現在の庁舎が抱えている課題

現在の庁舎が抱えている課題
(2015年2月19日更新)

 本庁舎は、大地震など大規模災害発生時には、災害対策本部が設置されるなど、市民の皆様の生命や財産、生活を守る災害対応拠点になります。
 しかし、現在の庁舎は、防災や利便性に関する様々な課題を抱えています。 


老朽化

 本庁舎は、昭和41年の建設から約半世紀が経過し、老朽化が進んでいます。
 また、昭和56年に建築基準法が改正されましたが、本庁舎は、改正前のいわゆる「旧耐震基準」に基づいて建築された建物です。そのため、阪神・淡路大震災などにおける旧耐震基準の建物の被害状況を踏まえると、南海トラフ巨大地震などの大規模地震に見舞われた場合、建物や設備類に大きな損傷を被り、災害対応拠点として使用できなくなる可能性が強く懸念されます。東日本大震災の際、本市と同じ年代に建てられた庁舎が大きく損傷し、災害対応拠点として使用できなかった自治体がありました。
 南海トラフ巨大地震など大規模地震が危惧されている中、災害対応の司令塔である本庁舎が使用できなくなる可能性が高いということは、円滑な災害対応や復興業務の大きな支障となる極めて深刻な問題といえます。
 

アスベストの使用

 本庁舎の天井裏の梁には、耐火や断熱等の目的で吹き付けアスベストが使用されています。アスベストは、発がん性があり、悪性中皮腫や肺がんなどの原因になる人体への有害性が問題となったため、現在は製造や使用が禁止されています。
 しかし、使用が禁止される前に建築された本庁舎は、高層部の1階から8階まですべての階の天井梁、及び低層部の4階議場の天井梁にアスベストが使用されており、その吹付け面積はサッカー場のおよそ半分にあたる延べ3,500平方メートルに及びます。下の写真は、本庁舎高層部天井裏を撮影したものですが、正面に写る梁には吹き付けアスベストが大量に使用されています。
 なお、アスベストは飛散したものを吸い込むことが問題ですので、関係法令に基づき、高層部は密閉する囲い込み、低層部は樹脂で覆う封じ込めという飛散防止のための措置を講じています。
 しかし、大規模地震で天井部分が損傷した場合、庁舎内にアスベストが飛散し、本庁舎を災害対応拠点として使用できなくなる可能性が高いだけではなく、近隣にもアスベストが飛散して市民の皆様に被害を及ぼすおそれもあります。

 天井裏のアスベスト1

本庁機能や窓口の分散

 現在、庁舎機能が、本庁舎、南庁舎、西別館、北別館及び明徳庁舎の5つの庁舎に分散しています。昭和41年に本庁舎が建設された後、行政需要の増大等に伴い手狭になったため、昭和56年に東海郵政局から旧岐阜郵便局の土地と建物を取得して南庁舎を開設しました。その後も庁舎の狭あいや会議室の不足などを解消するため、平成6年に西別館、平成17年に北別館、そして平成25年に明徳庁舎をそれぞれ開設して対応してきた結果、庁舎機能が5カ所に分散し市民サービスの低下等をもたらしています。
 5庁舎に分散

 

狭あい

 本庁舎を含むいずれの庁舎も十分な広さがないため、待合スペースやプライバシーに配慮した相談スペース、会議室などが不足しています。
 下の写真は、本庁舎高層部4階の介護保険課前の通路の様子です。通路に待合スペースを設けているため通路幅が狭く、車いすやベビーカーを使用されている方にとって通行しにくいだけではなく、窓口が混雑しているときには歩行者のすれ違いにも支障が生じています。
 また、各部各課の配置を工夫するなど利便性の向上に努めていますが、広さに十分な余裕がなく、窓口が各階や南庁舎に分散しているなど利便性の低下を招いています。
狭い通路と待合い

 

不十分なバリアフリー

 現在の庁舎は、バリアフリーの考え方が普及する前の建物であるため、現在求められるバリアフリーの水準を満たしておらず、高齢者や障がい者の方、乳幼児を連れた方などにとって使い勝手がよくない部分が多くあります。
 例えば、戸籍や住民票に関する窓口である市民課が本庁舎低層部1階にありますが、正面玄関から入った場合、左下の写真の1階ロビーの階段を昇らなくてはなりません。そのため、車椅子やベビーカーを利用している方などは、右下の写真にあるリフトを利用する必要があり、リフト横の受付へ申し出て、職員に操作をしてもらわなくてはなりません。
 また、車椅子やベビーカーなどに対応した多目的トイレは、本庁舎高層部1階と南庁舎1階にしかなく、オストメイト対応のトイレは本庁舎高層部1階の1か所しかありません。
 様々な市民の皆様が訪れる市役所は、誰もが使いやすい施設であることが望ましいですが、現在の庁舎は建物構造やスペースの不足といった物理的な制約などもあって、十分なバリアフリー化が難しい状況です。
1階ロビーの階段車いすの方などのためのリフト

 

不十分なセキュリティー

 庁舎には、市民の皆様の個人情報や行政文書、高額な備品等が保管されています。これらの多くは、職員の執務スペースに保管されていますが、現在の本庁舎はセキュリティー意識が現在ほど高くない時代に建設されたものであるため、特定の部署を除き職員以外の者が執務室へ容易に入ることが可能な構造であるなど十分な対策が難しい状況です。
 また、市民の皆様に対してオープンな庁舎であることは、現在、庁舎に求められる要素の一つです。例えば、市民サービスの一環として会議室等の貸し出しサービスなど、時間外や閉庁日に市庁舎を解放している自治体もありますが、現在の本庁舎の構造ではこうしたサービスの実施も難しい状況です。