。
 

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